第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午後41~45】

 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。
 A地区の高層マンションには若い世代が多く住んでいる。高層マンションに住むBさん(23 歳、初産婦)は、市の両親学級に参加していたが、マンション内に親しい友人はいない。両親学級に参加した際にBさんは「夫は会社員で帰宅時間が遅く、両親は遠方に住んでいる」と話していた。出産後、母子ともに順調に経過し退院した。市の保健師は生後25日目にBさん宅へ新生児訪問することになった。

41 A地区の健康課題として高層マンションに住む育児中の母親の交流不足が明らかになった。市内には母親が集まって活動をしている育児サークルがあり、保健師は既存の育児サークルを活用して、A地区内の育児中の母親の交流を深めたいと考えている。
 このような課題解決に向けて次年度に育児サークルと協働して行うのはどれか。

1.育児サークルのメンバーが両親学級に参加する。
2.母子保健推進員が育児サークルの運営に関わる。
3.新生児訪問で育児サークルのメンバーを紹介する。
4.育児サークルの活動を高層マンションの集会場で行う。

解答

解説
1.〇 正しい。育児サークルのメンバーが両親学級に参加する。なぜなら、妊娠期に開催される両親学級において、育児サークルのメンバーと顔見知りになることができれば、出産後にも活用しやすくなるため。
2.× 母子保健推進員が育児サークルの運営に関わることへの優先度が低い。なぜなら、A地区内の育児中の母親の交流を深めることにはならないため。母子保健推進員(通称:ぼすいさん)とは、お母さんと保健センターの架け橋として子育てを応援するボランティアのことである。 .
3.× 新生児訪問で育児サークルのメンバーを紹介することへの優先度が低い。なぜなら、新生児訪問時(生後1か月程度)では、まだ育児サークルに出かけられる状況にはないため。
4.× 育児サークルの活動を高層マンションの集会場で行うことへの優先度が低い。なぜなら、ただ集会場で行うだけでは、参加の契機とはなりにくいため。ただし、母親にとって身近な場所に交流の場があれば自然と交流が生まれる可能性がある。

 

 

 

 

 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。
 Aさん(21 歳、女性)。高校卒業後就職したが職場では人間関係が築けず、1つの決められた作業に集中することはできるが、複数の仕事が重なるとパニック状態になってしまうため転職を繰り返した。半年前にAさんは仕事を辞め、最近は自信をなくして自室にひきこもり昼夜逆転の生活となっている。Aさんのことが心配だと母親から保健所に電話相談があった。保健師は母親に来所を勧め、面接を実施した。

42 保健師が母親に確認するAさんの情報として優先度が高いのはどれか。

1.交友関係
2.精神症状の有無
3.高校時代の学業成績
4.これまでの転職の経緯

解答

解説
1.3~4.× 交友関係/高校時代の学業成績/これまでの転職の経緯は、優先度が低い。なぜなら、ひきこもりに至った原因が精神疾患によるものかどうかによって、緊急度や今後の対応方法が大きく異なるため。
2.〇 正しい。精神症状の有無は、保健師が母親に確認するAさんの情報として優先度が高い。Aさんは21歳であり、統合失調症などの精神疾患の好発年齢にある。ひきこもりに至った原因が精神疾患によるものかどうかによって、緊急度や今後の対応方法が大きく異なる。

 

 

 

 

 

 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。
 Aさん(21 歳、女性)。高校卒業後就職したが職場では人間関係が築けず、1つの決められた作業に集中することはできるが、複数の仕事が重なるとパニック状態になってしまうため転職を繰り返した。半年前にAさんは仕事を辞め、最近は自信をなくして自室にひきこもり昼夜逆転の生活となっている。Aさんのことが心配だと母
 親から保健所に電話相談があった。保健師は母親に来所を勧め、面接を実施した。

43 Aさんは保健師が紹介した医療機関を受診し、後日、Aさんが自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された。受診から3日後、母親がAさんと一緒に受診結果の報告に保健所を訪れた。母親は障害と診断されたことに戸惑っている様子であったが、30分ほど会話をする中で落ち着き「私がこんなに動揺していてはだめですね。娘のことをもっと考えてあげないといけませんね」と話した。
 このときの母親への助言として最も適切なのはどれか。

1.「お母さんがしっかりしましょう」
2.「今までの子育てを振り返りましょう」
3.「Aさんとの散歩を日課にしてください」
4.「まずはAさんの病気を受け止めましょう」
5.「Aさんが何に困っているかよく聞きましょう」

解答

解説
1.× 「お母さんがしっかりしましょう」と伝える優先度が低い。なぜなら、「しっかりしましょう」という助言は、具体性を欠いているため。今後、母親がどのように行動すべきかを具体的に伝えていく必要がある。
2.× 「今までの子育てを振り返りましょう」と伝える優先度が低い。なぜなら、母親の自責感を助長するおそれがあるため、また、自閉症スペクトラム障害(自閉スペクトラム症)は、子育てとは関連がなく、先天性の脳機能障害が原因とされている。
3.× 「Aさんとの散歩を日課にしてください」と伝える優先度が低い。なぜなら、現在、Aさんは自室にひきこもり、昼夜逆転の状態であるため。よりAさんや母親の負担になる可能性が高い。
4.× 「まずはAさんの病気を受け止めましょう」と伝える優先度が低い。なぜなら、「受け止めましょう」という助言は、具体性に欠かいているため。Aさんに対して具体的にどのようなことができるかを一緒に考えたり、母親の心情を傾聴・共感したりするなど、丁寧な支援が必要である。
5.〇 正しい。「Aさんが何に困っているかよく聞きましょう」と伝える。母親がAさんの特性を理解したうえで適切に対応するために、Aさんの生活のしにくさや困難さを確認することは有用であり、具体的かつ適切な助言である。

 

 

 

 

 

 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。
 Aさん(21 歳、女性)。高校卒業後就職したが職場では人間関係が築けず、1つの決められた作業に集中することはできるが、複数の仕事が重なるとパニック状態になってしまうため転職を繰り返した。半年前にAさんは仕事を辞め、最近は自信をなくして自室にひきこもり昼夜逆転の生活となっている。Aさんのことが心配だと母
 親から保健所に電話相談があった。保健師は母親に来所を勧め、面接を実施した。

44 診断から2か月後、少しずつ障害を理解できAさん自身も気持ちが落ち着いてきた。Aさんは「障害を理解してくれるところで働きたいので相談にのって欲しい」と話した。
 Aさんが利用する社会資源として最も適しているのはどれか。

1.自立訓練
2.行動援護
3.地域活動支援センター
4.発達障害者支援センター
5.コミュニケーション支援事業

解答

解説

本症例のポイント

設問からAさんは「障害を理解してくれるところで働きたいので相談にのって欲しい」と話している。つまり、就労を目的としたサービスを提案するのが望ましい。

1.× 自立訓練は、自立した日常生活・社会生活ができるように、入浴・排泄・食事などに関する訓練などを行うサービスである。
2.× 行動援護は、障害者などが行動する際に生じる可能性のある危険を回避するために必要な援護である。外出時における移動中の介護、排泄および食事などの介護、そのほか行動する際に必要な援助を行う。
3.× 地域活動支援センターは、創作的活動や生産活動を通して、社会との交流日中活動の場を提供・促進する施設である。
4.〇 正しい。発達障害者支援センターは、Aさんが利用する社会資源として最も適している。発達障害者支援センターは、発達障害者とその家族からの相談に応じ、医療・保健・福祉・教育・労働などについて総合的な支援を行う専門機関である。就労相談のほか、必要に応じて就労先を訪問し、障害特性や就労適性に関する助言をするなどの支援を行っている。
5.× コミュニケーション支援事業は、障害者と障害のない人の意思疎通を支援するため、意思疎通の支援を行う者の派遣や養成などを行う制度である。

 

 

 

 

 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。
 Aちゃん(6歳、男児)。Aちゃんは保育所に通っている。3歳児健康診査の心理相談で療育教室への参加を勧められたが、これまで2回しか参加できておらず経過観察の対象となっていた。就学予定の小学校で行われた就学時健康診断で、Aちゃんは常に動き回り目立つ存在であった。母親はAちゃんについて元気過ぎる子どもと認識している。

45 就学時健康診断後、教育委員会が保護者の了解を得てAちゃんについて情報収集する先として優先度が高いのはどれか。

1.児童福祉司
2.保育所の担任
3.療育教室の指導員
4.3歳児健康診査時の心理相談担当者

解答

解説

本症例のポイント

注意欠如・多動症(ADRD)が疑われる男児への養護教諭の対応についての問題である。円滑に学校生活を送れるように、男児の病態の把握、保護者の心理的ケアを行いつつ、学校関係者、同級生とその保護者に、男児への理解を深めてもらうよう対策を練っていくことが必要である。

1.× 児童福祉司は、優先度が低い。なぜなら、児童福祉司は児童相談所に配置されている職員であるため。Aちゃんとのかかわりが不明瞭である。
2.〇 正しい。保育所の担任は、情報収集する先として優先度が高い。なぜなら、Aちゃんと最も接している存在と考えられるため。
3.× 療育教室の指導員は、優先度が低い。なぜなら、療育教室には2回しか参加していないため。
4.× 3歳児健康診査時の心理相談担当者は、優先度が低い。なぜなら、健康診査時の1回しかかかわっていないため。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)