第102回(H28) 保健師国家試験 解説【午後6~10】

 

6 Aさん(30歳、男性)。Aさんの職場では、保健師による健康相談を定期的に実施しており、Aさんは「妻が妊娠したことをきっかけに禁煙しようと決めたが、今日からやめようと思っているうち、1週間が過ぎてしまった」と保健師に相談した。
 Aさんへの最初の対応で最も適切なのはどれか。

1.禁煙できたときの自分への褒美を考えるよう助言する。
2.どのようなときにたばこを吸ってしまうか確認する。
3.たばこを吸いたいときはガムを嚙むよう勧める。
4.「禁煙」と書いた紙を職場に貼るよう促す。

解答

解説

変化のステージモデルで考えると,「今日からやめようと思う」と回答しているAさんは、準備期にあると考えられる。準備期において具体的な行動計画を立てるためには、まず何が問題かを明確にする必要がある。

1.× 禁煙できたときの自分への褒美を考えるよう助言する必要はない具体的な行動計画を立てることが重要である。
2.〇 正しい。どのようなときにたばこを吸ってしまうか確認することは、Aさんへの最初の対応で最も適切である。自分の行動パターンを具体的に振り返ることは有効である。
3.× たばこを吸いたいときはガムを嚙むよう勧める必要はない。なぜなら、問題行動の代わりになる行動を取り入れる「行動置換」は、実際に行動を開始した後の支援であるため。
4.× 「禁煙」と書いた紙を職場に貼るよう促す必要はない。なぜなら、「禁煙」と書いた紙を貼るといった行動(健康行動をとる契機となる「刺激の統制」)は、実際に行動を開始した後の支援であるため。

 

 

 

 

 

7 保健師が個別支援を行う際のケアマネジメントのプロセスで、初回のモニタリングを実施する時期として正しいのはどれか。

1.a
2.b
3.c
4.d

解答

解説

モニタリングとは?

モニタリングとは、日常的・継続的に行われる点検や監視のことを意味する。ケアマネジメントのプロセスでは、ケアプランに照らして状況把握を行い、決められたサービスや支援が約束どおり提供されているかどうか,ケア提供者の活動と対象の生活を見守ることをいう。

1.× a(情報収集からアセスメント)は、問題の特定の段階にある。
2.× b(アセスメントから支援計画策定)は、情報収集・アセスメントにり得られた課題に対する支援計画策定の段階である。
3.× c(支援計画策定から支援の実施)は、策定された支援計画に基づい支援を実施する段階にある。
4.〇 正しい。dは、初回のモニタリングを実施する時期である。支援の実施から評価のプロセスは、実際に支援が行われた後であり、支援後の状況とケアプランを比較し、決められたサービスや支援が計画のとおり提供されているかどうか、ケア提供者の活動と対象者の生活を見守る。

 

 

 

 

 

8 保健師が支援するグループで社会変容機能が最も高いのはどれか。

1.精神障害者を対象とするデイケアのグループ
2.難病患者の機能訓練グループ
3.引きこもりの当事者の会
4.重症心身障害児の親の会

解答

解説

社会変容機能とは?

社会変容機能とは、社会の環境や政策を改善するために働きかけていく役割のことである。

1.× 精神障害者を対象とするデイケアのグループは、社会容機能が高いとはいえない。なぜなら、なぜなら、精神障害者を対象とするデイケアのグループは、病気の回復・社会復帰とう目的をもち活動しており、障害をもつ当事者グループであるため。
2.× 難病患者の機能訓練グループは、社会容機能が高いとはいえない。なぜなら、難病患者の機能訓練グループは、同じような健康・生活課題をもち、共通の目的に向かって活動しており、疾患をもつ当事者グループであるため。
3.× 引きこもりの当事者の会は、社会容機能が高いとはいえない。なぜなら、引きこもりの当事者の会は、同じような悩みをもち、ピアサポートの機能が大きいが、当事者グループであるため。
4.〇 正しい。重症心身障害児の親の会は、社会変容機能が最も高い。重症心身障害児の親の会は、同じような子育ての課題をもち、ピアサポートの機能も大きい。また、障害や疾患をもつ本人ではなく親のグループである。他の選択肢と比べて社会変容機能が高いといえる。

 

 

 

 

 

9 A市では2歳児を対象としたう歯予防事業を実施している。
 事業の成果指標として適切なのはどれか。

1.3歳児の保護者の仕上げ歯磨きの実施状況
2.3歳児の保護者のう歯に関する知識
3.3歳児のう歯保有率
4.3歳児の間食の回数

解答

解説

事業評価を行う場合、事業の目的・目標を踏まえて、事業効果を的確に評価できる指標を考えることが重要である。本設問の事業の目的は、「う歯予防事業」である。したがって、選択肢3.3歳児のう歯保有率が最も直接的で説得力のある成果指標といえる。

選択肢1~2.4.× 3歳児の保護者の仕上げ歯磨きの実施状況/3歳児の保護者のう歯に関する知識/3歳児の間食の回数は、事業の成果指標として使いにくい。なぜなら、事業過程に関する指標であるため。事業効果を評価する指標にはさまざまなものがあるが、数値で客観的に評価でき、因果関係が明確な指標を解答する。

 

 

 

 

 

10 妊娠届について正しいのはどれか。

1.都道府県知事に提出する。
2.医師の診断書が必要である。
3.届出の事項は定められていない。
4.届出をした者に対し母子健康手帳を交付する。

解答

解説
1.× 都道府県知事ではなく、市町村長に提出する。
2.× 医師の診断書は、不要である。『母子保健法』に規定されている。ただし、市町村によっては,妊娠を証明する書面の添付を求めるところがある。
3.× 届出の事項は定められている。届出事項は厚生労働省令で定められており、①届出年月日、②氏名・年齢・職業・個人番号、③居住地、④妊娠月数、⑤医師又は助産師の診断又は保健指導を受けたときはその氏名、⑥性病および結核に関する健康診断の有無などを届け出る。
4.〇 正しい。届出をした者に対し母子健康手帳を交付する。「市町村は、妊娠の届出をした者に対して母子健康手帳を交付しなければならない」と『母子保健法』に規定されている。

 

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