第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午前41~45】

 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
 Aさん(27歳、女性)。両親との3人暮らし。大学受験に失敗し、浪人していたときに幻覚と妄想とが出現し、統合失調症と診断され、3か月間精神科病院に入院したことがある。Aさんは半年前から受診を中断し、ぶつぶつ独り言を言うようになったため、母親が受診を勧めたがAさんは拒否している。対応に困った母親から保健所の保健師に相談の電話があった。

41 このときの母親への対応で最も適切なのはどれか。

1.家庭訪問することを提案する。
2.保健師から主治医に連絡すると説明する。
3.Aさんが自分から受診するのを待つよう助言する。
4.保健師から電話でAさんに受療を勧めると説明する。

解答

解説
1.〇 正しい。家庭訪問することを提案する。なぜなら、まずはAさんの精神症状の有無・程度や生活上抱えている困難さなどについて情報収集をしたうえで、今後の対応について検討する必要があるため。家族やAさんと直接話すことができ、生活の状況についても把握ができる。
2.× 保健師から主治医に連絡すると説明することの優先度が低い。なぜなら、すでに半年間も受診が中断されているため。主治医からの連絡が治療再開につながるとは考えにくい。また、Aさんの状況を把握する前に、保健師から主治医に連絡することが有効であるとは考えにくい。
3.× Aさんが自分から受診するのを待つよう助言することの優先度が低い。なぜなら、Aさんは受診に拒否的であり、自らの意思で受診を再開することは考えにくいため。
4.× 保健師から電話でAさんに受療を勧めると説明することの優先度が低い。なぜなら、電話で安易に受診を勧奨することは、Aさんとの信頼関係を損なうおそれがあるため。Aさんとの関係を構築し、本人の話を聴いたうえで、対面で勧めることが望ましい。

 

 

 

 

 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
 Aさん(27歳、女性)。両親との3人暮らし。大学受験に失敗し、浪人していたときに幻覚と妄想とが出現し、統合失調症と診断され、3か月間精神科病院に入院したことがある。Aさんは半年前から受診を中断し、ぶつぶつ独り言を言うようになったため、母親が受診を勧めたがAさんは拒否している。対応に困った母親から保健所の保健師に相談の電話があった。

42 1か月後、「Aは受診を再開しましたが、予約した外来日に受診せず、内服も不規則のようです」と母親から保健師に電話で相談があった。
 母親に確認する内容で優先度が高いのはどれか。

1.残薬数
2.次回の外来予約日
3.家族が代わりに受診できる可能性
4.Aさんの治療に対する父親の理解

解答

解説
1.〇 正しい。残薬数は、母親に確認する内容で優先度が高い。なぜなら、服薬をどの程度遵守できているかは、病状の把握や今後の方針を立てるうえで重要な情報であるため。
2.× 次回の外来予約日は、優先度は低い。なぜなら、次回の外来予約日を確認しても、本人が当日受診するかは不確かであるため。
3.× 家族が代わりに受診できる可能性は、優先度は低い。なぜなら、家族による代理受診をしても本質的な問題解決にはならないため。また、本人が受診しない場合は、薬を処方できない。
4.× Aさんの治療に対する父親の理解は、優先度は低い。なぜなら、ここでの課題は「Aさんの治療に対する理解」であるため。

 

 

 

 

 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
 Aさん(27 歳、女性)。両親との3人暮らし。大学受験に失敗し、浪人していたときに幻覚と妄想とが出現し、統合失調症と診断され、3か月間精神科病院に入院したことがある。Aさんは半年前から受診を中断し、ぶつぶつ独り言を言うようになったため、母親が受診を勧めたがAさんは拒否している。対応に困った母親から保健所の保健師に相談の電話があった。

43 その後、定期的な受診が継続できるようになり、保健師に対しA さんから「母親からは体調が良いなら働いたらどうかと言われ、イライラするので家にいたくない」と相談があった。
 Aさんに紹介するサービスで適切なのはどれか。

1.就労移行支援
2.地域定着支援
3.地域活動支援センター
4.共同生活援助(グループホーム)

解答

解説
1.× 就労移行支援は優先度が低い。なぜなら、Aさんは就労を希望しているわけではないため。就労移行支援は、一般企業などへの就労を希望する人に対して、就労に必要な知識・能力の向上を目指した訓練を一定期間行うサービスである。
2.× 地域定着支援は優先度が低い。なぜなら、Aさんは家族と同居しており一定の支援が見込める状況にあるため。地域定着支援は、単身者や家族が緊急時に対応できない人を対象に、24時間の緊急訪問や相談などの支援を行うサービスである。
3.〇 正しい。地域活動支援センターは、創作的活動や生産活動を通して、社会との交流や日中活動の場を提供・促進する施設である。Aさんの活動性の向上が期待できること、母親と距離をとれることから、紹介するサービスとして適切である。
4.× 共同生活援助(グループホーム)は優先度が低い。なぜなら、現状、Aさんから家を出たいという訴えはないため。共同生活援助(グループホーム)は、共同生活を営む住居において、服薬指導などの相談や日常生活の援助などを行うサービスである。

 

 

 

 

 

 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
 人口2万人のA町。A町のB 地区には新たに新幹線の駅ができ、300 戸の温泉付のマンションが建設された。マンションの入居者の平均年齢は67.2 歳で、都市部の会社を定年退職した者が多い。ほぼ全戸に入居が済んだことで、A町全体の老年人口割合が増加した。

44 B地区の健康課題を明らかにするために情報を収集する対象で優先度が高いのはどれか。

1.A町の老人クラブの参加者
2.マンションの自治会長
3.B 地区の民生委員
4.B 地区の開業医

解答

解説
1.× A町の老人クラブの参加者は優先度が低い。なぜなら、B地区の健康実態をつかむには情報が偏る可能性が高いため。老人クラブは、高齢者の自主組織であり、仲間づくりや健康づくりなどの活動をしている比較的健康レベルの良好な住民の集まりである。
2.× マンションの自治会長は優先度が低い。なぜなら、新築マンションであり、住民の居住年数が長くないことから、マンションの自治会長もまだ住民の健康実態をつかんでいないと考えられるため。
3.〇 正しい。B 地区の民生委員は、B地区の健康課題を明らかにするために情報を収集する対象で優先度が高い。なぜなら、民生委員は、地域住民の生活状況を把握しており、住民の生活に関する相談に対応しているため。
4.× B 地区の開業医は優先度が低い。なぜなら、得られる情報が医療情報のみに偏るため。他にも、①開業医に通院する住民のほとんどが有疾患者または有訴者であること、②B地区の全住民がその開業医にかかっているとは限らないことなどの問題点があげられる。

 

 

 

 

 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
 人口2万人のA町。A町のB 地区には新たに新幹線の駅ができ、300 戸の温泉付のマンションが建設された。マンションの入居者の平均年齢は67.2 歳で、都市部の会社を定年退職した者が多い。ほぼ全戸に入居が済んだことで、A町全体の老年人口割合が増加した。

45 保健師はB地区のマンションの入居者の世代や背景が似ていることに着目し、生活状況や健康に対する考え方などの質的なデータを得たいと考えた。
 把握する方法として最も適切なのはどれか。

1.地区踏査
2.電話インタビュー
3.インターネットアンケート
4.フォーカス・グループインタビュー

解答

解説
1.× 地区踏査は、優先度が低い。なぜなら、地区踏査は、実際に地域に出向いて情報を収集する方法で、住民が生活している住居や街並み、暮らしぶりなどを把握するものである。
2.× 電話インタビューは、優先度が低い。なぜなら、電話インタビューでは、インタビューの対象が電話所有者に限られるため。また、質問数が多かったり、時間がかかるような内容には適さない。また、正しい情報を得るには信頼関係が必要である。
3.× インターネットアンケートは、優先度が低い。なぜなら、インターネットアンケートは、対象者本人が回答しているかを確認することが難しいため。また、回答者がインターネット利用者に限られ、B地区のマンション入居者の平均年齢が67.2歳であることから、インターネット利用者が少ないと考えられる。
4.〇 正しい。フォーカス・グループインタビューは、把握する方法として最も優先度が高い。フォーカス・グループ・インタビューは、ある特定のテーマに対して参加者に自由に意見を交換してもらうことによって情報を把握する方法である。地区の住民の健康課題の質的データを得ることができる。

 

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