第103回(H29) 保健師国家試験 解説【午後31~35】

 

31 特殊災害に分類されるのはどれか。2つ選べ。

1.原子力発電所の事故による放射線の漏えい
2.石油タンカーの座礁による海水の汚染
3.列車の脱線による交通網の障害
4.大雨による河川の氾濫
5.地震による橋の崩落

解答1・2

解説

特殊災害とは?

特殊災害には、人為災害が広域的に影響したもの(チェルノブイリ原発事故など)、人為災害と自然災害が重なったもの(台風豪雨と森林伐採による水害など)が含まれる。

1.〇 正しい。原子力発電所の事故による放射線の漏えいは、特殊災害に分類される。
2.〇 正しい。石油タンカーの座礁による海水の汚染(石油などの有害物質による海水の汚染)は、特殊災害に分類される。
3.× 列車の脱線による交通網の障害は、人為災害に分類される。
4.× 大雨による河川の氾濫は、自然災害に分類される。
5.× 地震による橋の崩落は、自然災害に分類される。

 

 

 

 

 

32 国民健康・栄養調査で把握できるのはどれか。2つ選べ。

1.健康寿命
2.BMI の平均値
3.蛋白質の必要量
4.喫煙習慣者の割合
5.支出に占める食料費の割合

解答2・4

解説

国民健康・栄養調査とは?

国民健康・栄養調査は、『健康増進法』に基づいて行われる調査である。国民の身体の状況、栄養摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的としている。

1.× 健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と定義される。国民生活基礎調査やそれに準じた調査のデータを用いて算出される。
2.〇 正しい。BMI の平均値は、国民健康・栄養調査で把握できる。国民健康・栄養調査のなかの身体状況調査票によって身長、体重が調査されている。したがって、その結果からBMIを求め、平均値を算出できる。
3.× 蛋白質の必要量(蛋白質の必要量などの栄養所要量)は、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」として公表している。
4.〇 正しい。喫煙習慣者の割合は、国民健康・栄養調査で把握できる。国民健康・栄養調査のなかの生活習慣調査票によって喫煙習慣が調査されている。したがって、その結果から喫煙習慣者の割合を算出することは可能である。
5.× 支出に占める食料費の割合は、総務省による「全国消費実態調査」として公表している。

 

 

 

 

 

33 平成25年(2013年)に「地域における保健師の保健活動に関する指針」が改正された背景について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.健康日本21の策定
2.特定健康診査の導入
3.障害者の支援費制度の導入
4.地域包括支援センターの設置
5.感染症から生活習慣病への疾病構造の変化

解答2・4

解説

改正の背景

保健師の活動のあり方については、従来は「地域における保健師の保健活動指針」によって示されてきた。しかし、『介護保険法』改正による地域包括支援センターの設置等地域包括ケアシステムの推進、特定健康診査・特定保健指導制度の導入、がん対策、自殺対策、虐待防止対策等に関する法整備など、保健師活動をめぐる状況が大きく変化してきたことを受け、平成25年に「地域における保健師の保健活動に関する指針」へ改正された。

1.× 健康日本21の策定(第3次国民健康づくり)は、平成12年3月に策定された。
2.〇 特定健康診査の導入は、平成25年(2013年)に「地域における保健師の保健活動に関する指針」が改正された背景について正しい。平成18年の旧『老人保健法』の改題・改正により、『高齢者医療確保法』で導入された。施行は平成20年4月からである。
3.× 障害者の支援費制度の導入は、平成12年の旧『社会福祉事業法』の改題・改正により『社会福祉法』で導入された。施行は、原則として平成15年4月からである。
4.〇 地域包括支援センターの設置は、平成25年(2013年)に「地域における保健師の保健活動に関する指針」が改正された背景について正しい。地域包括支援センターの設置は、平成17年の『介護保険法』の予防重視型システムへの転換においてである。
5.× 感染症から生活習慣病への疾病構造の変化(死因構造の中心が結核などの感染症から脳血管疾患、がん、心臓病といった生活習慣病へ変化し始めた)のは、昭和20年代後半頃である。

地域における保健師の保健活動に関する指針

①地域診断に基づくPDCAサイクルの実施。
②個別課題から地域課題への視点及び活動の展開。
③予防的介入の重視。
④地区活動に立脚した活動の強化。
⑤地区担当制の推進。
⑥ 地区特性に応じた健康なまちづくりの推進。
⑦部署横断的な保健活動の連携及び協働。
⑧地域のケアシステムの構築。
⑨各種保健医療福祉計画の策定及び実施。
⑩人材育成。

 

 

 

 

 

34 因果関係を推測することができる研究デザインはどれか。2つ選べ。

1.横断研究
2.記述疫学
3.生態学的研究
4.コホート研究
5.症例対照研究

解答4・5

解説
1.× 横断研究とは、対象とする集団の特徴を、一時点の調査で把握しようとする研究デザインである。
2.× 記述疫学とは、集団における疾病の頻度と分布を人‘時間・場所の面から客観的に記述し、疾病の発生要因について仮説を立てる手法である。
3.× 生態学的研究とは、特徴の異なる集団間で疾病の量が異なるかというように、集団を要約した指標を調べるものである。
4.〇 正しい。コホート研究は、因果関係を推測することができる研究デザインである。コホート研究は、調査対象者を原因となる事象で設定し、その後に発生する結果事象を調べる研究デザインである。
5.〇 正しい。症例対照研究は、因果関係を推測することができる研究デザインである。症例対照研究とは、結果と捉えられる事象が発生した者と発生していない者を設定し、過去の要因への曝露状況を調べる研究デザインである。

 

 

 

 

 

35 心筋梗塞発症者100人と性・年齢をマッチングした心筋梗塞非発症者100人の5年前の健康診査の結果を調査し、糖尿病の有無を確認した。その結果、心筋梗塞発症者で20人、心筋梗塞非発症者で15人が糖尿病であった。
糖尿病であることの心筋梗塞発症に対するオッズ比を求めよ。
 ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。
 解答: ① .②
  ①:0~9
  ②:0~9

解答 ①1.

解説

心筋梗塞発症者100人、心筋梗塞非発症者100人、糖尿病は心筋梗塞発症者で20人(a)、心筋梗塞非発症者で15人(b)という情報から表を作成すると以下のようになる。

  発症者非発症者
糖尿病ありa(20)b(15)35
なしcd 
100100200

表から c = 80、 d = 85が得られる。

オッズ比=(a × d)/(b × c)=(20 × 85)/(80 × 15)=1.41・・・

小数点以下第2位で四捨五入すると1.4になる。

 

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