第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午前11~15】

 

11 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律について正しいのはどれか。

1.市町村は障害者権利擁護センターを設置する。
2.障害児入所施設従事者による虐待に適用される。
3.障害者虐待には正当な理由なく障害者の身体を拘束することが含まれる。
4.障害者を雇用する事業主による虐待を発見した者は労働基準監督署に通報する。

解答

解説

1.× 障害者権利擁護センターを設置するのは、市町村ではなく都道府県である。ちなみに、市町村は、障害者虐待防止センターを設置する。
2.× 障害児入所施設従事者による虐待は、『障害者虐待防止法』ではなく、『児童福祉法』の規定が優先して適用される。
3.〇 正しい。障害者虐待には、正当な理由なく障害者の身体を拘束することが含まれる。障害者虐待防止法に規定されている。
4.× 障害者を雇用する事業主による虐待を発見した者は、労働基準監督署ではなく、「市町村または都道府県」に通報しなければならない。

 

 

 

 

 

12 養護教諭が勤務する小学校で、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用に関する調査を行った。その結果、小学校5年生でソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用経験がある児童が6割を占め、夜12 時以降も利用している児童が半数を占めることが明らかになった。そこで、保護者の意識を高め、児童の生活リズムを整えるための対策を講じることになり、保健だよりを配布して保護者に調査結果の報告を行った。
 次に養護教諭が行う活動で優先度が高いのはどれか。

1.家庭での利用を禁止するよう保護者に伝える。
2.利用方法に関するポスターを作成して校内に掲示する。
3.児童に与える影響について保護者向けに講演会を開催する。
4.就寝時刻の目標を定めて各クラスで競争した目標達成状況を伝える。

解答

解説

1.× 家庭での利用を禁止するよう保護者に伝えることは、優先度が低い。なぜなら、SNSとの関わり方は家庭によって異なるため。家庭での利用を禁止するよう保護者に伝えても、保護者の意識を高めることにはつながらない。
2.× 利用方法に関するポスターを作成して校内に掲示することは、優先度が低い。なぜなら、校内にポスターを掲示しても保護者の目には触れにくいため。「保護者の意識を高め、児童の生活リズムを整えるための対策」という目標である。
3.〇 正しい。児童に与える影響について保護者向けに講演会を開催することは、養護教諭が行う活動で優先度が高い。SNSについて保護者の知識と理解を深めることで、保護者の意識が高まり説得力のある説明を児童にできるようになり、生活リズムの変容につながると考えられる。
4.× 就寝時刻の目標を定めて各クラスで競争した目標達成状況を伝えることは、優先度が低い。なぜなら、目標達成を競わせるような内容ではないため。「保護者の意識を高め、児童の生活リズムを整えるための対策」という目標である。

 

 

 

 

 

13 労働安全衛生法に基づく産業保健について正しいのはどれか。

1.特定業務従事者の健康診断は年に1回以上実施する。
2.50人以上の事業場ではストレスチェックが義務付けられている。
3.300 人以上の事業場では地域産業保健センターが健康管理を行う。
4.海外派遣労働者の健康診断は産業医の判断で省略することができる。

解答

解説
1.× 特定業務従事者の健康診断は、年に1回以上ではなく、原則として当該業務への配置替えの際および6か月以内ごとに1回、定期に行わなければならない。
2.〇 正しい。50人以上の事業場ではストレスチェックが義務付けられている。平成27年施行の法改正で、心理的な負担の程度を把握するための検査(いわゆるストレスチェック)と、職場での受動喫煙の防止が新たに導入された。
3.× 地域産業保健センターが健康管理を行うのは、300人以上ではなく、50人未満の事業場を対象としている。ちなみに、50人以上の事業場は、産業医の選任義務がある。
4.× 海外派遣労働者の健康診断は、産業医の判断があっても省略できない。ただし、他の健康診断との重複するー定の検査項目を省略することはできる。重複しない項目は省略できない。

ストレスチェック制度

ストレスチェック制度は、労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)や、検査結果に基づく医師による面接指導の実施などを事業者に義務づける制度である。平成26(2014)年6月の法改正で、労働者50人以上の事業所で毎年1回、すべての労働者に対してストレスチェックを実施することが義務づけられた。

 

 

 

 

 

14 平成25年度(2013年度)の福祉行政報告例における児童虐待相談対応件数について正しいのはどれか。

1.児童相談所の対応件数は前年度に比べ横ばいである。
2.実父による虐待は前年度に比べ増加傾向である。
3.実母による虐待は全体の半数以下である。
4.身体的虐待は心理的虐待より多い。

解答

解説

1.× 児童相談所の対応件数は、前年度に比べ横ばいではなく、増加傾向である。児童相談所の児童虐待相談対応件数は88.931件で、前年度の73.802件に比べ15.129件(20.5%)増加している。児童虐待の件数は年々増加しており、また死亡事件が発生するなど、児童虐待は大きな社会問題となっている。
2.〇 正しい。実父による虐待は、前年度に比べ増加傾向である。同報告例によれば、児童虐待相談における主な虐待者が実父である割合は34.5%で、前年度の31.9%よりも増加している。
3.× 実母による虐待は、全体の半数以下ではなく、半数以上である。同報告例によれば、児童虐待相談における主な虐待者が実母である割合は52.4%である。
4.× 逆である。心理的虐待は、身体的虐待より多い。児童虐待相談のうち身体的虐待件数は26.181件であるのに対し、心理的虐待件数は38.775件である。

(データ引用:厚生労働省HPより「平成25年度(2013年度)の福祉行政報告例における児童虐待相談対応件数」)

 

 

 

 

 

15 災害時の医療体制で正しいのはどれか。

1.基幹災害拠点病院は原則として都道府県に1か所設置する。
2.災害拠点病院は避難所における感染症のまん延防止対策を行う。
3.広域災害・救急医療情報システム(EMIS)は海外との支援調整を行う。
4.災害派遣医療チーム(DMAT)は市町村と医療機関との協定に基づき活動する。

解答

解説
1.〇 正しい。基幹災害拠点病院(基幹災害医療センター)は、原則として都道府県に1か所設置する。ただし、ほとんどの県では指定は1か所であるが、千葉県などは4か所が指定されており、神奈川県のように未指定の県もある。なお、地域災害拠点病院(地域災害医療センター)は、原則として二次医療圏に1か所所設置される。
2.× 避難所における感染症のまん延防止対策を行うのは、災害拠点病院ではなく、公衆衛生学の専門家の介入が必要である。ちなみに、災害拠点病院の主な機能は、急性期の外傷対策である。
3.× 広域災害・救急医療情報システム(EMIS)は、海外ではなく、国内の支援調整を行う。都道府県の枠を超えた広域的な情報集約を行うシステムである。
4.× 災害派遣医療チーム(DMAT)は、市町村と医療機関との協定ではなく、平常時に締結された都道府県と各医療機関との協定に基づき活動する。派遣は、原則として被災都道府県からの要請に基づき行われ、移動時間を除く活動時間は、1隊あたり48時間以内を基本としている。

 

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