第104回(H30) 保健師国家試験 解説【午後31~35】

 

31 災害対策基本法に基づき都道府県が行う災害対策はどれか。2つ選べ。

1.防災のための調査研究
2.指定緊急避難場所の指定
3.都道府県地域防災計画の作成
4.避難行動要支援者名簿の作成
5.住民の自発的な防災活動の促進

解答1・3

解説
1.〇 正しい。防災のための調査研究は、災害対策基本法に基づき都道府県が行う災害対策である。都道府県防災会議により作成される都道府県地域防災計画に掲げる事項として、「防災のための調査研究」が挙げられている。
2.× 指定緊急避難場所の指定は、市町村長が指定する。市町村長は、災害から命を守るために緊急的に避難する施設または場所を、指定緊急避難場所として指定しなければならない。
3.〇 正しい。都道府県地域防災計画の作成は、防災基本計画に基づき行われる。都道府県防災会議は、防災基本計画に基づき、都道府県の地域について都道府県地域防災計画を作成しなければならない。
4.× 避難行動要支援者名簿の作成は、市町村長が指定する。市町村長は、避難行動要支援者名簿を作成しておかなければならない。
5.× 住民の自発的な防災活動の促進は、市町村長が行う。市町村長は、住民の自発的な防災活動の促進を図り、市町村の有するすべての機能を十分に発揮するように努めなければならない。

 

 

 

 

 

32 直接法による年齢調整死亡率を算出する際に必要な情報はどれか。2つ選べ。

1.基準集団の死亡率
2.観察集団の死亡実数
3.観察集団の年齢別人口
4.基準集団の年齢別人口
5.観察集団の年齢別死亡率

解答4・5

解説

年齢調整死亡率とは?

異なる地域(集団)の死亡水準について、単純に(粗)死亡率で比較すると、高齢者割合の高い地域で必然的に(粗)死亡率が高くなるため、年齢構成を調整し比較する必要がある。これを年齢調整死亡率といい、直接法と間接法がある。

1~3.× 基準集団の死亡率/観察集団の死亡実数/観察集団の年齢別人口は、いずれも間接法による年齢調整死亡率を求める際に必要な情報である。

4~5.〇 正しい。基準集団の年齢別人口/観察集団の年齢別死亡率は、いずれも直接法による年齢調整死亡率を求める際に必要な情報である。年齢調整死亡率は、観察集団が基準集団と同じ人口構成だと仮定し、計算する。直接法による年齢調整死亡率は、

観察集団の年齢別死亡率 × 基準集団の年齢別人口)の各年齢の合計 ÷ 基準集団の年齢別人口の総和 × 1000(または100000)

で求めることができる。よって、選択肢のなかで必要な情報は、「基準集団の年齢別人口」と「観察集団の年齢別死亡率」である。

直接法と間接法の特徴

直接法:①観察集団の年齢別死亡率が、基準集団の人口構成で起きた場合、全体の死亡率がどうなるかを求める。②観察集団の年齢調整死亡率を用いて計算するため、都道府県等の年齢階級別死亡率がわかる大規模な集団で適用される。

間接法:①標準化死亡比(SMR)を用いる。②市町村等の年齢階級別死亡率がわからない小規模な集団に適用される。

 

 

 

 

 

33 測定値の偶然誤差の大きさを表す指標として適切なのはどれか。2つ選べ。

1.分散
2.中央値
3.算術平均
4.標準偏差
5.最頻値(モード)

解答1・4

解説

偶然誤差(ばらつき)とは、まったくの偶然で確率的に発生する誤差である。

1.〇 正しい。分散は、測定値の偶然誤差の大きさを表す指標として適切である。なぜなら、分散とは、測定値のばらつき具合を示す、偶然誤差は、真の値と測定値の間に発生する偶然のばらつきであるため。
2.× 中央値とは、測定値を大きさの順番に並べたときに、ちょうど真ん中に当たる値である。
3.× 算術平均とは、測定値の合計を標本数で割った値である。測定値の平均を得ることができる。平均値の一種であり、一般的に平均値といえば、算術平均を指す。平均値にはほかに、幾何平均や調和平均などがある。
4.〇 正しい。標準偏差は、測定値の偶然誤差の大きさを表す指標として適切である。なぜなら、標準偏差とは分散の平方根で表され、測定値のばらつき具合を示すため。
5.× 最頻値(モード)とは、測定を行った結果、最も多く観察された値のことである。繰り返し測定したときに真の値に近いことを推察できる。

 

 

 

 

 

34 保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.国勢調査は5年に1度実施される。
2.患者調査から死因別死亡率が得られる。
3.人口動態調査は2年に1度集計される。
4.国民生活基礎調査は2年に1度実施される。
5.国民健康・栄養調査の調査項目に腹囲がある。

解答1・5

解説

保健医療に関係する重要な保健統計調査には、①国勢調査、②人口動態調査、③国民生活基礎調査、④医療施設調査、⑤病院報告、⑥患者調査、⑦衛生行政報告例、⑧国民健康・栄養調査、⑨社会福祉施設等調査、⑩福祉行政報告例、⑪介護サービス施設・事業所調査などがある。

1.〇 正しい。国勢調査は、5年に1度実施される。国勢調査は、国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、日本に住んでいるすべての人および世帯を対象として実施されている。
2.× 患者調査から、死因別死亡率は得られない。患者調査は、病院および診療所を利用する患者の傷病状況などの実態を明らかにし、医療行政の基礎資料とするもので、受療率が得られる。
3.× 人口動態調査は、2年に1度ではなく、毎年集計される。人口動態調査は、人口動態事象(出生、死亡、死産、婚姻、離婚)を把握し、人口および厚生労働行政施策の基礎資料を得るもので、毎年集計される。
4.× 国民生活基礎調査は、2年に1度ではなく、3年ごとに大規模調査を行い、その間の年は小規模・簡易調査を行う国民生活基礎調査は、保健、医療、福祉、年金、所得など、国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画および運営に必要な基礎資料を得ることを目的として行われる。
5.〇 正しい。国民健康・栄養調査の調査項目に腹囲がある。国民健康・栄養調査は、国民の身体の状況、栄養摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的としている。

国民健康・栄養調査の調査項目

1)身体状況調査票
ア.身長、体重(満1歳以上)
イ.腹囲(満6歳以上)
ウ.血圧測定(満20歳以上)
エ.血液検査(満20歳以上)
オ.問診<服薬状況、糖尿病の治療の有無、運動>(満20歳以上)

2)栄養摂取状況調査票
満1歳以上の世帯員の食品摂取量、栄養素等摂取量、食事状況(欠食・外食等)、1日の身体活動量(歩数:満20歳以上)

3)生活習慣調査票
満20歳以上が対象。食生活、身体活動・運動、休養(睡眠)、飲酒、喫煙、歯の健康等に関する生活習慣全般を把握。

 

 

 

 

 

35 医療提供体制について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.医療法において病床の種別は3つに分類されている。
2.医療計画には医療従事者の確保に関する事項を記載する。
3.日本の医療施設の病床数は過去10 年間は増加傾向にある。
4.特定機能病院を称するには厚生労働大臣の承認が必要である。
5.診療所は20人以下の患者を入院させるための施設を有すると規定されている。

解答2・4

解説
1.× 医療法において病床の種別は、3つではなく5つに分類されている。『医療法』の病床の種別は、①精神病床、②感染症病床、③結核病床、④療養病床、⑤一般病床の5種類である。
2.〇 正しい。医療計画には、医療従事者の確保に関する事項を記載する。医療従事者の確保に関する事項は、都道府県医療計画で定めるべき事項である。
3.× 日本の医療施設の病床数は、過去10 年間は増加傾向ではなく減少傾向にある。平成18年に178万6.649床であったものが、平成27年では167万3.669床となっている。(※データ引用:厚生労働省医療施設調査
4.〇 正しい。特定機能病院を称するには、厚生労働大臣の承認が必要である。特定機能病院とは、高度の医療を提供する能力を有するなど一定の要件をみたす病院である。あらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が承認する必要がある。
5.× 診療所は、【20人以下の患者】ではなく、【患者を入院させるための施設を有しないもの、または19人以下の患者】を入院させるための施設を有すると規定されている。

 

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