第103回(R2) 助産師国家試験 解説【午前46~50】

 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
 Aさん(30歳、2回経産婦)。第2子分娩後に腹腔鏡下子宮筋腫核出術の既往があるが、経腟分娩は可能と診断されていた。妊娠経過は順調であった。妊娠40週0日、陣痛発来にて入院となった。入院1時間後の時点で破水し、その後陣痛が増強した。さらに2時間が経過し、Aさんは額に汗を浮かべながら陣痛に耐えている。内診所見では既破水、子宮口全開大、Station +2であった。

46 産褥3日の午後、Aさんは悪寒と発熱を自覚した。バイタルサインは体温38.8℃、血圧125/75 mmHg、呼吸数25/分である。乳房は緊満しており軽度熱感があるが、痛みはない。子宮に圧痛があり、子宮底は臍高でやや軟である。経腹超音波検査では子宮内に悪露の貯留があるが、子宮体部筋層の異常はなく、腹腔内の出血は認めない。血液検査で白血球15,300/μL、Hb 11.3 g/dL、血小板12 万/μL、CRP 4.2mg/dLであった。
 Aさんの発熱の原因で考えられるのはどれか。

1.乳腺炎
2.子宮破裂
3.子宮内膜炎
4.生理的な子宮復古
5.妊娠高血圧症候群

解答

解説

1.× 乳腺炎とは、乳汁を分泌する乳腺で炎症を起こす病気である。症状として乳房の熱感、痛み、腫れ、発熱や倦怠感が見られる。今回経産婦で産褥3日目の乳房緊満は生理的範囲内であり、乳腺炎は適さない。
2.× 子宮破裂とは、主として分娩時に起こる子宮体部ないしは子宮下部の裂傷である。子宮体部筋層の異常はなく、腹腔内の出血は認めないため適さない。
3.〇 正しい。子宮内膜炎とは、子宮に細菌が入り、子宮内膜に炎症を起こす病気である。発熱、子宮の圧痛、悪露の貯留、子宮底の状態から子宮内に炎症を起こしている可能性が考えられる。
4.× 産褥3日目の正常な子宮底はおよそ臍下3横指で硬度良好のため、Aさんの子宮復古は異常である。
5.× 妊娠高血圧症候群とは、妊娠時に高血圧を発症した場合をいう。収縮期血圧が140mmHg以上(重症では160 mmHg以上)、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上(重症では110mmHg以上)になった場合が該当するため適さない。

 

 

 

 

 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
 Aさん(43歳、経産婦、専業主婦)。夫(45歳、会社員)と男児(2歳)と3人暮らし。妊娠11週3日。Aさんは「つわりがつらく、食事がしっかり摂れていません。水分は気を付けて摂っています」と言う。身長160 cm、体重63 kg(非妊娠時から -1 kg)。血圧132/80 mmHg。Hb 10.6 g/dL、Ht 33 %。尿蛋白(-)、尿ケトン体(-)。胎児は頭臀長<CRL>55 mm、胎児心拍が確認された。

47 Aさんの妊娠経過の診断で正しいのはどれか。

1.貧血
2.重症妊娠悪阻
3.胎児発育不全
4.高血圧合併妊娠

解答

解説

1.〇 正しい。 Hb11g/dl、Ht33%以上が正常なので、Hb 10.6 g/dL、Ht 33 %と正常値より低く貧血である。
2.× 重症妊娠悪阻とは、つわりの症状が悪化し治療が必要になるような状態である。5%以上の体重減少、血中・尿中のケトン体の増加が見られる。
3.× 胎児発育不全とは、平均と⽐べて成⻑が遅くなっていることをいい、胎盤由来の妊娠合併症の代表的なものである。11週3日のCRLは43mm程度なので55mmは問題ない。
4.× 高血圧合併妊娠とは、妊娠前または妊娠20週未満、または分娩後12週以降も140/90mmHg以上の高血圧を認める場合をいう。今回の血圧は140/90mmHg以上でないため高血圧合併妊娠に該当しない。

 

 

 

 

 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
 Aさん(43歳、経産婦、専業主婦)。夫(45歳、会社員)と男児(2歳)と3人暮らし。妊娠11週3日。Aさんは「つわりがつらく、食事がしっかり摂れていません。水分は気を付けて摂っています」と言う。身長160 cm、体重63 kg(非妊娠時から -1 kg)。血圧132/80 mmHg。Hb 10.6 g/dL、Ht 33 %。尿蛋白(-)、尿ケトン体(-)。胎児は頭臀長<CRL>55 mm、胎児心拍が確認された。

48 妊娠30週0日。体重75 kg。血圧142/90 mmHg。尿蛋白+、浮腫+。時々腹部が張る感じがすると話す。推定胎児体重1,500 g、胎児心拍正常。医師から1週後に受診するようにとの指示があった。Aさんは「自宅で血圧を測るとそんなに高くありません。子どもの世話もあるし、入院となると困ります」と言う。
 助産師がAさんに行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.「水分摂取を控えましょう」
2.「毎日ウォーキングをしましょう」
3.「自宅での血圧測定を続けましょう」
4.「家事や育児の合間には安静を心がけましょう」
5.「摂取エネルギーは、1日1,600 kcal程度にしましょう」

解答3・4

解説

1.× 尿蛋白や浮腫が現れているが、膀胱炎や脱水予防のため水分摂取を控える必要はない。
2.× 30週での腹部緊満感は切迫早産となる可能性もあり、ウォーキングは腹部緊満感を増強させるため適さない。
3.〇 正しい。白衣性高血圧とは、家などの医療機関外では血圧が正常であるにもかかわらず、医療者が血圧を測った時や診察室などの医療機関で血圧が高値になる高血圧である。白衣性高血圧であるかの判断、自宅血圧の経過を判断するために自宅での血圧測定を継続してもらう必要がある。
4.〇 正しい。30週での腹部緊満感は異常であり、切迫早産となる可能性もあるため安静を促す必要がある。
5.× 43歳女性で身体活動レベルが低い場合、1日あたり必要なカロリーはおよそ1800Kcalなので1日1600kcalは少ないため適さない。

 

 

 

 

 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
 Aさん(43歳、経産婦、専業主婦)。夫(45歳、会社員)と男児(2歳)と3人暮らし。妊娠11週3日。Aさんは「つわりがつらく、食事がしっかり摂れていません。水分は気を付けて摂っています」と言う。身長160 cm、体重63 kg(非妊娠時から -1 kg)。血圧132/80 mmHg。Hb 10.6 g/dL、Ht 33 %。尿蛋白(-)、尿ケトン体(-)。胎児は頭臀長<CRL>55 mm、胎児心拍が確認された。

49 妊娠35週0日。妊娠30 週以降、血圧上昇はなく経過している。Aさんは「前回のお産は、時間がかかってつらかったのでお産が不安になってきました。バースプランはまだ立てていません。今回が最後のお産だと思うので、よい体験にしたいです」と助産師に話す。
 Aさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。

1.「前回より短時間で出産できますよ」
2.「無痛分娩を検討してはどうでしょうか」
3.「分娩中の過ごし方について一緒に考えましょう」
4.「次回の健康診査までにバースプランを完成させてください」

解答

解説

1.× 経産婦で前回より短時間で出産できることが多いとしても、不安の面に寄り添った発言になっておらず適さない。
2.× 無痛分娩の希望はなく、バースプランを立てていないという状態で無痛分娩の検討を進めるのは適さない。
3.〇 正しい。 前回のお産が辛く、今回最後の分娩をよい体験にしていという訴えがあるため、分娩中の過ごし方を助産師とともに一緒に考えてバースプランを作成するのが適切である。
4.× バースプランをまだ立てられていない状態で現在35週であり、次回の健康診査までに完成を促すより今一緒に考える方がふさわしい。

 

 

 

 

 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。
 Aさん(39歳、1回経産婦)。妊娠中の経過は順調であった。妊娠40週2日、陣痛が開始したため入院となった。午前1時30分、陣痛は2〜3分間欠、発作は40〜50秒。午前2時00 分に破水。「便がしたい感じ。どうしてこんなに痛いの」と言いながら強くいきんでいる。内診所見は子宮口7cm開大、展退度90 %、Station+1。

50 このときの助産師の対応で最も適切なのはどれか。

1.食事摂取を勧める。
2.陣痛発作時に弛緩法を促す。
3.短息呼吸の方法を指導する。
4.分娩体位を整え努責を誘導する。

解答

解説

1.× 分娩が進行しており、強く努責をかけようとしている妊婦に食事を勧めるのは不適切である。
2.〇 正しい。人間の体は緊張していると痛みを強く感じるため、陣痛発作時に弛緩法を促し、心身ともにリラックスして陣痛の波に乗ることが大切である。身体をリラックスした状態にして痛みを和らげ産道が開くようにするのがラマーズ法の弛緩法である。
3.× 短息呼吸は児娩出時の口頭結節が恥骨弓からはずれ、反屈位となって会陰部に児頭があらわれたときに行う呼吸法であり、この時点では不適切である。
4.× 便意は児頭が下降しているサインであるが、子宮口が全開でない状態で努責を誘導すると子宮口に負担がかかり出血する恐れがあるため、分娩体位を整え努責を誘導するのは適さない。

 

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