第103回(H29) 保健師国家試験 解説【午後16~20】

 

16 日本の学校看護婦の歴史で正しいのはどれか。

1.学校医よりも先に配置された。
2.特定の科目の修得によって認定された。
3.欧米のスクールナースがモデルになった。
4.トラコーマの洗眼や点眼を行うために始まった。

解答

解説

各国の学校看護婦の歴史

学校看護婦は、学校に配置された看護婦をいう。

日本の学校看護婦は、明治38(1905)年に岐阜県の小学校への配置が最初である。その職務は、学校の保健衛生設備・児童観察・応急手当・病欠児童の家庭訪問などであった。ちなみに、イギリスでは1893年にロンドンでナースが、ボランティアとして学校訪問をしたのが始まりであった。また、アメリカでは、1902年にニューョーク市がスクールナースを雇用したのが始まりであった。

1.× 学校医の方が先に配置された。学校医は、明治31(1898)年にドイツの制度を範として配置された。ちなみに、学校看護婦は、学校医の補助として配置が始まった。
2.× 特定の科目の修得によって認定されていない。日本赤十字社から看護婦が派遣されており、文部省学校看護婦として勤務にあたった。
3.× 欧米のスクールナースがモデルになっていない。日本の学校看護婦は、各学校に配置され、監督者は配置された学校の校長である。一方で、欧米のスクールナースは、複数の学校を受け持ち巡回し、監督者は看護管理者であった。
4.〇 正しい。トラコーマの洗眼や点眼を行うために始まった。日本の学校看護婦は、当時トラコーマに感染した児童生徒が多くみられ、旋内洗眼や点眼を実施する学校医の助手として配置されたのがスタートであった。

 

 

 

 

 

17 平成25年度(2013年度)の新型インフルエンザ等対策政府行動計画において、緊急事態宣言がされている場合の措置として規定されているのはどれか。(※不適切問題:難易度高)

1.国のコールセンター等の体制を強化する。
2.事業者に職場における感染対策を要請する。
3.国内発生状況について世界保健機関(WHO)へ通報する。
4.市町村に在宅の高齢者等の要援護者への生活支援を要請する。

解答4(※採点対象外)
理由:国家試験受験者レベルでは難しすぎるため、正解者のみ採点対象に含め、不正解者については採点対象から除外された。

解説

緊急事態宣言とは?

緊急事態宣言は「新型インフルエンザ等緊急事態措置を講じなければ、医療提供の限界を超えてしまい、国民の生命・健康を保護できず、社会混乱を招くおそれが生じる事態であることを示すもの」である。新型インフルエンザが発生したら必ず宣言されるわけではない。

1.× 国のコールセンター等の体制を強化する必要はない。なぜなら、新型インフルエンザなどの国内感染発生早期の段階で、情報提供・共有の目的で実施されるため。国のコールセンター等の体制の充実・強化は、緊急事態宣言の有無にかかわら行う。
2.× 事業者に職場における感染対策を要請する必要はない。なぜなら、国及び都道府県等は、緊急事態宣言の有無を問わず行うため。
3.× 国内発生状況について世界保健機関(WHO)へ通報する必要はない。なぜなら、世界保健機関(WHO)への通報は、緊急事態宣言の有無にかかわらず行うこととなっているため。
4.〇 正しい。市町村に在宅の高齢者等の要援護者への生活支援を要請することは、緊急事態宣言がされている場合の措置として規定されている。新型インフルエンザ等対策政府行動計画に、緊急事態宣言がされている場合の措置として「国は、市町村に対し、在宅の高齢者、障害者等の要援護者への生活支援(見回り、介護、訪間診療、食事の提供等)、搬送、死亡時の対応等を行うよう要請する」と規定されている。

 

 

 

 

 

18 リスクコミュニケーションについて正しいのはどれか。(※不適切問題:解答なし)

1.リスク評価の3要素の1つである。
2.食品衛生法に基本理念が規定されている。
3.関係者相互で情報および意見を交換し、合意形成を図る。
4.促進を図ることが地域健康危機管理ガイドラインに規定されている。

解答 なし(採点対象外)
理由:選択肢が不適切であるため。

解説
1.× リスク評価ではなく、リスク分析の3要素の1つである。リスク分析は、①リスク評価、②リスク管理、③リスクコミュニケーションが含まれる。
2.× 食品衛生法に基本理念が規定されていない。『食品衛生法』は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講じ、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止することで、国民の健康の保護を図ることを目的としている。
3.× 関係者相互で情報および意見を交換はするが、合意形成を図るものではない。リスクコミュニケーションは、地域住民や関係者との相互の情報および意見を交換することではあるが、相互の信頼を深めることを目的としている。
4.× 促進を図ることは、地域健康危機管理ガイドラインではなく、『地域保健法』4条1項の規定に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」に示されている。

 

 

 

 

 

19 研修において面接技法の修得に適している学習方法はどれか。

1.事例検討
2.ロールプレイ
3.e -ラーニング
4.専門家による講義

解答

解説

面接技法

面接技法には、面接を進める際に必要な姿勢、相手を尊重する態度、傾聴し受容的雰囲気をつくるなど、話を聴くための基本的態度や、面接を行ううえでの留意点(場所の設定、座り方や姿勢など)等がある。

1.× 事例検討は、保健師としての保健指導などの専門的な内容の検討が期待できる。保健師活動の振り返りや課題の検討を通して、提供サービスの質の向上に適している。
2.〇 正しい。ロールプレイは、研修において面接技法の修得に適している学習方法である。ロールプレイは、役割演技による疑似体験を通して、実際の場面で適切に面接ができるようにする学習方法である。
3.× e -ラーニングは、パソコンやスマートフォンなどを用い、インターネットを利用する学習方法のことである。集合研修にはないメリットもあるが、実技がともなう学習では効果的に習得しにくいというデメリットがある。
4.× 専門家による講義は、知識の習得が中心になる。面接技法のような、実技の伴う学習のための研修としては、専門家による講義のみでは効果的に習得しにくいというデメリットがある。

 

 

 

 

 

20 標準化死亡比(SMR)を求めるために必要な指標はどれか。

1.基準集団の死亡率
2.基準集団の年齢別人口
3.観察集団の年齢別人口
4.観察集団の年齢別死亡率

解答

解説

直接法と間接法の特徴

直接法:①観察集団の年齢別死亡率が、基準集団の人口構成で起きた場合、全体の死亡率がどうなるかを求める。②観察集団の年齢調整死亡率を用いて計算するため、都道府県等の年齢階級別死亡率がわかる大規模な集団で適用される。

間接法:①標準化死亡比(SMR)を用いる。②市町村等の年齢階級別死亡率がわからない小規模な集団に適用される。

標準化死亡比とは、期待死亡数実際の死亡数をいう。したがって、選択肢3.観察集団の年齢別人口は、標準化死亡比(SMR)を求めるために必要な指標である。観察集団の年齢別人口は期待死亡数を求めるのに必要な指標である。期待死亡数とは、年齢(階級)別死亡率が基礎集団(通常は全国)と同じであると仮定 したときに期待(予測) される死亡数であり、実際の死亡数をこれで除したものが標準化死亡比(SMR)である。

 

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