第104回(H30) 保健師国家試験 解説【午後26~30】

 

26 日本版21世紀型DOTS戦略推進体系図を示す。【Aから【】に入る語句の組合せで正しいのはどれか。

解答

解説

1~2.× 21世紀型DOTSでは、対象者(A)は、【潜在性結核感染症の者を除く結核患者】ではなく、潜在性結核感染症(LTBI)を含むすべての結核患者である。
3.× 21世紀型DOTSでは、対象者(A)は、【喀痰塗抹陽性の結核患者】ではなく、潜在性結核感染症(LTBI)を含むすべての結核患者である。ちなみに、塗抹陽性患者のみを対象としていたのは、結核が非常に多かった時期に重点対象として考えていたという経緯がある。しかし、現在結核は減少しており、よりきめ細かい対策が求められているため、【潜在性結核感染症(LTBI)を含むすべての結核患者】を対象にするようになった。
4.× 21世紀型DOTSでは、DOTSの施行(B)は、【外来DOTS】のみではなく、地域DOTS である。また、コホートを評価する仕組みがないので不適切である。
5.〇 正しい。21世紀型DOTSにおける対象者(A)は、【潜在性結核感染症(LTBI)を含むすべての結核患者】であり、医療機関、行政機関(保健所)、訪問看護などの地域の資源を活用してDOTSを実行し、コホート検討会で評価を行う。ちなみに、コホート検討会では、事例の治療状況の把握、治療成績の評価の他に、地域の結核医療、結核対策の評価について検討する。 その他、各自治体で定めた事業の実施状況等も評価する。

 

 

 

 

27 法律に基づく全国の疾病登録があるのはどれか。

1.がん
2.糖尿病
3.脳卒中
4.慢性腎臓病
5.マイコプラズマ感染症

解答

解説

全国がん登録とは、これまで、『健康増進法』に基づき都道府県において地域がん登録が実施されてきたが、平成25年に『がん登録推進法』が成立し、全国がん登録として国が中心となって実施されることとなった。これにより、病院にはがん罹患情報の届出が義務づけられている。『がん登録等の推進に関する法律(がん登録推進法)』の施行に伴い、平成28年より国が中心となって全国がん登録を実施している。したがって、選択肢1.がんが法律に基づく全国の疾病登録がある。

 

 

 

 

 

28 平成22年(2010年)から平成27年(2015 年)における日本の社会情勢の変化で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.完全失業率の増加
2.老年化指数の低下
3.平均世帯人員の減少
4.社会保障給付費の減少
5.65歳以上の雇用者数の増加

解答3・5

解説
1.× 完全失業率は、増加ではなく、低下傾向にある。(参考:総務省統計局労働力調査
2.× 老年化指数は、低下ではなく、増加傾向にある。(参考:総務省統計局国勢調査)ちなみに、「老年人口指数」は、15~64歳の「生産年齢人口」に対して、65歳以上の「老年人口」がどれくらいの割合なのかを数値化したもので、高齢化を示す指標としてよく用いられる。
3.〇 正しい。平均世帯人員は、減少傾向にある。(参考:厚生労働省国民生活基礎調査
4.× 社会保障給付費は、減少ではなく、増加傾向にある。(参考:国立社会保障・人口問題研究所社会保障費用統計
5.〇 正しい。65歳以上の雇用者数は、増加傾向にある。(参考:総務省統計局労働力調査

 

 

 

 

 

29 母子健康手帳の交付を受けるために保健センターに来所した女性から、公費の助成が受けられる妊婦健康診査について質問があった。
 保健師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.「血液検査を毎回行います」
2.「保健指導の費用は自己負担です」
3.「公費の助成が受けられる医療機関が決まっています」
4.「血液検査の項目にはHIV抗体検査が含まれています」
5.「妊娠初期は2週に1回の健康診査が助成の対象になります」

解答3・4

解説
1.× 血液検査は、毎回は行わない。標準的な妊婦健康診査は、14回分スケジュールとして組まれているが、そのなかで血液検査は、①妊娠初期、②妊娠24~35週、③妊娠36週以降に1回ずつ行われ、その他、妊娠30週までにHTLV-1抗体検査を行うことが定められている。
2.× 保健指導の費用は、自己負担ではなく、無料である。
3.〇 正しい。公費の助成が受けられる医療機関が決まっている。多くの市町村では、公費助成が受けられるのは、当該市町村内の契約している医療機関および助産所に限られる。そのため、里帰り出産などで帰省する場合には、帰省先の市町村に相談する必要がある。
4.〇 正しい。血液検査の項目には、HIV抗体検査が含まれている。HIV抗体検査は、母子感染を防ぐため妊娠初期の血液検査の項目に含まれている。妊娠初期の血液検査では他に、B型肝炎抗原、C型肝炎抗原、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体などの項目がある。
5.× 助成の対象は、妊娠初期(2週に1回)ではなく、妊娠初期~23週(4週間に1回:4回分)の健康診査がになりますちなみに、妊娠24~35週は2週間に1回(6回分)、妊娠36週以降は1週間に1回(4回分)の健康診査が助成の対象となる。

 

 

 

 

 

30 歯科保健施策について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.歯科疾患実態調査は3年ごとに実施されている。
2.健康増進法によって歯周疾患検診が義務化された。
3.平成23年(2011年)に歯科口腔保健の推進に関する法律が施行された。
4.第一次国民健康づくり対策の課題の1つとして歯の健康が取り上げられた。
5.食育の推進の一助として噛ミング30(カミングサンマル)運動が行われている。

解答3・5

解説
1.× 歯科疾患実態調査は、3年ごとではなく5年ごとに実施されている。直近では平成28年に実施されている。なお、平成23年までは6年ごとに実施されていた。
2.× 歯周疾患検診が義務化されたのは、健康増進法ではなく、『老人保健法』による総合健康診査事業である。
3.〇 正しい。平成23年(2011年)に『歯科口腔保健の推進に関する法律』が施行された。『歯科口腔保健の推進に関する法律』とは、歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に推進するための法律であり、施策に関する基本理念、国・地方公共団体等の責務などが定められ、歯科疾患の予防や口腔の保健に関する調査研究をはじめ、国民が定期的に歯科検診を受けること等の勧奨や、障害者・介護を必要とする高齢者が定期的に歯科検診を受けることまたは歯科医療を受けることができるようにする等の内容となっている。
4.× 歯の健康が取り上げられたのは、第一次国民健康づくり対策の課題ではなく、健康日本21(第二次)と「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」をもとに推進されている。ちなみに、昭和53(1978)年に開始された『第一次国民健康づくり対策』の課題は、生涯を通じる健康づくりの推進(検診体制や基盤整備)及び健康づくりの3要素(栄養、運動、休養)の健康増進事業の推進である。
5.〇 正しい。食育の推進の一助として、噛ミング30(カミングサンマル)運動が行われている。食育推進活動として、ひと口30回以上噛むことを目標とした噛ミング30(カミングサンマル)運動が平成21年から実施されている。

 

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