第103回(R2) 助産師国家試験 解説【午前26~30】

 

26 四つん這い分娩の特徴で正しいのはどれか。

1.介助者は産婦の表情を観察しやすい。
2.回旋異常が自然に矯正されやすい。
3.胎児の一過性頻脈が起こりにくい。
4.骨盤出口部が拡大しやすい。
5.産婦が腹圧をかけにくい。

解答

解説

1.× 四つん這い分娩では産婦は下を見ており、介助者は陰部を見ているため、介助者は産婦の表情を観察しにくい。
2.〇 正しい。 四つん這い分娩は産痛緩和臍帯圧迫の解除回旋異常が自然に矯正されるなどが期待される。
3.× 胎児の一過性頻脈が起こりにくいのではなく、子宮による下大静脈の圧迫も少ないため臍帯圧迫の解除が期待されるため、胎児の一過性頻脈が起こりやすく徐脈を予防することができる。
4.× 骨盤の可動性はあるが、骨盤出口部の拡大は期待できない。
5.×  四つん這い分娩は産婦が腹圧をかけやすさは変わらない。

 

 

 

 

 

27 在胎36 週0日、出生体重2,000 gで出生した男児。後頭部の頭皮欠損、小頭症、前額部の血管腫、小眼球症や鼻梁の盛り上がり、口唇口蓋裂および多指症を認めた。
 児の身体的特徴から考えられる疾患はどれか。

1.13トリソミー
2.21トリソミー
3.22 q 11.2欠失症候群
4.Turner<ターナー>症候群
5.Klinefelter<クラインフェルター>症候群

解答

解説

1.〇 正しい。13トリソミー(パトー症候群)とは、46本ある染色体のうち、通常は2本である13番染色体が1本増え、計3本になることで起こる先天異常症候群であり、出生児の5000~12000人に1人とされ、高齢出産になるほどリスクが高まることなどが特徴である。
2.× 21トリソミー(ダウン症候群)は、児は頭が小さく、顔は広く扁平で、つり上がった眼と低い鼻、大きな舌、首の後ろの皮膚が余っている、手は一般的に短く幅広で、猿線があるのが特徴である。
3.× 22 q 11.2欠失症候群も特徴的顔貌であり、先天性心疾患、胸腺低形成・無形成による免疫低下、口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全、小下顎症鼻声が特徴である。
4.× Turner<ターナー>症候群は女性特有の染色体異常であり、低身長、翼状頸、外反肘が特徴であり、思春期に二次性徴が現れない。
5.× Klinefelter<クラインフェルター>症候群は男性特有の染色体異常であり、体毛が薄い、陰茎が小さい、無精子症で不妊治療が必要となるが、思春期以前には目立つ特徴がないため気づきにくい。

 

 

 

 

 

28 出生後2か月ころまでの乳児がビタミンK欠乏性出血症を発症するリスクが高くなる要因はどれか。

1.妊娠中の抗てんかん薬の服用
2.高年初産の母体
3.正期産での分娩
4.人工乳栄養
5.女児

解答

解説

1.〇 正しい。妊娠中にワルファリンや抗てんかん薬などの薬剤を服用していた母親から生まれた新生児では発症するリスクが高い。
2.× 薬剤以外の母体の原因としては、ビタミンK吸収障害をもつ母親から生まれた新生児にはビタミンK欠乏性出血症を発症するリスクが高くなる。
3.× 児の原因としては合併症を持つ児や早産児は在胎週数が浅いほど出血しやすい。正期産での分娩ではリスクは少ない。
4.× 人工乳栄養ではなく、母乳育児をしている場合である。母乳にはビタミンKはあまり含まれていないため、完全母乳の児はビタミンKを取り込むことが難しいためリスクが高い。
5.× 女児や男児に関係なく、ビタミンKは経胎盤移行性が悪く、出生時の備蓄が少ないため、新生児はビタミンKが欠乏しやすい。

 

 

 

 

 

29 日齢0の新生児。在胎週数36週0日、頭位経腟分娩で出生。出生体重2,300 g。外表所見より18 トリソミーが疑われて入院となった。入院後の検査で単心室、重症心不全、食道閉鎖を認め、外科治療は可能だが、手術後1か月以上延命できる可能性は低いと判断された。
 両親への対応で適切なのはどれか。

1.外科手術を受けることを勧める。
2.母親への説明は父親を通して行う。
3.治療方針が決定するまで面会を制限する。
4.看取りの医療の選択肢について説明する。
5.入院当日は重篤な状態であることの説明は避ける。

解答

解説

1.× 手術後1か月以上延命できる可能性は低いと判断されており、手術は児への侵襲になるため、今回外科手術を受けることを勧めることは適さない。
2.× 父親を通してでは説明が伝わりきらないこともあるため、説明は母親や父親を通して行うのではなく、両親へ同じタイミングでできることがふさわしい。
3.× 面会することは可能であり、治療方針が決定するまで面会を制限する必要はない。
4.〇 正しい。手術後1か月以上延命できる可能性は低いと判断されており、看取りの医療の選択肢について説明する。
5.× 入院当日であっても両親の気持ちに配慮しながら重篤な状態であることも含めて説明すべきである。

 

 

 

 

 

30 均衡型胎児発育不全を呈する不当軽量児の特徴で正しいのはどれか。

1.双胎児に多い。
2.頭囲の発育は保たれる。
3.妊娠28週以降に発現する。
4.先天奇形の合併頻度が高い。
5.不当軽量児の大多数を占める。

解答

解説

1.× 均衡型胎児発育不全は双胎児に多いわけではない。双胎児に多い発育不全にはひとつの胎盤を共有している一絨毛膜二羊膜双胎 (MD 双胎)に起こる双胎間輸血症候群(TTTS)などがある。
2.× 均衡型胎児発育不全では頭囲の発育は保たれるわけではなく、頭部、躯幹ともに発育遅延が認められる。一方で、不均衡型胎児発育不全では臍帯付着異常や胎盤梗塞、妊娠高血圧症候群、多胎妊娠、喫煙などにより頭部の発育は見られるが体幹の発育は抑制されて体幹の痩せた体型となる。
3.× 胎児発育不全とは胎児の発育がなんらかの原因で傷害されている状態である。胎児発育不全は妊娠28週以降ではなく、妊娠30週頃までの超音波検査にて胎児の推定体重が基準値-1.5SD以下に相当する場合である。
4.〇 正しい。均衡型胎児発育不全は、先天奇形の合併頻度が高く、染色体異常や先天性奇形、アルコール中毒により、頸部、体幹、四肢の発育が同程度に抑制されて均整のとれた体型となる。
5.× 不当軽量児とは在胎週数から予測される体重より体重が少ない胎内発育遅延状態の胎児のことである。母親側の原因としては重症妊娠高血圧症候群、胎児側の原因としては染色体異常などが考えられる。均衡型胎児発育不全は発育遅延児の20~30%であり、大多数を占めるわけではない。

 

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