第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午前21~25】

 

21 プライマリヘルスケアの原則として正しいのはどれか。

1.専門家によるリーダーシップの発揮
2.住民のディマンドの重視
3.高度先進医療の提供
4.資源の有効活用

解答

解説

プライマリヘルスケアとは?

プライマリヘルスケアは、アルマ・アタ宣言(1978年)で提唱されたものである。地域住民が一次的に利用する保健医療サービスを指す。

提唱元:アルマ・アタ宣言(WHOとUNICEF)

概念:「すべての人々に健康を」を目標に、病気の治療よりも予防対策や健康管理に重点を置いた保健活動

【4つの原則】
①住民のニーズに基づくこと
②地域資源の有効活用
③住民参加
①農業・教育・通信・建設・水利等、多分野間の協調と統合

【8つの活動項目】
①健康教育(ヘルスプロモーション)
②食料の供給と栄養の改善子
③安全な飲料水の供給と基本的な環境衛生
④母子保健サービス(家族計画を含む)
⑤主要な感染症の対策(予防接種)
⑥風土病の対策
⑦簡単な病気やけがの治療(プライマリケア)
⑥必須医薬品の供給

1.× 専門家によるリーダーシップの発揮ではなく、住民参加が重視されている。
2.× 住民のディマンド(主観的要望)の重視ではなく、ニーズ(客観的要望)に基づくことが重視されている。
3.× 高度先進医療の提供ではなく、地域にある資源の有効活用による保健活動が期待されている。
4.〇 正しい。資源の有効活用は、プライマリヘルスケアの原則である。プライマリヘルスケアでは、地域にある資源を有効活用して、関連する他分野の協力も得て、地域社会や住民参加による保健予防活動を構築・発展させることが期待されている。

 

 

 

 

 

22 地域包括支援センターについて正しいのはどれか。

1.概ね1万人ごとに設置する。
2.要介護状態区分の決定を行う。
3.地域密着型介護予防サービスの提供を行う。
4.介護支援専門員の地域ネットワークを構築する。

解答

解説
1.× 厚生労働省の基準として、概ね1万人ごとではなく、概ね人口3万人ごとに設置する。ただし、『介護保険法』に明文の規定はない。
2.× 要介護状態区分の決定(認定)を行うのは、市町村である。ちなみに、審査判定をするのは介護認定審査会である。
3.× 地域密着型介護予防サービスの提供を行うのは、地域包括支援センターではなく、地域密着型介護予防サービス事業者である。
4.〇 正しい。介護支援専門員の地域ネットワークを構築する。地域ネットワークの構築は、包括的支援事業の包括的・継続的ケアマネジメント支援業務に含まれ、地域包括支援センターが実施する。

 

 

 

 

 

23 19世紀のイギリスにおいて公衆衛生法の成立に寄与した人物はどれか。

1.ジョン・スノウ
2.レスター・ブレスロー
3.ウイリアム・ラスボーン
4.チャールズ・ウィンスロー
5.エドウィン・チャドウィック

解答

解説
1.× ジョン・スノウは、疫学の父といわれる人物であり、ロンドンでのコレラ流行において、初めて疫学的手法を用いた研究を行い、感染経路の解明と対策により感染症の流行を阻止できることを示した。
2.× レスター・ブレスローは、アメリカにおいて、健康に影響する「ブレスローの7つの健康習慣」を提唱し、これらの健康習慣の実践が死亡率を減少させるだろうという研究結果を示した。
3.× ウイリアム・ラスボーンは、リバプールにおいて貧民救済を目指し、家庭訪問による生活指導を行う訪問看護師の養成に務めた。地区保健師の始まりとされる。
4.× チャールズ・ウィンスローは、アメリカの公衆衛生学者であり、公衆衛生を定義した人物である。
5.〇 正しい。エドウィン・チャドウィックは、19世紀のイギリスにおいて公衆衛生法の成立に寄与した人物である。公衆衛生の父といわれる人物で、イギリスにおいて「労働人口の衛生状態(1842年)」をまとめ、公衆衛生施策を推進する『公衆衛生法(1848年)』の成立に寄与した。

 

 

 

 

 

24 学校保健統計調査から得られるのはどれか。

1.ぜん息の被患率
2.自殺した児童生徒数
3.救急車による搬送件数
4.不登校の状態にある児童生徒数
5.学校の管理下における突然死の件数

解答

解説

学校保健統計調査とは?

「学校保健統計調査」は、学校(幼稚園、小学校、中学校、高等学校および中等教育学校)における幼児、児童、および生徒の発育、および健康の状態を明らかにすることを目的とした調査である。

1.〇 正しい。ぜん息の被患率は、学校保健統計調査から得られる。学校保健統計調査は、学校における定期健康診断の結果についての標本調査で、主な疾病・異常の被患率が得られる。
2.× 自殺した児童生徒数は、人口動態統計から得られる。
3.× 救急車による搬送件数は、総務省消防庁の「救急・救助の現況」から得られる。
4.× 不登校の状態にある児童生徒数は、文部科学省の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」から得られる。
5.× 学校の管理下における突然死の件数は、日本スポーツ振興センターの「災害共済給付状況」から得られる。

 

 

 

 

 

25 市町村保健センターで正しいのはどれか。

1.市町村に設置義務がある。
2.センター長は原則として医師である。
3.地域保健法に設置が定められている。
4.診療放射線技師の配置が定められている。
5.平成24年11月時点のセンター数は1,500か所である。

解答

解説
1.× 市町村に設置義務はなく、「市町村は設置することができる」である。
2.× センター長は、原則として医師である必要はない。市町村保健センターには、センター長を含め、職員についての規定はない。
3.〇 正しい。地域保健法に設置が定められている。ちなみに、18条~20条である。
4.× 診療放射線技師の配置は定められていていない。保健所とは異なり、職員の配置については、『地域保健法』、『地域保健法施行規則』にも規定がない。
5.× 平成24年11月時点のセンター数は、1,500か所ではなく、2650か所である。

 

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