第103回(H29) 保健師国家試験 解説【午後11~15】

 

11 次年度の地域保健活動計画を立案するにあたって、保健師が最初に取り組むのはどれか。

1.福祉部門と計画について話し合う。
2.地域の医療機関の要望を確認する。
3.今年度の地域における保健活動の実績を評価する。
4.医療や福祉に関する施設整備計画の進捗状況を確認する。

解答

解説
1.× 福祉部門と計画について話し合う優先度は低い。地域における健康問題のアセスメント(データ収集、分析、解釈、健康課題の特定)の次の段階で行う。
2.× 地域の医療機関の要望を確認する優先度は低い。地域保健計画立案においては、地域の医療機関の要望は参考にはするが、最初の取り組み事項ではない。
3.〇 正しい。今年度の地域における保健活動の実績を評価することは保健師が最初に取り組む。計画した内容の到達度と課題を確認する。
4.× 医療や福祉に関する施設整備計画の進捗状況を確認する優先度は低い。なぜなら、関連計画の進捗状況については、目的・目標の設定や行動計画の策定段階で整合性を確認するため。

 

 

 

 

 

12 肺がん罹患率が高いことから、市の健康増進計画で喫煙率の低下を目標とし、禁煙相談事業を実施した。
 事業の評価の種類とその指標の組合せで正しいのはどれか。

1.プロセス評価:肺がんの受療率
2.影響評価:禁煙相談事業参加者の禁煙に関する理解度
3.成果評価:肺がん検診の受診者数
4.成果評価:禁煙相談事業の参加者数

解答

解説

ポイント

評価する事業は、喫煙率の低下を目標とした禁煙相談事業である。

1.× プロセス評価は、本事業が計画通りに進捗しているかを確認するものである。
2.〇 正しい。影響評価(インパクト評価)は、事業が参加者や参加社会にもたらした変化を評価することである。事業の前後で、その変化を測定する。したがって、禁煙相談事業参加者の禁煙に関する理解度を本事業の影響評価を実施することができる。
3~4.× 成果評価は、本事業の成果として何がどうなったのかを示す評価のことである。

 

 

 

 

 

13 母子保健推進員について正しいのはどれか。

1.法律で定められた研修を受ける必要がある。
2.都道府県知事からの委嘱を受ける。
3.行政と住民とのパイプ役である。
4.母子保健法に規定されている。

解答

解説

母子保健推進員とは 地域の妊産婦さんやお子さんの健康を見守るサポーター役として、市長より委嘱をうけて活動している。

1.× 法律で定められた研修を受ける必要はない。ちなみに、母子保健推進員は、地域の看護職もしくは母子保健に相当の経験があることが条件として明記されている。
2.× 都道府県知事からではなく、市町村長からの委嘱を受ける。
3.〇 正しい。行政と住民とのパイプ役である。そして、母子保健推進員は、母子保健の推進・充実を図る委員型の住民組織である。
4.× 母子保健法に規定されていない。母子保健推進員が位置づけられたのは、昭和43(1968)年の「市町村母子保健事業推進要綱」である。現在は「育児等健康支援事業の実施について」として平成7年より通知されている。

 

 

 

 

 

14 Aさん(22歳、女性、専業主婦)。夫と生後2か月の児との3人暮らし。他県からB市へ転入直後に、住民票の手続きのため市役所を訪れた。保健師は3か月児健康診査や保健事業について説明をした。Aさんは「初めての育児なので不安なことが多いです。夫は残業が多いため帰りが遅く、両親は遠くに住んでいるので頼れない。慣れない土地でどこに何があるかもよく分からないんです」と話した。
 このとき、保健師がAさんに紹介する社会資源として適切なのはどれか。

1.母子生活支援施設
2.児童家庭支援センター
3.母子・父子休養ホーム
4.地域子育て支援センター

解答

解説
1.× 母子生活支援施設は、母子家庭を保護し自立支援のために生活を支援する施設である。Aさんは母子家庭ではないため。
2.× 児童家庭支援センターは、地域の児童に関する問題について児童や家庭、地域住民などから相談に応じ、必要な助言や指導を行う機関である。なぜなら、地域の相談機関のひとつではあるが、現在、児に何らかの問題を生じていないため。
3.× 母子・父子休養ホームとは、無料又は低額な料金で、母子家庭等に対して、レクリエーションその他休養のためのサービスを提供する施設である。母子家庭等を対象とした施設である。
4.〇 正しい。地域子育て支援センターは、保健師がAさんに紹介する社会資源として適切である。地域子育て支援センターとは、地域全体での子育て支援をしていくために、子育て全般に関する相談や子育てサークルへの支援などを行う施設である。地域の支援者や同年代の子をもつ親同士での交流が期待できる。

 

 

 

 

 

15 国民健康づくりの目標として初めて自殺者の減少を掲げたのはどれか。

1.第一次国民健康づくり対策
2.第二次国民健康づくり対策(アクティブ80 ヘルスプラン)
3.第三次国民健康づくり対策(健康日本21)
4.第四次国民健康づくり対策(健康日本21第二次)

解答

解説
1.× 第一次国民健康づくり対策は、昭和53(1978)年からで、妊産婦、乳幼児等の健康診査、老人保健事業等による生涯を通じた予防・健診体制が整備された。
2.× 第二次国民健康づくり対策(アクティブ80 ヘルスプラン)は、昭和63(1988)年からで、生活習慣病の改善による疾病予防・健康増進の考え方が発展した。
3.〇 正しい。第三次国民健康づくり対策(健康日本21)は、国民健康づくりの目標として初めて自殺者の減少を掲げた。平成12年からで、平成22年までに自殺者22000人以下を目標にしている。
4.× 第四次国民健康づくり対策(健康日本21第二次)は、平成25年からで、健康寿命の延伸と健康格差の縮小など5分野53項目の目標が盛り込まれた。

 

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