第103回(R2) 助産師国家試験 解説【午前1~5】

 

1 28歳の初産婦。妊娠初期から膀胱炎を繰り返していた。妊娠28週に、排尿時の痛みと37.5℃の発熱を訴えてかかりつけの産婦人科を受診した。
 腎盂腎炎と膀胱炎との鑑別で確認する所見はどれか。

1.頻尿
2.細菌尿
3.残尿感
4.腰背部の叩打痛

解答

解説

1.× 頻尿は、排尿時痛や残尿感などと同様に膀胱炎の症状であり、腎盂腎炎になるまでの間に膀胱炎を伴う場合に見られため適さない。
2.× 細菌尿は、尿の通り道の何処かに細菌が入り込み、感染すると生じ、色は白濁し汚れている。細菌尿は膀胱炎にも腎盂腎炎にも見られるため適さない。
3.× 残尿感は、排尿時痛や頻尿などと同様に膀胱炎の症状であり、腎盂腎炎になるまでの間に膀胱炎を伴う場合に見られため適さない。
4.〇 正しい。腎盂腎炎は、尿路感染症の一つで膀胱から尿管、腎臓へと細菌が上行して発症する。腎盂腎炎の症状には、38度以上の発熱や腰背部の叩打痛がある。腰背部の叩打痛は膀胱炎には見られない症状である。

 

 

 

 

 

2 胎児期の免疫反応が出生後の発症の要因となる疾患はどれか。

1.仮性メレナ
2.先天緑内障
3.慢性肺疾患
4.未熟児貧血

解答

解説

1.× 仮性メレナとは、産道で母親の血を飲むか乳首からの血を飲むことにより生じる消化器症状であり、新生児メレナ(真性メレナ)との区別が必要となる。新生児メレナとは、生後2〜4日の新生児に突然の吐血、血便、タール便(ノリのつくだ煮様)などの胃腸管出血をみる病気で、ビタミンKに依存する凝固因子の不足により血液が凝固しにくくなり出血を起こしたものである。
2.× 先天緑内障(発達緑内障)とは、隅角という部分の発育異常により、眼圧が上昇し、視神経が障害される病気である。原因ははっきりわかっておらず、CYP1B1という遺伝子に変異を認める場合が多い。
3.〇 正しい。新生児慢性肺疾患とは、新生児期の呼吸障害が軽快した後、あるいはそれに引き続いて、酸素吸入を必要とするような呼吸窮迫症状が日齢28を超えて続く病気である。胎児期から新生児期の肺が感染、炎症、酸素毒性、陽圧換気といった傷害因子に曝露されることが原因とされる。
4.× 未熟児貧血とは、早産児に発症する貧血であり、早産児は出産時の赤血球数が少なく、貧血に対する生理反応が正期産時よりも弱いため、貧血が進行しやすく鉄欠乏性貧血を発症するリスクも高い。未熟児貧血による症状は、短期的には頻呼吸、多呼吸、体重減少などがある。

 

 

 

 

 

3 妊婦に投与された薬物と胎児への影響との組合せで正しいのはどれか。

1.アミノグリコシド系抗菌薬:エナメル質形成不全
2.アンギオテンシン受容体拮抗薬:臍帯ヘルニア
3.チアマゾール:肺低形成症
4.非ステロイド抗炎症薬:動脈管収縮

解答

解説

1.× アミノグリコシド系抗菌薬は、非可逆的第IV脳神経障害を生じる可能性があるが、エナメル質形成不全は該当しない。テトラサイクリン系抗菌薬では、妊娠中期から後期の使用により歯牙着色やエナメル質形成不全が生じる可能性がある。
2.× 高血圧治療剤であるアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、及びACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤は、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児・新生児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等が生じる可能性があるが、臍帯ヘルニアは該当しない。
3.× チアマゾール(MMI)は、出生児に頭皮欠損症・頭蓋骨欠損症、臍帯ヘルニア、臍腸管の完全または部分的な遺残(臍腸管瘻、メッケル憩室等)、気管食道瘻を伴う食道閉鎖症、後鼻孔閉鎖症等の先天異常を起こす可能性があるが、肺低形成症は該当しない。
4.〇 正しい。非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は妊娠14〜42週において新生児の不可逆性致死性心不全、動脈管の未熟性閉鎖、持続性肺高血圧を引き起こす。また妊婦と胎児に出血を引き起こす。

 

 

 

 

 

4 A病院の助産師は、出産予定の初産婦の実母・義母を対象に「産後の母乳育児のサポート」をテーマとした「孫育て教室」を計画している。
 教室に参加する実母・義母に関する情報で優先されるのはどれか。

1.家族形態
2.就労経験
3.出産回数
4.母乳育児経験

解答

解説

1.× 今回の教室のテーマは「産後の母乳育児のサポート」であるため、実母、義母の家族形態に関する情報は優先される情報としては適さない。
2.× 今回の教室のテーマは「産後の母乳育児のサポート」であり、実母、義母の就労経験に関する情報は優先される情報としては適さない。
3.× 今回の教室のテーマは「産後の母乳育児のサポート」であるため、実母、義母の出産回数は必要な情報ではあるが優先される情報としては適さない。
4.〇 正しい。今回の教室のテーマは「産後の母乳育児のサポート」であるため、実母、義母の母乳育児経験に関する情報が優先される。

 

 

 

 

 

5 頭臀長<CRL>の計測によって分娩予定日を正確に診断できる妊娠時期はどれか。

1. 6 週
2. 9 週
3.12週
4.15週

解答

解説

1.×  CRL は妊娠7週ごろになると1㎝ほどになり、6週では測定時期が早すぎるため適さない。
2.〇 正しい。頭殿長<CRL>とは、胎児の頭から臀部までの長さである。妊娠初期は胎児の発育スピードがほぼ同じで個体差がないため、月経不順などで分娩予定日を決定しにくい際に、正確な分娩予定日を決めるのに最も利用される。特に計測精度がよいのが、妊娠8~11週とされている。
3.× CRLの計測精度がよいのは妊娠8〜11週とされており、12週以降はCRLの計測には適さないとされている。
4.× CRLの計測精度がよいのは妊娠8~11週とされており、12週以降はCRLの計測には適さないとされているため、15週は適さない。

 

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