第103回(R2) 助産師国家試験 解説【午後46~50】

 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。
 Aさん(32 歳、初産婦)。妊娠経過は順調であった。妊娠39週5日で3,420 gの女児を吸引分娩で出産した。分娩所要時間20 時間50 分、破水から分娩までの所要時間1時間30分。分娩時出血量450 mL。正中側切開術が施行された。

46 産褥3日。母児同室となり、Aさんは頻回に授乳を行っている。児の体重は3,300 g。排便(移行便)3回/日、排尿5回/日。活気があり吸啜良好である。Aさんは「授乳のコツもわかってきましたが、昨晩も眠れなかったので疲れてきました」と言う。
 Aさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。

1.「ミルクを足しましょう」
2.「このまま頑張りましょう」
3.「授乳の回数を減らしましょう」
4.「一時的に赤ちゃんを預かりましょう」

解答

解説

1.× 授乳は順調に進んでおり、体重も生理的体重減少の範囲内で問題ないためミルクを足す必要はない。
2.× 疲労感がみられており、このまま母子同室で頑張り続けることを提案するのは適さない。
3.× この時期は授乳の回数を減らすのではなく、授乳以外の時間に児を預かり、休息が取れる時間を作る必要がある。
4.〇 正しい。授乳が頻回なこともあるが、母児同室で授乳以外のお世話で休めていないこともあるため、一時的に児を預かり、休息をとってもらう。

 

 

 

 

 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。
 Aさん(32 歳、初産婦)。妊娠経過は順調であった。妊娠39週5日で3,420 gの女児を吸引分娩で出産した。分娩所要時間20 時間50 分、破水から分娩までの所要時間1時間30分。分娩時出血量450 mL。正中側切開術が施行された。

47 産褥4日。Aさんは、明日退院の予定となった。A さんは「赤ちゃんの世話にもやっと慣れてきました。赤ちゃんはかわいいです。出産後に助産師さんとお産のことを話した時は、よく頑張ったねと言ってもらえました。でも出産に時間がかかり吸引分娩になるとは思いませんでしたし、傷がまだ痛いです。私はちゃんとしたお産ができなかったのではないかと思います」と言う。
 Aさんへの助産師の対応で最も適切なのはどれか。

1.「よく頑張ったのだから立派なお産ですよ」
2.「無事にお産が終わったことを喜びましょう」
3.「もう一度、お産の振り返りをしてみませんか」
4.「新生児訪問でお産の話を聞いてもらってください」

解答

解説

1.× Aさんが今回のお産をどのように考えているのかわからないため、医療者目線で発言するのは適さない。
2.× 無事にお産が終わったことは喜ばしことではあるが、今回はAさん自身がお産に対していいイメージを持っていないためその思いについて話を聞くことが必要である。
3.〇 正しい。Aさんが今回のお産についてどのように考えているのかお産の振り返りをすることを勧める。お産の振り返りはマイナスイメージをプラスイメージに切り替えることにもなり、お産を乗り越えた自分に自信を持つことやこれからの育児を前向きに行っていく上での支えにつなげることになる。
4.× 新生児訪問とは新生児訪問指導事業のことであり、保健師、助産師、看護師が家庭を訪問してくれる制度で生後28日以内の児がいる家庭を対象に行われ、母子が健康であるかどうかを確認し、必要なケアや支援を行うことを第一の目的としているため、このタイミングでお産の話を聞いてもらうことは適さない。

 

 

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 Aさん(34歳、初妊婦)。産婦人科に通院し、妊婦健康診査を受けていた。妊娠30週0日に規則的な子宮収縮を自覚して来院し、緊急入院となった。バイタルサインは、体温38.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍100/分、血圧130/80 mmHg。胎児心拍数モニタリングで胎児心拍基線170 bpmであった。内診所見では、頭位、子宮口2cm 開大、
未破水。腟分泌物に少量血液が混じっており、悪臭を伴っていた。血液検査は、白血球数18,000/μL、CRP 3.0 mg/dL。尿検査では尿混濁はなく、尿蛋白(-)、尿糖(-)であった。

48 入院時のアセスメントで正しいのはどれか。

1.絨毛膜羊膜炎が疑われる。
2.子宮頸管縫縮術が有効である。
3.妊娠高血圧症候群<HDP>である。
4.妊娠の延長を目指す必要がある。

解答

解説

1.〇 正しい。絨毛膜羊膜炎とは、膣内の細菌が子宮の入口より上行性に感染して、卵膜に炎症が起きている状態である。妊娠中期以降に多く、感染が進行すると子宮収縮が頻回になり、破水や子宮頸部熟化を起こし、子宮口が開いて早産を引き起こす。早産の約半数の原因となっている。症状は発熱下腹部痛悪臭のあるおりものなどがあるが、自覚症状がない人もいる。
2.× 子宮頸管縫縮術とは、子宮頚管を縫い縮める方法でシロッカー手術、マクドナルド手術がある。子宮頸管無力症などで早産予防のために行われるため今回は適さない。
3.× 妊娠高血圧症候群<HDP>とは、妊娠中、出産時、産褥期の高血圧の総称であり、妊娠高血圧、妊娠高血圧腎症、加重型妊娠高血圧腎症、高血圧合併妊娠の4つがある。血圧が140/90 mmHg以上を示す場合には疑われるが、今回は適さない。
4.× おりものや発熱などの症状や検査値からも感染が疑われる状況で羊水や胎盤を通じて胎児への感染のリスクもあり、妊娠の延長を目指すのは適さない。

 

 

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 Aさん(34歳、初妊婦)。産婦人科に通院し、妊婦健康診査を受けていた。妊娠30週0日に規則的な子宮収縮を自覚して来院し、緊急入院となった。バイタルサインは、体温38.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍100/分、血圧130/80 mmHg。胎児心拍数モニタリングで胎児心拍基線170 bpmであった。内診所見では、頭位、子宮口2cm 開大、
未破水。腟分泌物に少量血液が混じっており、悪臭を伴っていた。血液検査は、白血球数18,000/μL、CRP 3.0 mg/dL。尿検査では尿混濁はなく、尿蛋白(-)、尿糖(-)であった。

49 Aさんは入院翌日、経腟分娩で男児を出産した。羊水混濁は認めなかった。出生直後の児は泣を認めるが、呼吸数60/分、心拍数140/分。鼻翼呼吸、呻吟、陥没呼吸、中心性チアノーゼを認め、マスクを用いた持続的気道陽圧呼吸療法<CPAP>が行われた。しかし、努力呼吸とチアノーゼに改善が認められず、気管挿管による人工呼吸が開始された。
 児の状況で最も考えられるのはどれか。

1.喉頭軟化症
2.肺動脈閉鎖症
3.呼吸窮迫症候群
4.胎便吸引症候群

解答

解説

1.× 喉頭軟化症とは、息を吸ったときの陰圧により喉頭の上部構造が喉頭内宮に引き込まれ気道が狭窄や閉塞する疾患である。症状は低酸素発作、吸気性喘鳴、哺乳障害があるが、他の疾患でも見られる症状であり、気管支鏡検査でしか診断できないため今回は適さない。
2.× 肺動脈閉鎖症とは、肺動脈弁、肺動脈弁の下、または肺動脈弁の上で閉鎖している状態である。先天性疾患で心臓の発生初期の発生過程で肺動脈が閉鎖したことが原因のため、今回は適さない。
3.〇 正しい。呼吸窮迫症候群とは、未熟児にみられる呼吸疾患でサーファクタントが産生されないか不足しているために肺胞が拡張した状態を保てないことで起こる。37週未満の新生児に起こるもので、未熟性が高いほど欠乏の程度も高い。
4.× 胎便吸引症候群とは、出生前または周産期に肺に胎便を吸い込んだ新生児に呼吸困難がみられることである。妊娠後期である36週以降に発生しやすく、妊娠42週以降の過期産の胎児は子宮内の羊水が減少しているため、胎便が排出された際に濃縮された状態となるので症状を起こしやすい。

 

 

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 Aさん(34歳、初妊婦)。産婦人科に通院し、妊婦健康診査を受けていた。妊娠30週0日に規則的な子宮収縮を自覚して来院し、緊急入院となった。バイタルサインは、体温38.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍100/分、血圧130/80 mmHg。胎児心拍数モニタリングで胎児心拍基線170 bpmであった。内診所見では、頭位、子宮口2cm 開大、
未破水。腟分泌物に少量血液が混じっており、悪臭を伴っていた。血液検査は、白血球数18,000/μL、CRP 3.0 mg/dL。尿検査では尿混濁はなく、尿蛋白(-)、尿糖(-)であった。

50 児はNICUに入院となり、保育器内で人工呼吸器管理、輸液管理が行われている。分娩後6時間、Aさんは会陰切開部の創部痛のため非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用しており、車椅子で児の面会のためにNICU を訪れた。A さんは「赤ちゃんが心配です」と話し、涙を流している。
 助産師のAさんへの声かけで正しいのはどれか。

1.「赤ちゃんの状況はご主人から聞いてください」
2.「両手でお子さんを包み込んであげてください」
3.「大きな声で呼びかけてあげてください」
4.「鎮痛薬使用中は搾乳を控えてください」

解答

解説

1.× 児の状況はご主人からでは正確な説明が伝わらないこともあるためご主人からではなく、医療者から説明するようにする。
2.〇 正しい。保育器で抱っこは難しい状態であるが、親子関係形成のために両手でお子さんを包み込むなど保育器内でできる関わりを提案する。
3.× 大きな声で呼びかけることはモロー反射などを引き起こすことになり適さない。
4.× アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)は授乳しながらでも安全に使用できる。NSAIDsは妊娠後期の使用により、胎児の動脈管の早期閉鎖が起こり、出生後に遷延性肺高血圧症や動脈管開存症が起きることがあるため禁忌である。

 

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