第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午後26~30】

 

26 平成23年(2011年)の健康日本21最終評価結果で目標値に達した項目はどれか。

1.食塩摂取量の減少
2.糖尿病合併症の減少
3.日常生活における歩数の増加
4.意識的に運動を心がけている人の増加
5.メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加

解答

解説

健康日本21とは?

健康日本21は、健康寿命を延伸し、すべての国民が健やかで活力ある社会とするために、平成12年に厚生労働省によって策定された。

1.× 食塩摂取量の減少は、「目標値に達していないが改善傾向にある」項目である。男女とも各年代で減少したものの、目標策定時の測定値で13.5gに対し、10.7gであった。(目標値は成人10g未満)
2.× 糖尿病合併症の減少は、「悪化している」項目である。目標策定時の測定値で10.729人に対し、16.414人であった(目標値は11.700人)。
3.× 日常生活における歩数の増加は、「悪化している」項目である。目標策定時の測定値で男性8.202歩、女性7.282歩に対し、男性7.243歩、女性6.431歩であった(目標値は、男性9.200歩以上、女性8.300歩以上)
4.× 意識的に運動を心がけている人の増加は、「目標値に達していないが改善傾向にある」項目である。目標策定時の測定値で男性51.8%、女性53.1%に対し、男性58.7%、女性60.5%であった(目標値は、男女とも63%以上)。
5.〇 正しい。メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加は、平成23年(2011年)の健康日本21最終評価結果で目標値に達した。「20歳以上で80%以上」という目標値に対し、92.7%であった。ちなみに、他に「目標値に達した」項目は、「高齢者で外出について積極的態度をもつ人の増加」「80歳で20歯以上、60歳で24歯以上の自分の歯を有する人の増加」など、計10項目である。

 

 

 

 

 

27 地域子育て支援拠点事業について正しいのはどれか。

1.従事者に条件はない。
2.一時預かり事業を実施する。
3.開催日数の基準が設けられている。
4.ひろば型とセンター型との2種類がある。
5.根拠法令は子ども・子育て支援法である。

解答

解説

地域子育て支援拠点事業とは?

地域子育て支援拠点事業は、市町村が乳幼児およびその保護者が相互交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報提供などの支援を行う事業である。

1.× 従事者に条件がある。地域子育て支援拠点事業には、①一般型、②連携型、③地域機能強化型がある。従事者は、①一般型・②連携型では子育て支援に意欲があり、子育てに関する知識経験を有する者でなければならず、③地域機能強化型では、育児・保育等について相当の知識・経験を有し、地域の子育て事情や社会資源に精通する者でなければならない。
2.× 一時預かり事業は行わない。①交流の場の提供・交流促進、②子育てに関する相談・援助、③地域の子育て関連情報提供、④子育て・子育て支援に関する講習などを行う。
3.〇 正しい。開催日数の基準が設けられている。たとえば、一般型では、原則として週3日以上かつ1日5時間以上開設しなければならないと規定されている。
4.× ひろば型とセンター型との2種類ではなく、①一般型、②連携型、③地域機能強化型の3種類である。ちなみに、平成25年度より以前は、ひろば型、センター型、児童館型があった。
5.× 根拠法令は、子ども・子育て支援法ではなく、『児童福祉法』である。

 

 

 

 

 

28 学校教育法で定められているのはどれか。

1.食育の実施
2.学校保健の定義
3.養護教諭の配置義務
4.学級閉鎖の実施基準
5.就学時健康診断の実施

解答

解説
1.× 食育の実施は、『食育基本法』で定められている。
2.× 学校保健の定義は、学校安全の定義とともに『文部科学省設置法』で定められている。学校保健とは、学校における保健教育及び健康管理をいう。
3.〇 正しい。養護教諭の配置義務は、学校教育法で定められている。小学校、中学被、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校では必置である。
4.× 学級閉鎖の実施は、『学校保健安全法』に定められている。ただし、具体的な基準はについては、法令では定められていない。ちなみに、出席停止の基準は、学校保健安全法施行規則に定められている。
5.× 就学時健康診断の実施は、『学校保健安全法』に定められている。ちなみに、実施義務があるのは、市町村の教育委員会である。

 

 

 

 

 

29 保健活動で用いる尺度の妥当性の説明として正しいのはどれか。

1.測定する側が実施しやすい。
2.測定される側が受け入れやすい。
3.測定したい特性が正しく測定できている。
4.調査対象の測定結果が全体を代表している。
5.同一対象に対して繰り返し測定すると同じ値が得られる。

解答

解説

誤差の種類

測りたい真の値(真値)と実際の測定値との差を誤差(エラー)という。誤差は2種類に大別される。

①系統誤差(バイアス):特定の要因が影響して一定の方向へ偏って生じる誤差。

②偶然誤差(ランダムエラー):まったくの偶然で方向性なく生じる誤差。

妥当性が高い測定は系統誤差が小さく、より真値に近い結果が得られる。妥当性とは、測定結果が全体として真値に比べてどの程度偏っているかの尺度である。信頼性とは、ある対象を測定するごとに、測定値が偶妹どの程度ばらつくかの尺度である。

1.× 測定する側が実施しやすいというのは、測定する際の方法に関する説明である。尺度の妥当性の説明ではない。
2.× 測定される側が受け入れやすいというのは、測定する際の方法に関する説明である。尺度の妥当性の説明ではない。
3.〇 正しい。測定したい特性が正しく測定できているというのは、保健活動で用いる尺度の妥当性の説明である。測定したい特性とは、すなわち真値のことである。真値が正しく測定できているかは系統誤差にかかわる説明である。
4.× 調査対象の測定結果が全体を代表しているかどうかは代表値の説明である。尺度の妥当性の説明ではない。
5.× 同一対象に対して繰り返し測定すると同じ値が得られるかどうかは信頼性の説明(偶然誤差が小さいことの説明)である。

 

 

 

 

 

30 地方自治体の保健医療福祉計画の策定におけるパブリックコメントについて正しいのはどれか。

1.地方自治法に基づいて行われる。
2.計画策定における合意形成の方法である。
3.策定された計画を広く公表するために行う。
4.寄せられた意見に対する結果は個別に連絡する。
5.計画に関連する市民団体を選定して意見を求める。

解答

解説

パブリックコメントとは?

パブリックコメント(意見公募手続)とは、公的な機関が規則あるいは命令などの類のものを制定しようとするときに、広く公に、意見・情報・改善案などを求める手続きをいう。行政機関が命令(政令、省令、条例など)を制定するにあたり、事前に案を示し、その案について広く市民から意見を募集すること。

1.× 地方自治法ではなく、行政手続法に基づいて行われる。
2.〇 正しい。計画策定における合意形成の方法である。広く市民から意見を募集し、計画について合意形成を図る方法である。
3.× 策定された計画を広く公表するためではなく、計画について意見を求める方法である。
4.× 寄せられた意見に対する結果は個別に連絡することはない。行政手続法により、「寄せられた意見に対する結果は、正当な理由がある場合を除いて、公示しなければならない」と規定されている。
5.× 計画に関連する市民団体を選定するのではなく、広く市民に意見を求める。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)