第104回(R3) 助産師国家試験 解説【午前11~15】

 

11 妊婦の心理で多くみられるのはどれか。

1.妊娠初期に胎児への関心が最も高まる。
2.妊娠中期にアンビバレントな感情が強くなる。
3.出産準備教育を受けることで出産に対する不安は消失する。
4.妊娠による体型の変化のとらえ方と妊娠の受容は関連する。

解答

解説
1.× 妊娠初期には胎児よりも妊娠の正常と異常ライフスタイルの変化夫との関係性の変化費用や経済面などの関心が強い。胎児への関心が最も高まるのは妊娠末期である。
2.× アンビバレントとは喜びなどの肯定的感情と不安や恐怖などの否定的感情が共存する状態である。アンビバレントな感情を抱くのは妊娠初期である。
3.× 出産準備教育では分娩の経過の説明を受けることもあるが、自分自身がどのようなお産になるかはわからないことも多く、出産に対する不安がすべて消失するとはいえない。
4.〇 正しい。妊娠による体型の変化のとらえ方と妊娠の受容は関連する。妊娠初期には体型の変化は少ないが、妊娠中期よりボディイメージの変化や胎動の自覚が現れることで妊娠を受容しやすくなる。

 

 

 

 

 

 

12 A さん(33歳、経産婦)。夫と長男(3歳)との3人暮らし。妊娠24 週2日の妊婦健康診査で来院した。妊娠経過は順調である。診察時、助産師に「前回の出産は1人で長い時間陣痛に耐えて痛くてつらかったです。夫は仕事で出産後に病院に到着しました。今回の付き添いも夫と話したけど、難しそうです。また同じ思いをするのかと思うと、不安です」と話す。

Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1.経産婦の平均分娩所要時間を説明する。
2.硬膜外麻酔分娩について情報提供する。
3.子どもの立会い出産を検討するよう促す。
4.Aさんが希望するケアについて話し合う。

解答

解説
1.× 経産婦の平均分娩所要時間を説明しても長い陣痛の間を一人で耐える不安は変わらないため適さない。
2.× Aさんから硬膜外麻酔分娩についての希望はなく、陣痛に一人で耐えることを不安に思っているため、硬膜外麻酔分娩についてこの場面で情報提供するのは適さない。
3.× 子どもの立会い出産には子どもの面倒を見る大人も必要であるが、夫は仕事で付き添いが難しい状況で子どもの立ち会い出産の検討を促すのは適さない。
4.〇 正しい。Aさんは陣痛中に一人で耐えることに不安を抱えているため、助産師に希望するケアなどについて話を聞いて可能な限り対応するのがふさわしい。

 

 

 

 

 

 

13 産褥の時期と子宮復古の正常な所見の組合せで正しいのはどれか。

1.産褥2 日:子宮底を臍高に触知
2.産褥7 日:外子宮口1指開大
3.産褥14日:赤色悪露
4.産褥28日:手拳大の子宮

解答

解説
1.× 産褥2日では臍下2横指である。子宮底を臍高に触知するのは分娩後約12時間後である。子宮底は胎盤娩出直後には臍下2〜3横指にあるが、数時間後には骨盤底筋や腟の緊張度の回復により再び上昇し約12時間後にはほぼ臍高に達する。
2.〇 正しい。産褥7日では外子宮口1指開大である。外子宮口は2〜3週間後に復元するが横裂状となる。
3.× 産褥14日には黄色悪露である。黄色悪露は血液成分がさらに減少して白血球が増加したため黄白色となった悪露である。赤色悪露は大部分が胎盤剝離面からの血液で産後2〜3日にみられる。産後3〜4日以降には血液成分が減少してヘモグロビンが褐色に変色した褐色悪露となる。
4.× 産褥28日ではほぼ非妊時の大きさである。分娩直後の子宮は小児頭大で産後4〜6週ほどで非妊時の鶏卵大へ戻る。手拳大の子宮は妊娠3ヶ月頃である。

 

 

 

 

 

 

14 Aさん(26歳、初産婦)。妊娠39 週6日で2,850 gの女児を正常分娩した。本日産褥2日、助産師が訪室すると、Aさんが児に布団をかけずに寝かせていた。児の検温をすると36.4℃で、手足にやや冷感を認めた。
 助産師の対応で最も適切なのはどれか。

1.母児同室を一時中断する。
2.育児のパンフレットを渡す。
3.頻回に児の体温計測を行うよう指導する。
4.一緒に児の手足を触りながら冷感について説明する。

解答

解説
1.× 今回の訪室時に布団をかけていないという理由だけですぐに母児同室を一時中断する必要はない。
2.× 育児のパンフレットを渡して終わりではなく、実際に児の様子を見ながら説明する方がAさんの様子や理解度もわかるためふさわしい。
3.× 児は布団をかけていない状態であったが今回だけである可能性もあり、頻回に児の体温計測は母児ともに負担となるため適さない。
4.〇 正しい。Aさんは初産婦で新生児の温度調整などわからないこともあるため、一緒に児の手足を触りながら冷感について説明する。

 

 

 

 

 

 

15 Aさん(38歳、初産婦)。母乳で育てたいと強く希望している。産褥3日、授乳時に児が泣き止まず助産師が呼ばれた。授乳状況は、児の顎が下に向いて乳房で顔がふさがり、児の首がねじれた状態で、Aさんは自分の乳房を強くつかんで押し込んでいた。
 助産師の説明として、適切なのはどれか。

1.「乳房を支えて赤ちゃんに近づけましょう」
2.「赤ちゃんの下顎が乳房に触れないようにしましょう」
3.「赤ちゃんの耳、肩、おしりが一直線になるように抱っこしましょう」
4.「赤ちゃんを乳房に近づけるときは、下唇が乳頭の位置にくるようにしましょう」

解答

解説
1.× Aさんは乳房を支えて児に近づけることはできているが、児の顎が下に向いて乳房で顔がふさがっているため、乳房は児が呼吸できるように鼻の部分の空間を作るように支える。
2.× 児の下顎は乳房に触れるように授乳すると効果的な吸着(ラッチオン)ができる。①口が大きく開く.②唇が外向き、③下顎が乳房に触れている、④乳房の上方に比べ下方を深く含んでいるといった深い吸い方ができると乳頭亀裂などのトラブルが少なくなる。
3.〇 正しい。Aさんは児の首がねじれた状態で授乳しており、児にとって体勢が苦しくなっているため、耳、肩、おしりが一直線になるように抱っこして授乳するように促す。
4.× 下唇が乳頭の位置にくるように授乳すると浅い吸い方になってしまい、効果的に授乳ができないため適さない。

 

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