第103回(H29) 保健師国家試験 解説【午前31~35】

 

31 Aさん(65歳、女性)。1人暮らし。要支援2。認知症はあるが、他に治療をしている疾患はない。介護保険で介護予防訪問介護を週2回、介護予防通所介護を週1回利用している。介護予防通所介護以外に外出の機会はない。最近、空腹になると夜中でも満腹になるまで、家にある食べ物を何でも口に入れてしまうようになった。Aさんは自宅で生活することを希望していることから、地域包括支援センターの保健師はサービス担当者会議を開催することにした。
 サービス担当者会議の参加者として適切なのはどれか。2つ選べ。

1.訪問看護ステーションの理学療法士
2.訪問看護ステーションの訪問看護師
3.介護予防通所介護事業所の介護職員
4.介護予防訪問介護事業所の訪問介護員
5.認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)の相談員

解答3・4

解説

Aさんには認知症の進行と思われる行動がみられてきている。Aさんが希望する自宅での生活をなるべく可能に考える必要がある。

1~2.× 訪問看護ステーションの理学療法士/訪問看護ステーションの訪問看護師は必要はない。なぜなら、Aさんは現在、訪問看護ステーションを利用していないため。
3.〇 正しい。介護予防通所介護事業所の介護職員は、サービス担当者会議の参加者として適切である。なぜなら、Aさんは現在、介護予防通所介護を利用しており、サービス利用時の生活状況などの情報が得られるため。
4.〇 正しい。介護予防訪問介護事業所の訪問介護員は、サービス担当者会議の参加者として適切である。なぜなら、Aさんは現在、介護予防訪問介護を利用しており、訪問時の自宅での生活状況などの情報が得られるため。
5.× 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)の相談員は必要はない。なぜなら、Aさんは現在、認知症対応型共同生活介護を利用していないため。また、Aさん自宅で生活することを希望している。

 

 

 

 

 

32 ノーマライゼーションに基づいた障害者のケアの考え方で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.国際生活機能分類(ICF)では障害の程度によって必要なケアが規定される。
2.支援がないことで社会参加が制約されている場合は対象に含む。
3.環境と個人との特性が加わって健康状態が決定される。
4.障害者に対する医療の確保を第一の目的とする。
5.援助者がリーダーシップを発揮して進める。

解答2・3

解説

(画像引用:Job Medley様HP)

1.× 国際生活機能分類(ICF)では、障害の程度を評価するもので、必要なケアは規定されていない。必要なケアは、その評価に基づいて個別に考えるものである。
2.〇 正しい。支援がないことで社会参加が制約されている場合は、対象に含む。ノーマライゼーションでは、障害者の自立と社会参加の促進を目指している。
3.〇 正しい。環境と個人との特性が加わって、健康状態が決定される。障害者の生活機能と障害について、国際生活機能分類(ICF)は、生活機能面(心身機能・身体構造、活動、参加)と背景因子(環境因子、個人因子)にわたって評価している。
4.× 障害者の自立と社会参加を目指すものであるため、障害者に対する医療の確保を第一の目的ではない
5.× 障害者の自立を支援することが主眼であるため、援助者がリーダーシップを発揮して進めるものではない。

 

 

 

 

 

33 学校保健活動で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.BCG 接種を行う。
2.食育推進計画を策定する。
3.児童生徒の保護者に助言を行う。
4.学校生活管理指導表は養護教諭が記載する。
5.学校保健委員会は地域の関係機関の代表も含めて構成する。

解答3・5

解説
1.× BCG接種を行うことは、学校保健活動には当てはまらない。なぜなら、BCG接種は『予防接種法施行令』により生後1歳未満に1回接種を行うことが規定されているため。ちなみに、BCG接種とは、結核による重い病気を予防する生ワクチン である。
2.× 食育推進計画を策定することは、学校保健活動には当てはまらない。なぜなら、『学校給食法』に「学校における食育の推進」が含まれているが、食育推進計画の策定は都道府県および市町村が行うため。
3.〇 正しい。児童生徒の保護者に助言を行う。『学校保健安全法』にて、学校の養護教諭その他の職員は、児童生徒に対して必要な指導を行うとともに、保護者へ必要な助言を行い、家庭と連携した保健指導をすることが求められている。
4.× 学校生活管理指導表は養護教諭が記載することは、学校保健活動には当てはまらない。なぜなら、学校生活管理指導表は、慢性疾患などを抱え学校生活に制限が必要な児童生徒に対し、主治医が記載し、児童生徒の運動内容や強度を学校側に示すものである。
5.〇 正しい。学校保健委員会は地域の関係機関の代表も含めて構成する。学校保健委員会は学校の教職員のほか、保護者や児童生徒の代表、地域の保健所や医療機関、交通・防災関係機関などを含めて構成する。

 

 

 

 

 

34 感染症発生動向調査において全数把握の対象となるのはどれか。2つ選べ。

1.風疹
2.百日咳
3.日本脳炎
4.マイコプラズマ肺炎
5.性器クラミジア感染症

解答1・3

解説

感染症発生動向調査による全数把握対象疾患

①新感染症の疑い
②新型インフルエンザ等感染症
③指定感染症
④1~4類までの全疾患と5類の一部疾患

1.〇 正しい。風疹は、5類感染症で、全数把握対象疾患である。
2.× 百日咳は、定点把握対象疾患である。
3.〇 正しい。日本脳炎は、4類感染症で、全数把握対象疾患である。
4.× マイコプラズマ肺炎は、定点把握対象疾患である。
5.× 性器クラミジア感染症は、定点把握対象疾患である。

 

 

 

 

 

35 放射線の災害による影響で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.胸膜中皮腫の原因となる。
2.クラッシュ症候群を起こす。
3.胎児は成人より感受性が低い。
4.呼吸によって内部被ばくを起こす。
5.晩発症状に甲状腺機能低下症がある。

解答4・5

解説
1.× 胸膜中皮腫の原因は、石綿(アスベスト)である。
2.× クラッシュ症候群の原因は、長時間圧迫(倒壊した家屋などの下敷き)による血流阻害で起こる。
3.× 胎児は、成人より感受性が低いのではなく高い
4.〇 正しい。呼吸によって内部被ばくを起こすのは、放射線の災害による影響で正しい。空気中に放射性物質が放出された場合には、マスクを着用するなどの内部被ばくを予防することが必要である。
5.〇 正しい。晩発症状に甲状腺機能低下症があるのは、放射線の災害による影響で正しい一般的には放射線による治療後の副作用として知られている。ただ放射線の災害と甲状腺機能低下症の関連は現段階で十分明らかになっていない

 

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