第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午後16~20】

 

16 A地区では震度6の地震が発生し、住宅の被害が大きく住民のほとんどは発災直後から避難所での生活を続けている。発災後2週が経過し、プライバシーが守られないなど、住民から集団生活への不満が出ている。
 避難所での保健師の活動について正しいのはどれか。

1.自家用車内での避難生活を勧める。
2.高齢者は救護所に移動してもらう。
3.認知症高齢者のいる家族の居住スペースを広く確保する。
4.避難者同士の自主的な話し合いの場が設けられるよう支援する。

解答

解説

1.× 自家用車内での避難生活を勧めることへの優先度は低い。なぜなら、同じ姿勢をとり続けることによりエコノミークラス症候群を起こす可能性があるため。
2.× 高齢者は救護所に移動してもらうことへの優先度は低い。なぜなら、救護所は、医療を提供するために設置されるものであるため。医療処置の必要がない場合は、避難所への移動を勧める。高齢者の状態によっては、福祉避難所を勧めることもある。
3.× 認知症高齢者のいる家族の居住スペースを広く確保することへの優先度は低い。なぜなら、認知症高齢者・障害者・妊産婦など、配慮を必要とする人に対しては、福祉避難所へ移動できるよう調整するため。
4.〇 正しい。避難者同士の自主的な話し合いの場が設けられるよう支援する。集団生活への不満に対しては、避難者同士の話し合いによって解決する。

 

 

 

 

 

17 個人情報保護の観点から、個人情報を提供するのに本人の同意が必要なのはどれか。

1.通所介護の参加状況を主治医に提供する。
2.腸管出血性大腸菌感染症の発生届を保健所に提出する。
3.児童虐待の疑いがある児の家族の情報を児童相談所に通告する。
4.要介護認定に係る審査のために市町村に主治医意見書を提出する。

解答

解説

ポイント

原則として、法令などで届出・通報・提出などが定められているものについては、本人の同意がなくても情報を提供できる。

1.〇 正しい。通所介護の参加状況を主治医に提供する。個人情報保護の観点から、個人情報を提供するのに本人の同意が必要である。
2.× 腸管出血性大腸菌感染症の発生届を保健所に提出するのは、本人の同意は不要である。なぜなら、腸管出血性大腸菌感染症は、『感染症法』の3類感染症に指定されており、医師は診断後直ちに、保健所長を経由して都道府県知事へ届け出なければならないと『感染症法』に届け出が定められているため。つまり、本人の同意は必要ない。
3.× 児童虐待の疑いがある児の家族の情報を児童相談所に通告するのは、本人の同意は不要である。なぜなら、虐待を受けたと思われる児童を発見した場合に児童相談所などに通告することは、『児童虐待防止法』に定められているため。つまり、本人の同意は必要ない。
4.× 要介護認定に係る審査のために市町村に主治医意見書を提出するのは、本人の同意は不要である。要介護認定では、認定調査の結果と医師の意見書が使われる。『介護保険法』では、主治医に対し意見を求めることが定められている。

 

 

 

 

 

18 新たに地域保健活動を開始する際の組織の在り方について最も適切なのはどれか。

1.事業管理と地域管理とを連動させる。
2.各部門の役割は事業の開始後に決定する。
3.組織内の職位順に活動目標を伝達共有する。
4.住民からの苦情を優先的に活動内容に反映する。

解答

解説

1.〇 正しい。事業管理地域管理とを連動させる。なぜなら、事業管理と地域管理が連動することにより、予算や人事を含む事業遂行面と、地域のニーズを基盤とした具体的事業展開面が強化できるため。
2.× 各部門の役割は、事業の開始後ではなく、事業の開始前に決定する。
3.× 組織内の職位順ではなく、職位順に関係なく関係者全員で活動目標を伝達共有する。
4.× 住民からの苦情ではなく、住民だけでは解決できない問題や公共性の高いものを優先的に活動内容に反映する。

 

 

 

 

 

19 有病率を上昇させる要因はどれか。

1.罹患率が低くなる。
2.平均有病期間が長くなる。
3.観察集団に健康な人が流入する。
4.重症化して短期間に死亡する人が増える。

解答

解説
1.× 罹患率が低くなると、有病率は低下する。なぜなら、罹患者が少なくなると有病者も少なくなるため。
2.〇 正しい。平均有病期間が長くなると、有病率は上昇する。なぜなら、罹患した人が治癒、もしくは死亡するまでの期間が長くなるため。観察される有病者数が多くなり、有病率は上昇する。
3.× 観察集団に健康な人が流入すると、有病率は低下する。なぜなら、分母である観察集団の人数に有病者ではない数が追加されるため。
4.× 重症化して短期間に死亡する人が増えても、その疾患の致命率は上昇するが、有病率が上昇することはない。

 

 

 

 

 

20 脳血管疾患について正しいのはどれか。

1.年齢調整死亡率は増加している。
2.脳出血の最大の危険因子は糖尿病である。
3.脳梗塞よりくも膜下出血による死亡数が多い。
4.平成25年(2013年)の死因順位は第4位である。

解答

解説
1.× 年齢調整死亡率は、増加ではなく、減少している。
2.× 脳出血の最大の危険因子は、糖尿病ではなく、高血圧である。他にも、食塩過剰摂取・ストレス・寒冷・飲酒・蛋白質摂取不足などが挙げられている。
3.× 逆である。くも膜下出血より脳梗塞による死亡数が多い。人口動態統計によれば、平成26年の脳梗塞の死亡数は6万6,058人で、くも膜下出血の死亡数1万2,662人より多い。
4.〇 正しい。平成25年(2013年)の死因順位は第4位である。平成26年の脳血管疾患の死因順位は、①悪性新生物、②心疾患、③肺炎に次いで第4位である。

 

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