第103回(H29) 保健師国家試験 解説【午前6~10】

 

6 50歳代を対象とした運動教室修了後に受講者がとる行動で、ソーシャルキャピタルの醸成につながる行動として最も適切なのはどれか。

1.特定健康診査を受診する。
2.家族に教室で学んだ運動の話をする。
3.他の受講者と自主的に運動を継続する。
4.保健師に運動内容を定期的に報告する。

解答

解説

ソーシャルキャピタルとは?

ソーシャルキャピタルとは、社会関係資本のことである。人々が信頼・規範・社会ネットワークを発展させることで地域の自助・互助・共助の力を高めることを指す。

1.× 特定健康診査を受診は、ソーシャルキャピタルの醸成(地域の自助・互助・共助の力)を高めることには直接的にはつながらない
2.× 家族に教室で学んだ運動の話は、ソーシャルキャピタルの醸成(地域の自助・互助・共助の力)を高めることには直接的にはつながらない。知識の普及という意味では重要である。
3.〇 正しい。他の受講者と自主的に運動を継続する。他の受講者と一緒に自主的に運動を継続することは、健康日本21(第二次)の目標とも合致し、ソーシャルキャピタルの醸成につながる。
4.× 保健師に運動内容を定期的に報告することは、ソーシャルキャピタルの醸成(地域の自助・互助・共助の力)を高めることには直接的にはつながらない。個人のモチベーションにつながる。

 

 

 

 

 

7 健康増進法に基づく市町村の役割はどれか。

1.生活習慣相談の実施
2.特定給食施設の指導
3.飲食店における利用者の受動喫煙の防止
4.健康増進の総合的な推進のための基本方針の策定

解答

解説
1.〇 正しい。生活習慣相談の実施は、健康増進法に基づく市町村の役割である。市町村の役割として、医師・保健師・看護師・管理栄養士等による生活習慣相談等の実施が定められている。
2.× 特定給食施設の指導は、健康増進法に基づく都道府県知事の役割である。都道府県知事は、特定給食施設の設置者に対し、栄養管理の実施に関し必要な指導及び助言をすることができる。
3.× 飲食店における利用者の受動喫煙の防止は、健康増進法に基づく施設管理者の役割である(努力義務)。
4.× 健康増進の総合的な推進のための基本方針の策定は、厚生労働大臣が定める。市町村が定めるのは市町村健康増進計画である。

 

 

 

 

 

8 自治体で解決すべき健康課題の優先度を検討するときに最も重視するのはどれか。

1.課題解決に要する事業経費の額
2.課題解決のための社会資源の整備状況
3.同じ課題に取り組んでいる自治体の数
4.課題が解決されなかった場合の住民への影響

解答

解説

プリシード・プロシードモデルによると、健康課題に取り組む際には「健康課題の重要性・効果」と「改善可能性」の2つの側面から評価し、効果が高い課題を優先する。

1~3.× 課題解決に要する事業経費の額/課題解決のための社会資源の整備状況/同じ課題に取り組んでいる自治体の数/は、優先度の判断には用いない
4.〇 正しい。課題が解決されなかった場合の住民への影響は、優先度の判断に用いる。健康課題の取り組みの優先度を判断する際には、プリシード・プロシードモデルによる「課題の重要性・効果」が重視される。

プリシード・プロシードモデルとは?

プリシード・プロシードモデルとは、グリーン(Green LW)とクルーター(Kreuter MW)によって開発されたヘルスプロモーション活動を展開するためのモデルの1つである。プリシード・プロシードモデルの目的は、人々の生活の質の向上であり、目的を達成するためには行動と環境をより良く変化させる必要がある。この変化を可能にし、①準備要因、②実現要因、③強化要因は、維持するための3つの要因としてあげられる。

 

 

 

 

 

9 事業の計画策定および推進を行う際に、住民参加を促す方法として最も適切なのはどれか。

1.事業の評価は事業が終了してから公表する。
2.専門的な知識を有する集団から意見を聴取する。
3.公民館の情報閲覧コーナーで住民に情報提供する。
4.住民からの意見の反映方法について住民に提示する。

解答

解説

事業の計画策定や推進を行う際、住民参加の例として、①策定委員会への参加、②公聴会や座談会への出席、③パブリックコメント、④作業部会や実態調査の検討会への参加、⑤実態調査等への回答などが挙げられる。

1.× 事業の評価は、事業が終了してからではなく計画策定・推進の段階で公表する。なぜなら、計画策定・推進の段階でないと住民参加が得られないため。
2.× 必ずしも専門的な知識を有する集団から意見を聴取する必要はない。なぜなら、専門的な知識を有する集団からの意見聴取は、必ずしも住民の意見を反映しているとはいえないため。
3.× 公民館の情報閲覧コーナーで住民に情報提供する必要はない。なぜなら、公民館の情報閲覧コーナーを活用する特定の住民に機会が限られるため。
4.〇 正しい。住民からの意見の反映方法について住民に提示する。なぜなら、住民からの意見の反映方法について住民に提示することで、住民が意見反映の方法を理解し、意見の提出をしやすくなるため。

 

 

 

 

 

10 地域包括ケアシステムの推進に関する説明で正しいのはどれか。

1.公助が優先される。
2.実施主体は保健所である。
3.平成32年(2020年)に向けた対応策である。
4.高齢者のニーズに応じた住まいの整備が含まれる。

解答

解説

地域包括ケアシステムとは?

高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、医療・介護・予防・生活支援サービス等が、切れ目なく、有機的かつ一体的に提供されるシステムである。

1.× 優先されるのは、公助ではなく自助が基本である。自助→互助→共助→公助の順で取り組んでいく。
2.× 実施主体は、保健所ではなく「介護保険の保険者である市町村と都道府県」である。地域の自主性や主体性にき、地域の特性に応じて構築するものである。
3.× 平成32年(2020年)ではなく、平成37(2025)年に向けた対応策である。なぜなら、団塊の世代が75歳以上となるため。
4.〇 正しい。高齢者のニーズに応じた住まいの整備が含まれる。①医療、②介護、③予防、④住まい、⑤見守り・配食・買い物などの生活支援という5つの視点での取り組みで、包括的(利用者のニーズに応じた適切な組み合わせによるサービス提供)、継続的(入院、退院、在宅復帰を通じて切れ目ないサービス提供)に行われることが必要であるとされている。

 

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