第103回(R2) 助産師国家試験 解説【午後6~10】

 

6 A さん(39歳、初産婦)。妊婦健康診査で来院した。妊娠16週、単胎。身長160 cm、体重56 kg(非妊時体重55 kg)。妊娠経過は順調である。A さんは助産師に「今まで運動習慣はなかったのですが、マタニティビクスを始めたいと思っています。注意することはありますか」と質問した。
 助産師の対応で適切なのはどれか。

1.「1分間の脈拍が145回を超えないようにしましょう」
2.「妊娠28週以降に始めましょう」
3.「午後3時以降に行いましょう」
4.「毎日運動しましょう」

解答

解説

1.〇 正しい。マタニティビクスなどの有酸素運動によって血流改善、便秘改善、肥満予防など効果がある。運動強度は1分間の脈拍が145回を超えないようにして無理せず行うことを勧める。
2.× マタニティビクスは妊娠13週から分娩直前まで行える。妊娠28週以降でなくてよい。
3.× マタニティビクスの運動をする時間帯に制限はない。午後3時以降でなくてよい。
4.× マタニティビクスは週2~3日を目安に1回60分以内が推奨されている。毎日の運動は適さない。

 

 

 

 

 

7 乳幼児のアタッチメント<愛着>で正しいのはどれか。

1.不特定の他者と結ばれる関係である。
2.他者を遠ざけるために信号行動を行う。
3.愛着対象を安全基地として探索活動を行う。
4.アタッチメントの形成で人見知りは消失する。

解答

解説

1.× 乳幼児のアタッチメントは、養育者(主に母親)との間に築く愛情の絆である。不特定の他者と結ばれる関係ではない。
2.× 信号行動とは養育者に関心を寄せ付けようとする行動である。他者を遠ざけるための行動ではない。
3.〇 正しい。探索行動とは、知らない物事に興味を示し、それがどんなものなのかを確かめ知ろうとする動きである。アタッチメントは愛着対象を安全基地とすることで、子どもの不安を抑制し探索行動を活性化させる。
4.× アタッチメントの形成で人見知りがはじまる。生後3ヶ月までは誰に対しても見つめたり微笑んだりするが、アタッチメントがより深く形成される生後3ヶ月ほどで養育者とそうでない人と区別をつけることができ、人見知りをする。

 

 

 

 

 

8 在胎38 週0日、2,800 gで出生した日齢12 の新生児。母乳栄養のみである。
 人工乳の補足の検討が必要な児の状況はどれか。

1.頻回の溢乳
2.体重2,750 g
3.授乳回数10 回/日
4.排便回数5〜6回/日

解答

解説

1.× 溢乳とは、授乳後に口から少量の乳がだらだらと吐き出される生理的現象である。通常は生後2~6週で消失するため、日齢12日の溢乳は問題ない。
2.〇 正しい。日齢12日で体重2,750gと出生体重に戻っていないのは母乳栄養だけでは足りていないため、人工乳の補足を検討すべきである。生理的体重減少では、生後3~5日前後をピークに出生体重の5~10%の範囲で減少し、生後1~2週間以内に出生体重に戻る。
3.× 新生児の授乳回数は1日8~12回である。授乳回数10回/日で人工乳の補足を検討する必要はない。
4.× 排便回数5〜6回/日であることは母乳で十分足りているため、人工乳の補足の検討は必要ない。個人差はあるが、母乳栄養児は人工乳栄養児よりも便がゆるく排便回数が多くなる傾向にあり、授乳ごとに排便することもある。

 

 

 

 

 

9 生後4か月の女児。外傷を主訴に、母親に連れられて救急外来を受診した。2歳の兄も一緒に来院した。母親は「2歳の兄が一緒に遊ぼうと腕を引っ張っていた。また、寝返りをしてソファから落ちたようだ」と話す。女児は不機嫌でぐずっている。医師が女児を診察した結果、左上腕内側と右前額部の出血斑、左鎖骨骨折、右肋骨骨折を認めた。
 女児の受傷原因で最も考えられるのはどれか。

1.養育過誤
2.本人の転落
3.兄との遊びでの事故
4.保護者の身体的虐待

解答

解説

1.× 母親の事故が起きた発言と女児の受傷内容が一致しておらず、養育過誤よりは身体的虐待が疑われる。
2.× 寝返りによる本人の転落では左右に負傷が起こる可能性は低く、受傷原因とは考えにくい。
3.× 2歳の兄に負傷させるほどの力はなく、兄との遊びでの事故と考えるのは難しい。
4.〇 正しい。母親の事故の発言と女児の受傷内容が一致しておらず、保護者の身体的虐待が受傷原因として最も考えられる。

 

 

 

 

 

10 NICU入院中の早産児の足底採血を行う際、児の感じる痛みのケアのために行うのはどれか。

1.経腸栄養投与後に採血する。
2.23 G 注射針を用いて採血する。
3.採血前に口腔内に白湯を投与する。
4.採血前に児の身体をタオルでくるむ。

解答

解説

1.× 経腸栄養投与後に採血すると採血のデータに変動が出るため投与前に採血する。また児の感じる痛みのケアにはならない。
2.× 足底採血では23G注射針を用いるのではなく、刃が非常に薄く穿刺深度が一定である、微量採血用穿刺器具を使用する。
3.× 採血前に口腔内に白湯を投与する必要はない。白湯ではなく児の感じる痛みのケアとして搾乳した母乳の方がふさわしい。
4.〇 正しい。採血前に児の身体をタオルでくるむことによって児に安心感を与える。他に児の感じる痛みのケアとして、部屋の明るさなどの環境調整やおしゃぶりの使用などがある。

 

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