第103回(R2) 助産師国家試験 解説【午後11~15】

 

11 日本における生殖補助医療による出生児数の推移のグラフを示す。
 Aはどれか。

1.顕微授精出生児
2.体外受精出生児
3.凍結融解胚移植出生児
4.提供配偶子による出生児

解答

解説

1.× 顕微授精(ICSI:卵細胞質内精子注入法)は、体外受精がうまくいかない場合や精子の数が非常に少ない重症の男性不妊症が発覚した場合に行われる。顕微授精出生児はBである。
2.× 受精し分裂した卵を子宮内に移植することを含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)という。体外受精出生児はCである。
3.〇 正しい。凍結融解胚移植とは、凍結保護剤の入った培養液の中に胚(受精卵)を入れて急速に融解し、融解後数時間~数日培養して最終的な状態を確認して子宮内に移植する方法である。凍結融解胚移植出生児
4.× 精子や卵子の提供配偶子による体外受精には非配偶者間体外受精がある。配偶子のない人または自身の配偶子では妊娠・出産が不可能な人が配偶子を提供してもらい体外受精を行う方法である。

 

 

 

 

 

12 助産所における胎盤の取扱いで適切なのはどれか。

1.助産所の敷地内に埋める。
2.廃棄数を自治体へ報告する。
3.産婦の自宅への持ち帰りを許可する。
4.市町村長の許可を受けた廃棄物収集運搬業者に委託する。

解答

解説

1.× 胎盤は感染医療廃棄物として扱われるため助産所の敷地内に埋めるのではなく、他の感染医療廃棄物と同様に処理する。
2.〇 正しい。胎盤は感染医療廃棄物として扱われるため、廃棄数を自治体へ報告する。
3.× 胎盤は感染医療廃棄物として扱われるため、産婦の自宅への持ち帰りは適さない。
4.× 感染医療廃棄物は市町村長ではなく、都道府県知事もしくは政令市長の許可を受けた廃棄物収集運搬業者に委託する。一般廃棄物は市町村長または特別区長の許可を受けた廃棄物収集運搬業者に委託する。

 

 

 

 

 

 

13 Aさん(36 歳、初産婦)。産後1か月。体重53 kgで、非妊時から2kg減少している。母乳のみで授乳している。Aさんの平均摂取カロリー量は1,950 kcal/日であった。
 授乳期に推奨される1日当たりの摂取カロリー量にするために、Aさんが増量する必要があるカロリー量で正しいのはどれか。

1.100 kcal
2.200 kcal
3.400 kcal
4.600 kcal

解答

解説

1.× 授乳期では母乳生産のために+350kcalが必要になるので、100 kcalの増量では少ない。
2.× 授乳期では母乳生産のために+350kcalが必要になるので、200 kcalの増量ではやや少ない。
3.〇 正しい。授乳期では母乳生産のために+350kcalが必要になるため、400kcalの増量がふさわしい。
4.× 授乳期では母乳生産のために+350kcalが必要になるが、600kcalは増量しすぎであり適さない。

 

 

 

 

 

14 Aさん(17歳、高校生)。母親とともに月経前症候群の相談で産婦人科を受診した。月経周期は30日型で規則的で、月経痛がある時は市販の痛み止めを時々服用している。医師の診察では子宮、卵巣に形態的異常はなかった。A さんは「月経前の数日間は、いつもイライラして憂鬱な感じがある。授業に集中できず、担任の先生にしばしば注意を受けてしまい、困っている」と助産師に話した。
 Aさんへの助産師の助言で適切なのはどれか。

1.「低用量ピルによる治療の選択肢があります」
2.「月経開始前から痛み止めを使いましょう」
3.「月経前は学校を休むようにしましょう」
4.「月経前の症状は自然に治ります」

解答

解説

1.〇 正しい。月経前症候群は月経前の女性ホルモンの変動によって起こるものといわれている。低用量ピルはホルモンバランスを安定させる効果がある。
2.× 月経開始前から痛み止めの使用を勧めるのは適さず、痛みが出てきてさらにひどくなる前などに勧めるのがふさわしい。
3.× 学校を休むように勧めるよりは、ホルモンバランスを整えるような食事や軽い運動などを勧めるのがふさわしい。
4.× 月経前症候群は月経の3〜10日ほど前から起こる気持ちや身体の不調であり、月経が来ると症状が弱まり、やがて消えていくものであるが、月経前の症状で相談に来ている場面での助言としては適さない。

 

 

 

 

 

15 Aさん(32 歳、経産婦)。夫と長女(2歳半)との3人暮らし。妊娠24 週2日の妊婦健康診査に実母および長女と3人で来院した。待合室にいるAさんの左腕には、肘を中心に広範囲に包帯が巻かれており、助産師はドメスティック・バイオレンス< DV >を疑った。
 助産師の最初の対応で適切なのはどれか。

1.警察に通報する。
2.Aさんに包帯を巻いている理由を尋ねる。
3.Aさんと1対1で話ができる場所を確保する。
4.Aさんの実母に包帯を巻いている理由を尋ねる。
5.AさんにDVスクリーニングの自記式調査票の記入について説明する。

解答

解説

1.× 事実確認ができていない中で最初の対応してすぐに警察に通報するのは本人の意思を尊重できておらず適さない。
2.× 実母同席のもと話すと実母に知られてしまい信頼関係が築けないこともあるため、今Aさんに包帯を巻いている理由を尋ねるのは適さない。
3.〇 正しい。まずはAさんと1対1で話ができる場所を確保し、Aさんのプライバシーに配慮した話しやすい環境を作る必要がある。
4.× DVを受けていることを実母は知らない可能性もあり、最初の対応としてAさんの実母に包帯を巻いている理由を尋ねることは適さない。
5.× DVスクリーニングの記入は周囲に人がいる状況で記入させるのは、事実が記入できないこともある。実母同席のタイミングでAさんにDVスクリーニングの自記式調査票の記入について説明するのは適さない。

 

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