第103回(R2) 助産師国家試験 解説【午前21~25】

 

21 出生直後の新生児の所見で早急に医師への報告が必要なのはどれか。

1.産瘤
2.サーモンパッチ
3.耳瘻孔
4.臍帯ヘルニア
5.処女膜ポリープ

解答

解説

1.× 産瘤は分娩時に圧迫されて頭部に浮腫ができることであり、生後2~3日ほどで自然に消失するため報告の必要はない。
2.× サーモンパッチはまぶたや眉間などに見られる赤いあざで毛細血管が拡張したものである。これも2~3歳ころに自然に消失する。
3.× 耳瘻孔は耳を形成する時の異常により生じたもので、細菌が入って感染を起こさなければ経過観察にしても問題ない。
4.〇 正しい。臍帯ヘルニアは臍帯の中に胃や腸、肝臓などの臓器が出てきた状態のことをいう。これは様子を見ずにすぐに医師に報告しなければいけない。
5.× 処女膜ポリープは母親由来のエストロゲンの影響で膣口からピンクのいぼのようなものが突出している。2~3週間で自然に縮小する。

 

 

 

 

 

22 乳幼児健康診査における神経発達の評価で視覚障害を疑う所見はどれか。

1.生後1か月、片目に眼脂を認める。
2.生後3か月、目が小刻みに揺れる。
3.生後6か月、顔に掛けられたハンカチを払いのける。
4.生後18か月、鉛筆でぐるぐる丸を書く。
5.生後24か月、赤信号を進もうとする。

解答

解説

1.× 生後1か月、片目に眼脂が認められても異常はない。
2.〇 正しい。目が小刻みに揺れることを眼振といい、生後2〜3ヶ月で見られるものを先天性眼振という。
3.× 生後6か月ではハンカチテストで顔にかけられたハンカチを払いのければ正常、無反応の場合は精神発達の異常、つかみ方や左右差に異常があれば運動発達障害が疑われる。
4.× 生後18~24ヶ月では鉛筆を持って描くことができるので生後18か月では鉛筆でぐるぐる丸を書くことができるが、神経発達の評価で視覚障害を疑う所見としては適さない。
5.× 生後24ヶ月(2歳)は赤信号で止まるという意味をわかる時期ではない。4歳で信号を理解できる。

 

 

 

 

 

23 Aさん(36歳、初産婦)。妊娠分娩の経過に問題はなく正常分娩で男児を出産した。現在産後1か月。産後は実母の支援を受けて育児をしており、児の体重増加も順調である。Aさんは「実は女の子が欲しかった。この子がかわいいとは思えない」と言う。
 Aさんの状況のアセスメントはどれか。

1.マタニティブルーズ
2.ボンディング障害
3.産褥精神病
4.ネグレクト
5.育児不安

解答

解説

1.× マタニティブルーズは産後3~5日に現れる一過性の涙もろさであり、産後の生活に適応していくにつれて1週間から10日にかけて落ち着いてくるものである。
2.〇 正しい。ボンディング障害とは、児に対して愛情や関心などが湧かないことである。妊娠中から発症する場合もあるが、多数は産後である。Aさんは女児を希望していたにも関わらず男児を出産し、愛着がないことからボンディング障害であることがわかる。
3.× 産褥精神病は産褥期に生じる精神病であり、精神的な興奮や錯乱、まとまりのない言動などがみられる。
4.× ネグレクトは育児放棄である。Aさんは児の性別に不満があり、1ヶ月経過しているも実母の支援をうけつつ育児を行っているため適さない。
5.× Aさんは育児不安についての発言はないため適さない。

 

 

 

 

 

24 Aさん(32歳、1回経産婦)。第1子は経腟分娩後にB群溶血性連鎖球菌<GBS>感染症を発症した既往があった。今回、妊娠35 週で行った腟周囲培養検査でB群溶血性連鎖球菌<GBS>は検出されなかった。
 Aさんの第2子のB群溶血性連鎖球菌<GBS>感染症予防のための対応で正しいのはどれか。

1.腟周囲培養検査を再度行う。
2.腟内の洗浄を行う。
3.帝王切開分娩を予定する。
4.陣痛発来あるいは前期破水後に抗菌薬を点滴投与する。
5.出生した児の皮膚消毒を行う。

解答

解説

1.× 腟周囲培養検査を再度行うのではなく、今回陰性であっても予防的に陣痛発来あるいは前期破水後に抗菌薬を点滴投与する。
2.× 腟内の洗浄を行うのではなく、予防的に陣痛発来あるいは前期破水後に抗菌薬を点滴投与する。
3.× 抗菌薬を点滴投与し、帝王切開分娩を行う必要はない。
4.〇 正しい。GBS検査(膣培養検査)は、妊娠35週から37週の間で行う。前回、GBS検査(膣培養検査)陽性だった場合は、今回の妊娠で陰性であっても予防的に陣痛発来あるいは前期破水後に抗菌薬を点滴投与する。
5.× GBS感染症は産道感染するもので、児の目や口、鼻などからも入る恐れがあり、皮膚消毒を行うというのは適さない。

 

 

 

 

 

25 第1前方後頭位で正常に分娩が経過している。現在、内診所見で先進部下降度はStation +3、矢状縫合は斜径である。
 この時の分娩進行状態で正しいのはどれか。

1.児頭の最大周囲径の位置は骨盤出口部である。
2.産瘤が児頭の右前頭部に形成されている。
3.内診で恥骨結合後面は下縁のみ触れる。
4.内診で大泉門を母体の前方に触れる。
5.児頭は発露の状態である。

解答

解説

1.× St+3では児頭先進部は骨盤出口部にあるが、児頭の最大周囲経の通過位置は𤄃部にある。
2.× 産瘤が児頭の右前頭部ではなく、児頭の右後頭部に形成される。
3.〇 正しい。内診で恥骨結合後面は下縁のみ触れる。
4.× 内診で大泉門が母体側で触れる場合は、不正軸侵入している可能性があるため、正常に分娩は経過していない。
5.× St+3では児頭は発露の状態ではなく、排臨である。排臨とは分娩第2期において陣痛発作時に児頭は大きく下降して見えるようになるが、陣痛間欠期に児頭は膣内に後退して見えなくなることを繰り返す状態である。発露とは陣痛が増強して胎児がさらに下降して児頭は陣痛間欠期でも後退しなくなる状態である。

 

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