第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午後36~40】

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 人口10 万人のA市。A市は地域特性が異なるB、C 地区からなっている。B 地区の高齢者サロンで健康講話を行ったところ、腰痛や膝痛の訴えが多くあり、参加者の中には要支援と認定された者もいた。保健師はA市内での介護予防教室を実施する必要性を検討するため、各地区の高齢者サロンの参加者から情報を収集することにした。

36 収集する情報として優先度が高いのはどれか。

1.サロンへの参加以外の外出頻度
2.持ち家の所有状況
3.世帯収入
4.職業歴

解答

解説

1.〇 正しい。サロンへの参加以外の外出頻度は、収集する情報として優先度が高い。介護予防事業を企画しようとするとき、まず当該地域を診断し、地域のヘルス・ニーズを把握する。外出頻度は、介護予防教室を実施する必要性を検討できる。腰痛などの痛みは身体活動の低下、体重増加や筋力低下を引き起こし、さらに外出頻度低下などによる閉じこもりや精神面での悪影響につながる大きな要因である。
2.× 持ち家の所有状況は、優先度が低い。なぜなら、持ち家の所有状況と、腰痛・膝痛は必ずしも関連があるとはいえないため。
3.× 世帯収入は、優先度が低い。なぜなら、なぜなら、世帯収入と、腰痛・膝痛は必ずしも関連があるとはいえないため。ただし、サロンへの参加や介護予防のために継続的に取り組む運動などにおいて費用がかかるため、世帯収入は有用な情報である。
4.× 職業歴は、優先度が低い。なぜなら、今回は介護予防教室を実施する必要性を検討するための情報を収集したいため。ただし、腰痛や膝痛は職業に起因する場合もあるため、職業歴は個別の保健指導に必要な情報である。

 

 

 

 

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 人口10 万人のA市。A市は地域特性が異なるB、C 地区からなっている。B 地区の高齢者サロンで健康講話を行ったところ、腰痛や膝痛の訴えが多くあり、参加者の中には要支援と認定された者もいた。保健師はA市内での介護予防教室を実施する必要性を検討するため、各地区の高齢者サロンの参加者から情報を収集することにした。

37 収集した情報を分析したところ、B地区はC地区と比較して、転倒の危険性や運動機能の衰えを感じている者が多いことが分かった。保健師は、まずはB地区で介護予防教室を実施することにした。
 初回の介護予防教室の内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.介護保険の申請方法を説明する。
2.有効な運動方法について指導する。
3.関節可動域(ROM)訓練を実施する。
4.車椅子の使用方法について説明する。
5.基本チェックリストによる健康度評価を行う。

解答2・5

解説
1.× 介護保険の申請方法を説明することへの優先度が低い。なぜなら、介護予防教室の対象者は介護保険の要支援・要介護の認定を受けていない65歳以上の高齢者(日常生活自立)であるため。
2.〇 正しい。有効な運動方法について指導する。初回の介護予防教室では、転倒の危険性や運動機能の衰えを感じている高齢者に対し、バランスと柔軟性を高める運動など、有効な運動方法について指導する。
3.× 関節可動域(ROM)訓練を実施することへの優先度が低い。なぜなら、関節可動域(ROM)訓練は、転倒防止に直接的に寄与しないため。関節可動域(ROM)訓練とは、関節の拘縮を予防し、正常な関節可動域に近づけ、維持するための運動療法である。参加者の運動機能評価がされていない段階で、全員を対象にROM訓練を実施する必要はない。
4.× 車椅子の使用方法について説明することへの優先度が低い。なぜなら、介護予防教室の対象者は介護保険の要支援・要介護の認定を受けていない65歳以上の高齢者(日常生活自立)であるため。
5.〇 正しい。基本チェックリストによる健康度評価を行う。なぜなら、初回の介護予防教室において、要支援・要介護状態となる可能性の高い高齢者を把握する必要があるため。

 

 

 

 

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 人口10 万人のA市。A市は地域特性が異なるB、C 地区からなっている。B 地区の高齢者サロンで健康講話を行ったところ、腰痛や膝痛の訴えが多くあり、参加者の中には要支援と認定された者もいた。保健師はA市内での介護予防教室を実施する必要性を検討するため、各地区の高齢者サロンの参加者から情報を収集することにした。

38 保健師はC地区でも介護予防教室を実施するため、C地区での介護予防教室のテーマを別途検討することにした。
 C地区の情報で分析する優先度が高いのはどれか。

1.死因別死亡数
2.寝たきり高齢者数
3.要介護状態区分別の認定者数
4.高齢者サロン参加者の現病歴

解答

解説
1.× 死因別死亡数は、優先度が低い。なぜなら、介護予防教室は、C地区の健康問題を明らかにしたうえで、その問題への対応策として実施されるため。
2.× 寝たきり高齢者数は、優先度が低い。なぜなら、介護予防教室のテーマを検討するための情報を収集するため。介護予防教室の対象者は介護保険の要支援・要介護の認定を受けていない65歳以上の高齢者(日常生活自立)である。しかし、介護予防教室の必要性を検討するうえで必要な情報である。
3.× 要介護状態区分別の認定者数は、優先度が低い。なぜなら、介護予防教室のテーマを検討するための情報を収集するため。介護予防教室の対象者は介護保険の要支援・要介護の認定を受けていない65歳以上の高齢者(日常生活自立)である。しかし、介護予防教室の必要性を検討するうえで必要な情報である。
4.〇 正しい。高齢者サロン参加者の現病歴は、C地区の情報で分析する優先度が高い。なぜなら、サロン参加者の現病歴から介護予防のヘルス・ニーズを把握することができるため。保健師は、C地区の介護予防教室対象者のニーズに基づきテーマを選定し、高齢者サロン参加者は介護予防教室の対象者となることも考えられる。

 

 

 

 

 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。
 A地区の高層マンションには若い世代が多く住んでいる。高層マンションに住むBさん(23 歳、初産婦)は、市の両親学級に参加していたが、マンション内に親しい友人はいない。両親学級に参加した際にBさんは「夫は会社員で帰宅時間が遅く、両親は遠方に住んでいる」と話していた。出産後、母子ともに順調に経過し退院した。市の保健師は生後25日目にBさん宅へ新生児訪問することになった。

39 新生児訪問時、Bさんは「育児に不安がある」、「相談する相手がいない」などと保健師に話した。
 このときのBさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1.育児不安の内容を具体的に聞く。
2.近所の児童館を利用するよう勧める。
3.夫の育児への協力の有無を確認する。
4.B さんの実父母の健康状態を確認する。
5.両親学級のときに知り合った者に連絡するよう勧める。

解答

解説

新生児期にある母子への支援

乳幼児期は、健康問題は生じやすく、たとえ現時点で健康に問題はなくとも、生活の大半で世話を必要とする乳幼児期の育児には大変な労力が必要である。保健師は、妊娠期から出産後までの経過を追いながら、現時点での問題だけでなく、今後起こる可能性のある潜在的な問題にも目を向け、先を見越した支援を行う必要がある。

1.〇 正しい。育児不安の内容を具体的に聞く。そうすることで、問題点を明確化でき支援できる。
2.× 近所の児童館を利用するよう勧めることへの優先度が低い。なぜなら、親しい友人がおらず、相談する相手がいないという状況にあるBさんに対し、児童館を紹介するのは突然すぎるため。
3.× 夫の育児への協力の有無を確認することへの優先度が低い。まず、今の状況をどう考え、どうしたいのかBさんの意思を確認する必要がある。
4.× B さんの実父母の健康状態を確認することへの優先度が低い。まず、今の状況をどう考え、どうしたいのかBさんの意思を確認する必要がある。
5.× 両親学級のときに知り合った者に連絡するよう勧めることへの優先度が低い。Bさん主体の問題解決のためには、まず、Bさんの現状認識を聞き、どうしたいのかBさんの意思を確認する必要がある。

 

 

 

 

 

 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。
 A地区の高層マンションには若い世代が多く住んでいる。高層マンションに住むBさん(23 歳、初産婦)は、市の両親学級に参加していたが、マンション内に親しい友人はいない。両親学級に参加した際にBさんは「夫は会社員で帰宅時間が遅く、両親は遠方に住んでいる」と話していた。出産後、母子ともに順調に経過し退院した。市の保健師は生後25日目にBさん宅へ新生児訪問することになった。

40 新生児訪問時、B さんは「引っ越してきたばかりで、妊娠中はあまり外に出ることがなかったので、家の近くに友人がいない」と話していた。このことをきっかけに保健師は、A地区の高層マンションに住む母親の育児に関する課題を検討することにした。
 把握する項目として最も優先度が高いのはどれか。

1.両親学級の参加状況
2.A地区の出生数の推移
3.3か月児健康診査の受診者数
4.新生児訪問記録における主訴

解答

解説
1~3.× 両親学級の参加状況/A地区の出生数の推移/3か月児健康診査の受診者数は、優先度が低い。なぜなら、Bさんの事例から想定される育児上の問題は、地域に知人・友人がいない母親が多いことであるため。つまり、育児する親が孤立する危険性があることである。
4.〇 正しい。新生児訪問記録における主訴は、把握する項目として最も優先度が高い。なぜなら、母親の孤立の危険性を含め、育児状況を最も把握できるため。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)