第104回(R3) 助産師国家試験 解説【午後51~55】

 

次の文を読み51〜53の問いに答えよ。
Aさん(22 歳、初産婦、外国籍)。妊娠10週。夫(30 歳、外国籍、会社員)と2人暮らし。1年前に夫の仕事のため来日した。母子健康手帳の受け取りのため、夫婦でB 市の保健センターに来所した。

51 Aさんへの支援にあたっての情報収集で最も優先されるのはどれか。

1.Aさんの母国の母子保健サービス
2.Aさん夫婦の日本語能力
3.在留資格の有無
4.夫の仕事の状況

解答

解説
1.× Aさんの母国の母子保健サービスは今後の日本でのAさんへの支援にあたって最も優先される情報ではない。
2.〇 正しい。Aさんへの支援にあたって今後コミュニケーションをとる必要があるため、Aさん夫婦の日本語能力がどの程度かを把握する必要がある。
3.× 在留資格の有無は妊娠出産におけるAさんへの支援にあたって最も優先される情報ではない。
4.× 夫の仕事の状況はAさんへの支援にあたって必要な情報ではあるが、まずはコミュニケーションが必要なため、Aさん夫婦の日本語能力が最も優先される情報である。

 

 

 

 

 

 

52 保健センターの助産師は、子育て世代包括支援センター業務ガイドラインの考え方を参考に、Aさんの支援プランを検討することとなった。Aさんは、母国ではなく日本で出産する予定である。
 支援プランの検討で適切なのはどれか。

1.出産予定の病院の助産師と連携して作成する。
2.日本の産育習俗に基づき計画する。
3.Aさんの意見は最後に確認する。
4.初回の評価は出産後に行う。

解答

解説
1.〇 正しい。支援プランは保健センターの助産師だけでなく出産予定の病院の助産師と連携して作成することで、助産師間での情報共有やAさんに支援の継続性と整合性を確保することができる。
2.× 日本の産育習俗だけに基づくのではなく、Aさんの母国の産育習俗やAさん夫婦の意見や希望を反映して計画すべきである。
3.× Aさんの意見や希望は最後に確認するのではなく、支援プランの作成前に聴取して反映させる必要がある。
4.× 支援プランは妊娠期から子育て期であるため、初回の評価は出産後ではなく、妊娠期から行うべきである。

 

 

 

 

 

 

53 Aさんは妊娠34 週に、産後の生活や育児の相談のため、夫と共に保健センターに来所した。助産師に、異国での初めての育児に不安があると話した。育児は夫婦2人で行うこと、産後のサポートが不足していることがわかった。
 Aさんに説明する母子保健サービスで適切なのはどれか。2つ選べ。

1.新生児・褥婦訪問指導
2.乳幼児健康診査
3.一時預かり事業
4.産後ケア事業
5.入院助産

解答1・4

解説
1.〇 正しい。新生児・褥婦訪問指導は妊産婦や新生児を対象に助産師または保健師が家庭訪問して健康状態の確認や必要な保育指導、健康や育児に関する相談、子育て支援に関する情報提供などを行う事業である。産後夫婦2人での育児に不安を感じているAさんに説明する母子保健サービスで適している。
2.× 乳幼児健康診査は母子保健法により1歳6ヶ月検診と3歳児検診が市町村によって行われる母子保健サービスである。産後夫婦2人で育児を行うことに不安を感じているAさんに対して説明する母子保健サービスとしては適さない。
3.× 一時預かり事業とは家庭において保育を受けることが一時的に困難となった乳幼児を認定こども園・幼稚園・保育所等で一時的に預かる事業である。産後2人での育児不安を抱えるAさんにとってのサービスとしては適さない。
4.〇 正しい。産後ケア事業は母子ショートステイやデイケア、助産師による家庭訪問により、育児相談や授乳相談などを受けることができる事業である。産後夫婦2人での育児に不安を感じているAさんに説明する母子保健サービスで適している。
5.× 入院助産は児童福祉法により本人からの申請があった場合に出産にかかる費用を公費で負担する制度である。費用に関する不安の訴えはなく、産後2人での育児不安を抱えるAさんにとってのサービスとしては適さない。

 

 

 

 

 

 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。
 Aさん(39 歳、初産婦)。身長154 cm、体重60 kg(非妊時50 kg)。体外受精で妊娠し、妊娠経過は順調であった。妊娠40週3日、規則的な子宮収縮がありパートナーと一緒に午前11 時に来院した。入院時の所見は、体温37.0 ℃、脈拍84/分、血圧110/74 mmHg。頭位、第2胎向、児の推定体重2,760 gであった。内診所見は子宮口開大2cm、展退度60 %、Station -1 であった。Aさんの入院後の陣痛間欠時間と陣痛持続時間は表のとおりである。

54 分娩開始と考えられる時刻はどれか。

1.午前11 時
2.午後1時
3.午後3時
4.午後5時
5.午後7時

解答

解説
1.× 午前11 時は陣痛間欠時間が15分と10分以上であるため、まだ分娩開始の時刻ではない。
2.× 午後1時は陣痛間欠時間が12分と10分以上であるため、まだ分娩開始の時刻ではない。
3.× 午後3時は陣痛間欠時間が10分と10分以上であるため、まだ分娩開始の時刻ではない。
4.〇 正しい。子宮の収縮が規則的に1時間に6回以上(間隔が10分以内)になった時点から分娩開始とされる。午後5時からは陣痛間欠時間が8分となり10分以内となっているため分娩開始である。
5.× 午後7時よりも前に午後5時から陣痛間欠時間は10分以内となっているため適さない。

 

 

 

 

 

 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。
 Aさん(39 歳、初産婦)。身長154 cm、体重60 kg(非妊時50 kg)。体外受精で妊娠し、妊娠経過は順調であった。妊娠40週3日、規則的な子宮収縮がありパートナーと一緒に午前11 時に来院した。入院時の所見は、体温37.0 ℃、脈拍84/分、血圧110/74 mmHg。頭位、第2胎向、児の推定体重2,760 gであった。内診所見は子宮口開大2cm、展退度60 %、Station -1 であった。Aさんの入院後の陣痛間欠時間と陣痛持続時間は表のとおりである。

55 陣痛発来から11時間経過した。体温37.3 ℃、脈拍88/分、血圧118/76 mmHg。陣痛間欠時間3分、陣痛持続時間50 秒。胎児心拍数基線140 bpm、胎児心拍数基線細変動中等度、胎動時に心拍が20 bpm 増加し30 秒後基線に戻る波形があり、徐脈はない。内診所見は子宮口開大5cm、展退度80 %、Station±0、恥骨後面1/2触知可、小泉門は11 時方向に触れる。Aさんは「入院してから随分時間が経ちますが、まだお産にならないですか。赤ちゃんは大丈夫ですか」と不安気な表情で話す。
 このときの助産診断で正しいのはどれか。

1.遷延分娩である。
2.第一胎向である。
3.reassuring fetal status である。
4.児頭の最大周囲径は骨盤濶部である。

解答

解説
1.× 遷延分娩とは有効な陣痛があるが子宮頸管の開大や胎児の下降が異常に緩徐な場合である。初産婦では30時間、経産婦では15時間を経過しても児娩出に至らない場合であり、Aさんの陣痛発来から11時間であり、遷延分娩ではない。なお初産婦の分娩開始から子宮口が全開大するまでの分娩第一期のみの所要時間は10〜12時間であり、全体の分娩所要時間は12〜15時間である。
2.× 第一胎向は児背が母体の左側である。入院時は児背が母体の右側である第二胎向であり、現在も小泉門は11 時方向に触れており、第二胎向である。なお胎児の頭が下にあるものの、母体の腹側を向いた状態を後方後頭位(サニーサイドアップ)といい、吸引分娩や鉗子分娩、帝王切開が必要になることがある。
3.〇 正しい。胎児心拍数基線は問題なく徐脈も見られていないためreassuring fetal status(RFS)である。RFSとは健常な胎児の状態を呼び、安心できない胎児の状態をnon-reassuring fetal status(NRFS)と呼ぶ。
4.× 内診所見はStation±0で恥骨後面1/2触知可能であるため、児頭の最大通過面が骨盤入口を越えて小骨盤腔内に嵌入した状態である。恥骨後面1/3触知可能となると児頭の最大周囲径は骨盤濶部である。

 

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