第104回(H30) 保健師国家試験 解説【午後11~15】

 

11 地域ケアシステムを構築するための会議の開催について最も適切なのはどれか。

1.参加メンバーを固定する。
2.問題が生じたときに開催する。
3.住民の代表をメンバーに加える。
4.あらかじめ議論の方向性を決めておく。

解答

解説

地域ケアシステムとは、住民が住み慣れた地域で暮らせるようにケアシステムを構築することである。

1.× 参加メンバーを固定するより、会議の内容によって変えた方が良い。なぜなら、より専門的で確実性の高い地域ケアシステムを構築できるため。
2.× 問題が生じたときではなく、将来のあるべき地域ケアシステムの方向性を話し合いながら定期的に開催する。なぜなら、その地域に合ったケアシステムを構築することが目的のため。
3.〇 正しい。住民の代表をメンバーに加える。なぜなら、当事者が把握している地域の実情や意見を反映させるため。その地域に暮らす住民代表者の参加が不可欠である。
4.× あらかじめ議論の方向性を決めておく必要はない。なぜなら、会議参加メンバーの意見を尊重しながら、議論の方向を決定していくことが重要であるため。

 

 

 

 

 

12  Aちゃん(3歳4か月、男児)。両親と祖母との4人暮らし。市の3歳児健康診査に母親と来所した。階段の昇り降りはできるが、泣いていて言語の理解や精神発達の観察ができなかった。母親は「家では簡単な単語は出ている。仕事が忙しいので、平日はほとんど同居する夫の母にみてもらっている。夫の母は外出を好まず、家でテレビを観て過ごすことが多い」と話した。市では、地区乳幼児相談、3歳児健康診査事後教室および4歳児子育て教室を実施している。
 このときの保健師の対応として最も適切なのはどれか。

1.地区乳幼児相談への参加を促す。
2.3歳児健康診査事後教室への参加を促す。
3.日中の家庭訪問を早期に行うことを伝える。
4.4歳児子育て教室で経過を確認することを伝える。

解答

解説
1.× 地区乳幼児相談への参加を促す必要はない。なぜなら、現時点ではAちゃんの言語理解や精神発達を観察できておらず、問題点を明確にする必要があるため。地区乳幼児相談は、子の発育や発達・栄養・母乳・歯みがき等について、保健師、助産師、栄養士、歯科衛生士などの専門職が相談できる場所である。
2.× 3歳児健康診査事後教室への参加を促す必要はない。なぜなら、現時点ではAちゃんの言語理解や精神発達を観察できておらず、問題点を明確にする必要があるため。また、Aちゃんが健康診査後の教室でも泣き続ける可能性がある。
3.〇 正しい。日中の家庭訪問を早期に行うことを伝える。なぜなら、普段はテレビを観て過ごすことが多いとの情報もあり、Aちゃんが日中どのように過ごしているのか確認できるため。早期に家庭訪問を行い、Aちゃんがリラックスできる環境で、発達状態を観察することが必要である。
4.× 4歳児子育て教室で経過を確認することを伝える必要はない。なぜなら、Aちゃんの言語理解や精神発達の確認ができていない状況で、Aちゃんが4歳になるまで半年以上の期間を空けることをわざわざする必要はないため。

 

 

 

 

 

13 精神保健医療福祉施策について正しいのはどれか。

1.精神通院医療は障害者基本法に規定されている。
2.市町村には基幹相談支援センターの設置義務がある。
3.精神障害者の在宅福祉サービスの実施主体は都道府県である。
4.精神疾患は医療計画で重点的に対策を推進する疾病に位置付けられている。

解答

解説
1.× 精神通院医療は、障害者基本法に規定されているのではなく、『障害者総合支援法』の自立支援医療のひとつである。
2.× 市町村の基幹相談支援センターの設置は、義務ではなく任意である。つまり、市町村は、基幹相談支援センターを設置することができる。地域における障害相談の中核的な役割を担う機関である。
3.× 精神障害者の在宅福祉サービスの実施主体は、都道府県ではなく市町村である。
4.〇 正しい。精神疾患は、医療計画で重点的に対策を推進する疾病に位置付けられている。精神疾患は、医療計画で「生活習慣病その他の国民の健康の保持を図るために特に広範かつ継続的な医療の提供が必要と認められる疾病」として厚生労働省令で定められている。いわゆる5疾病5事業の5疾病のひとつである。

医療計画の記載事項

5疾病
①がん、②脳卒中、③心筋梗塞などの心血管疾患、④糖尿病、⑤精神疾患

5事業
①救急医療、②災害医療、③へき地医療、④周産期医療、⑤ 小児医療(小児救急を含む)

記載事項
①5疾病の治療または予防に係る事業、5事業の医療の確保に必要な事業。
②5疾病5事業に関する目標、医療連携体制(施設間の機能分担・業務連携の確保)、情報提供の推進。
③居宅等における医療の確保。
④ 地域医療構想に関する事項。
⑤ 地域医療構想の達成に向けた病床の機能の分化及び連携の推進。
⑥ 病床の機能に関する情報提供の推進。
⑦外来医療の確保。
⑧医師の確保。
⑨医療従事者(医師を除く)の確保
⑩ 医療の安全の確保
⑪ 医療圏の設定(二次、三次医療圏を定める)
⑫医師少数区域等の設定
⑬ 基準病床数(一般病床、療養病床、結核病床、精神病床、感染症病床)
⑭ 地域医療支援病院等の整備目標。
⑮その他医療提供体制の確保に関する必要事項。

 

 

 

 

 

14 健康増進法に基づく健康増進事業による肝炎ウイルス検診について正しいのはどれか。

1.実施主体は都道府県である。
2.対象は満40歳以上の者である。
3.60歳から無料で検診が受けられる。
4.特定健康診査の検査項目に定められている。

解答

解説

1.× 実施主体は、都道府県ではなく市町村である。実施は努力義務である。
2.〇 正しい。対象は、満40歳以上の者である。肝炎ウイルス検診は、『健康増進法』に基づく健康増進事業として実施されている。満40歳以上で一度も肝炎ウイルス検査を受けたことがない者が対象である。
3.× 「60歳から」といった年齢制限はなく、無料で検診が受けられる。
4.× 特定健康診査の検査項目には定められていない。特定健康診査は、生活習慣病に関するものである。

 

 

 

 

 

15 口腔の疾患とその予防法の組合せで正しいのはどれか。

1.う蝕:フッ化物を塗布する
2.歯周病:塩分摂取を制限する
3.口内炎:ビタミンKを摂取する
4.顎関節症:硬い食品を強く嚙む

解答

解説
1.〇 正しい。う蝕(虫歯)は、フッ化物を塗布することが有効である。う蝕予防対策として厚生労働省からガイドラインも出されている。
2.× 歯周病の予防策として、塩分摂取を制限するのではなく、プラークの除去である。ちなみに、塩分摂取を制限は、高血圧の予防などに効果がある。
3.× 口内炎の予防策として、ビタミンKを摂取するのではなく、ビタミンB1・B2・B6の摂取である。ちなみに、ビタミンKの摂取は、出血傾向の予防などに効果がある。
4.× 顎関節症の予防策として、硬い食品を強く嚙むことは直接的な効果は薄い。なぜなら、顎関節症は、岨鳴時の癖やストレスなどによる食いしばり、姿勢の悪さなどの複数の要因が絡んで発生するものであるため。

 

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