第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午後46~50】

 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。
 Aちゃん(6歳、男児)。Aちゃんは保育所に通っている。3歳児健康診査の心理相談で療育教室への参加を勧められたが、これまで2回しか参加できておらず経過観察の対象となっていた。就学予定の小学校で行われた就学時健康診断で、Aちゃんは常に動き回り目立つ存在であった。母親はAちゃんについて元気過ぎる子どもと認識している。

46 その後、教育委員会が主催して関係者と母親とがAちゃんの就学先について協議を行った結果、Aちゃんは地元の小学校の通常の学級に在籍することと、小児専門医を受診することが決まった。受診の結果、注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断され定期的に受診することになった。Aちゃんは地元の小学校に入学した。授業中、廊下の人の行き来をずっと見ていることや、前の席の児童にいたずらをして、担任から注意を受けては教室を飛び出すことなどが続いたため、養護教諭、担任および学年主任が参加して校内委員会を開き対応が検討された。
 Aちゃんの行動上の問題への対応として、養護教諭が校内委員会に提案する内容で最も適切なのはどれか。

1.「席を教室の一番前にしてください」
2.「いたずらに対して放課後に注意してください」
3.「教室のドアに鍵をつけて飛び出しを防止してください」
4.「全地球測位システム(GPS)を衣服に装着してください」

解答

解説
1.〇 正しい。「席を教室の一番前にしてください」と伝えることは、養護教諭が校内委員会に提案する内容で最も適切である。なぜなら、Aちゃんの席を一番前にすることで、担任がAちゃんの行動に対応しやすくなるため。
2.× いたずらに対する注意は、放課後ではなくいたずら直後に行う。なぜなら、いたずらをしたときに注意しなければ、注意された理由がAちゃんに伝わりにくいため。
3.× 教室のドアに鍵をつけて飛び出しを防止する必要はない。なぜなら、教室のドアに鍵をかけると、災害時に迅速な行動がとれなくなるため。また、Aちゃんの外へ出たいという衝動が、ほかの行動に変わる可能性もある。
4.× 「全地球測位システム(GPS)を衣服に装着する必要はない。なぜなら、校内における対応であるため。

 

 

 

 

 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。
 Aちゃん(6歳、男児)。Aちゃんは保育所に通っている。3歳児健康診査の心理相談で療育教室への参加を勧められたが、これまで2回しか参加できておらず経過観察の対象となっていた。就学予定の小学校で行われた就学時健康診断で、Aちゃんは常に動き回り目立つ存在であった。母親はAちゃんについて元気過ぎる子どもと認識している。

47 Aちゃんは学校での衝動的な行動が減ったが、下校後の同級生とのトラブルが続いていた。そこで養護教諭を交えて担任が母親と話し合いを行った。
 養護教諭と担任とが母親に提案することとして、最も適切なのはどれか。

1.「特別支援学校への転校を検討しましょう」
2.「Aちゃんの特性について学校から同級生に説明しましょう」
3.「主治医からAちゃんに注意してもらうようお願いしましょう」
4.「Aちゃんの困った点について学校が同級生にアンケート調査を行いましょう」

解答

解説
1.× 特別支援学校への転校を検討する必要はない。なぜなら、現在、改善がみられている状況であるため。また、転校を勧めるのは、Aちゃんおよび家族の負担が大きく前向きな対策ではない。
2.〇 正しい。「Aちゃんの特性について学校から同級生に説明しましょう」と養護教諭と担任とが母親に提案する。Aちゃんの特性を説明することで、同級生の受け止め方を変えらえる可能性がある。また、トラブルを解決するうえで、お互いの理解を深める必要である。
3.× 主治医からAちゃんに注意してもらう必要はない。なぜなら、Aちゃんの行動上の問題は、主治医から注意を受けて改善するものでないため。
4.× Aちゃんの困った点について学校が同級生にアンケート調査を行う必要はない。なぜなら、Aちゃんおよび家族の孤立につながるおそれがあるため。

 

 

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 人口1万5千人のA町。台風の影響で大雨によって大規模な水害が発生した。町内の浸水面積は約3割であった。被害状況は床上浸水約1,500世帯、被災住民数は約3,500人で、家屋の倒壊が約200世帯であった。役場の1階にある保健センターも浸水し、町内5か所に避難所と救護所とが設置された。

48 災害発生後24時間以内の保健活動として優先度が高いのはどれか。

1.心のケアセンターの開設
2.保健センターの台帳類の避難
3.被災地区住民の健康相談の実施
4.災害時要援護者のリストの作成
5.救護所設置について住民への周知

解答

解説

災害の急性期

災害の急性期(災害発生後24時間)は、救命行為が最優先となるフェーズである。

1.× 心のケアセンターの開設より、災害の急性期は救命行為を優先する。ちなみに、災害時の心のケアセンターの開設は、救命行為など落ち着いた後に行う。
2.× 保健センターの台帳類の避難より、災害の急性期は救命行為を優先する。保健センターの台帳類の避難は、直接的な保健活動とはいいがたい。ただし、保健センターも浸水しているため、母子保健関係の台帳など重要文書を退避させる必要性・重要性はある。
3.× 被災地区住民の健康相談の実施より、災害の急性期は救命行為を優先する。現在は、発災から24時間以内であり、健康相談の実施には早い時期である。
4.× 災害時要援護者(現避難行動要支援者)のリストの作成より、災害の急性期ではなく、災害発生前(平常時)に行っておくものである。
5.〇 正しい。救護所設置について住民への周知は、最も優先度が高い。救命行為につながる。

 

 

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 人口1万5千人のA町。台風の影響で大雨によって大規模な水害が発生した。町内の浸水面積は約3割であった。被害状況は床上浸水約1,500世帯、被災住民数は約3,500人で、家屋の倒壊が約200世帯であった。役場の1階にある保健センターも浸水し、町内5か所に避難所と救護所とが設置された。

49 2日目には水は引き始め、4日目にはほとんどの地域で自宅の片付けが開始された。片付け作業を手伝っているボランティアから「被災者は皆イライラしていて、少しでも水に浸かったものはすべて捨ててくれと言う人がいるが、どうすればよいか」という相談を受けた。
 ボランティアへの助言で適切なのはどれか。

1.「言われる前に捨てましょう」
2.「捨てずに残しておきましょう」
3.「被災者の言うとおりにしてください」
4.「気持ちが落ち着いてから捨てるかどうか決めるように言いましょう」

解答

解説
1.× 言われる前に捨てる必要はない。なぜなら、被災者に言われる前に物を捨てることは、倫理的に不適切な行動であるため。トラブルの原因となりやすい。
2.× 捨てずに残しておく必要はない。なぜなら、「すべて捨ててくれ」という被災者の要望を無視することになるため。
3.× 被災者の言うとおりにする必要はない。なぜなら、被災者の言うとおりに直ちに捨てると、被災者が後から落ち着いて考えたときに後悔するおそれがあるため。
4.〇 正しい。「気持ちが落ち着いてから捨てるかどうか決めるように言いましょう」とボランティアへ助言する。設問から「イライラ」しており、動転して正常に判断できない様子がうかがえる。緊急でやむを得ない場合をのぞき、時間をおいて落ち着いてから決められるよう支援する。

 

 

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 人口1万5千人のA町。台風の影響で大雨によって大規模な水害が発生した。町内の浸水面積は約3割であった。被害状況は床上浸水約1,500世帯、被災住民数は約3,500人で、家屋の倒壊が約200世帯であった。役場の1階にある保健センターも浸水し、町内5か所に避難所と救護所とが設置された。

50 ボランティアの支援を受けて家屋内外の片付けも進み、災害から1か月後、避難所に避難していた多くの住民は自宅に戻った。
 自宅に戻った被災者への保健活動で適切なのはどれか。

1.地域での巡回健康相談を行う。
2.不要な外出を控えるよう説明する。
3.感染症予防のための家屋消毒剤を配布する。
4.新たなコミュニティづくりに向けて支援する。

解答

解説

1.〇 正しい。地域での巡回健康相談を行うことは、自宅に戻った被災者への保健活動である。なぜなら、1か月の避難所生活により、体調の悪化や生活の不自由さが生じている住民をみつけるため。今回の災害では、幸いにも多くの住民が自宅に戻れているため、災害前の生活にできるだけ早く復帰できるような支援する。
2.× 不要な外出を控えるよう説明する必要はない。なぜなら、1か月の避難所生活で、運動不足傾向にあることが予想されるため。むしろ、身体を動かすよう指導すべきである。
3.× 感染症予防のための家屋消毒剤を配布する必要はない。なぜなら、問題文には感染症予防についての記載はないため。ただし、インフラに何らかの被害が生じ、衛生害虫(蚊やハエなど)が大量に発生すれば、感染症予防の観点から家屋消毒剤を配布すべきである。
4.× 新たなコミュニティづくりに向けて支援する必要はない。なぜなら、今回は、多くの住民は自宅に戻っているため。もともとあったコミュニティで十分と考えられる。新たなコミュニティづくりが必要になるのは、災害によって元のコミュニティが破壊され、まったく別の場所に形成しなければならないときである。

 

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