第103回(H29) 保健師国家試験 解説【午後26~30】

 

26 患者調査で把握できるのはどれか。

1.有訴者率
2.死亡率
3.致命率
4.有病率
5.受療率

解答

解説

患者調査とは?

患者調査は、病院および診療所を利用する患者について、その傷病状況などの実態を明らかにし、医療行政の基礎資料を得ることを目的とした調査である。

1.× 有訴者率は、世帯員のうち、病気やけがなどで自覚症状がある者(=有訴者)の割合を表す。国民生活基礎調査によって得られる。
2.× 死亡率は、人口中に占める死亡した者の割合を表す。人口動態調査によって得られる。
3.× 致命率は、ある疾病にかかった者のうち、その疾病で死亡した者の割合を表す。食中毒統計などで得られる。
4.× 有病率は、ある一時点において、集団のなかである疾病にかかっている者の割合を表す。
5.〇 正しい。受療率は、患者調査で把握できる。受療率は、人口中に占める、調査日に医療施設で受療した患者の割合を表す。

 

 

 

 

 

27 妊娠前期の母親学級のプログラムに取り入れる歯科保健のテーマで優先度が高いのはどれか。

1.歯周疾患の予防
2.フッ素化合物の効果
3.甘味食品の摂取制限
4.乳児の歯磨きの方法
5.小児の咀嚼機能の発達

解答

解説

1.〇 正しい。歯周疾患の予防は、優先度が高い。妊娠前期は、つわりなどによる口腔ケアの不足、ホルモンバランスの変化により、歯周病原細菌が増殖しやすい。近年、早産や低出生体重児のリスク要因のひとつとして注目されている。妊娠前期には、つわり、倦怠感など、マイナートラブルが生じやすい。
2.× フッ素化合物の効果は、優先度が低い。なぜなら、フッ素には歯のエナメル質を強くする効果と、虫歯(う歯)の原因菌が酸を出すのを抑えるという虫歯予防の作用があるため。
3.× 甘味食品の摂取制限は、優先度が低い。なぜなら、甘味の摂取量と歯周病には直接の関連はないため。
4~5.× 乳児の歯磨きの方法/小児の咀嚼機能の発達は、優先度が低い。なぜなら、妊娠前期は母体のケアを優先すべきであるため。

 

 

 

 

 

28 ケアマネジメントについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1.導入する社会資源を検討する。
2.専門職の判断を優先してケアプランを作成する。
3.法律に基づいた制度を活用することが原則である。
4.利用者はサービス担当者の会議に参加することはない。
5.継続的なケアを行うには関係機関の連携が重要である。

解答1・5

解説

1.〇 正しい。ケアマネジメントでは、導入する社会資源を検討する。ケアマネジメントでは、ニーズを抱える人が地域の社会資源を使いながらその人らしく生きることを支援する。つまり、導入する社会資源を決定するのは本人である点に注意する。
2.× ケアプランを作成するのは、専門職の判断を優先するのではなく、本人の自己決定を尊重する。
3.× 法律に基づいた制度(フォーマルな社会資源)を活用するだけではなく、インフォーマルな社会資源も活用する。
4.× 利用者もサービス担当者の会議に参加する。なぜなら、ケアマネジメントは利用者を中心としており、利用者を抜きにして支援することは考えられないため。
5.〇 正しい。継続的なケアを行うには関係機関の連携が重要である。なぜなら、利用者の自立支援と質の高いサービスを継続的に確保し向上させるため。

 

 

 

 

 

29 地域包括ケアシステムの推進に向けて、実務者が集まって地域ケア会議を開催することにした。
 地域ケア会議で取り扱う内容として正しいのはどれか。2つ選べ。

1.個別事例の検討を行う。
2.ケアプランを作成する。
3.介護保険事業計画を策定する。
4.地域にある社会資源の課題を共有する。
5.地域支援事業の予算配分について検討する。

解答1・4

解説

1.〇 正しい。個別事例の検討を行うことは、地域ケア会議で取り扱う内容である。地域ケア会議では、多職種の協働により個別ケース(困難事例等)の事例検討を通して課題解決を図っている。個別ケースの検討を積み重ねることにより、地域に共通した課題を明確化することにもつながる。
2.× ケアプランを作成することはしない。要支援および要介護状態になる可能性のある人に対する介護予防ケアプランの作成は、地域包括支援センターが担当する包括的支援事業のなかの介護予防ケアマネジメント業務である。
3.× 介護保険事業計画を策定することはしない。介護保険事業計画は、介護保険の保険給付を円滑に実施するために市町村が策定する計画である。
4.〇 正しい。地域にある社会資源の課題を共有することは、地域ケア会議で取り扱う内容である。平成26年の『介護保険法』の改正により、地域ケア会議の推進は地域包括支援センターの役割となった。地域ケア会議では、地域にある社会資源の課題を共有することで、地域に必要な社会資源の開発や地域づくりへとつなげていく。
5.× 地域支援事業の予算配分について検討することはしない。地域支援事業とは、介護保険の介護給付や予防給付とは別に、地域住民が要支援・要介護状態になることを予防し、要介護状態等になった場合も住み慣れた地域でできるだけ自立した生活が送れるように市町村が実施する事業である。

 

 

 

 

 

30 産業保健総合支援センターについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1.衛生管理者の選任を行う。
2.特殊健康診断の委託を受ける。
3.事業者に対する研修を実施する。
4.産業保健に関する情報提供を行う。
5.労働基準監督署ごとに設置されている。

解答3・4

解説

産業保健総合支援センターとは?

産業保健総合支援センターは、産業医・保健師などの産業看護職・衛生管理者等の産業保健関係者を支援するとともに、事業主等に対し職場の健康管理への啓発を行うことを目的として設置されている。産業保健総合支援センターの役割は、事業者や産業保健関係者を対象に、専門的な相談への対応や研修などを行うことである。

1.× 衛生管理者の選任を行うことは、事業者(常時50人以上の労働者を使用する事業場)が行う。
2.× 特殊健康診断の委託を受けることは、事業者が行う。特殊健康診断とは、労働安全衛生法第66条第2、3項に定められた健康診断で、じん肺法第3条に定められていた健康診断を含めていう。 労働衛生対策上特に有害であるといわれている業務に従事する労働者等を対象として実施する健康診断である。
3~4.〇 正しい。産業保健総合支援センターは、事業者に対する研修を実施したり、産業保健に関する情報提供を行う。事業者産業保健スタッフを対象に、研修の実施や産業保健に関する情報提供を行う。
5.× 産業保健総合支援センターは、労働基準監督署ごとに設置されているのではなく、労働者健康福祉機構が医師会の協力を受け、都道府県単位で設置されている。労働基準監督署ごとに設置されているのは、地域産業保健センターである。

 

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