第105回(H31) 保健師国家試験 解説【午前16~20】

 

16 災害派遣医療チーム(DMAT)で正しいのはどれか。

1.活動の開始は発災時からおおむね48時間以後である。
2.市町村からの要請に応じて活動する。
3.活動先の調整は総務省消防庁が行う。
4.広域医療搬送活動に従事する。

解答

解説

DMAT(災害派遣医療チーム)の特徴

①都道府県の派遣要請に基づく。
②災害の急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性をもつ。
③主な活動は、広域医療搬送、病院支援、地域医療搬送、現場活動などである。

1.× 活動の開始は、発災時からおおむね48時間以後ではなく、災害の急性期(おおむね48時間以内)である。
2.× 市町村ではなく、被災都道府県からの要請に応じて活動する。
3.× 活動先の調整は、総務省消防庁ではなく、DMAT都道府県調整本部が行う。被災都道府県は、災害対策本部および災害医療本部を設置し、その指揮下にDMAT都道府県調整本部をおく。
4.〇 正しい。広域医療搬送活動に従事する。広域医療搬送とは、国が各機関の協力のもと、自衛隊機などの航空機を用いて対象患者を医療搬送することをいう。

 

 

 

 

 

17 都道府県や市区町村において統括的な役割を担う保健師の活動で最も適切なのはどれか。

1.住民への総合相談を実施する。
2.組織横断的な総合調整及び推進を行う。
3.地区担当制による地区活動を実施する。
4.広域的かつ専門的な保健サービスを行う。

解答

解説
1.× 住民への総合相談を実施することは、対人サービスで市町村保健師の活動である。
2.〇 正しい。組織横断的な総合調整及び推進を行うことは、統括的な役割を担う保健師の活動である。「都道府県や市町村において統括的な役割を担う保健師」は、保健師の保健活動を組織横断的に総合調整および推進し、人材育成や技術面での指導および調整を行う。
3.× 地区担当制による地区活動を実施することは、主に市町村保健師の活動である。保健師の保健活動の基本的な方向性として、地区担当制の推進が掲げられている。
4.× 広域的かつ専門的な保健サービスを行うことは、主に都道府県保健師の活動である。

地域における保健師の保健活動に関する指針

①地域診断に基づくPDCAサイクルの実施。
②個別課題から地域課題への視点及び活動の展開。
③予防的介入の重視。
④地区活動に立脚した活動の強化。
⑤地区担当制の推進。
⑥ 地区特性に応じた健康なまちづくりの推進。
⑦部署横断的な保健活動の連携及び協働。
⑧地域のケアシステムの構築。
⑨各種保健医療福祉計画の策定及び実施。
⑩人材育成。

 

 

 

 

 

18 現行の後期高齢者医療制度の運営における医療給付の財源負担で正しいのはどれか。

1.後期高齢者支援金は45歳以上75歳未満の者の医療保険料から拠出される。
2.国、都道府県および市町村による公費が全体の約5割を占めている。
3.高齢者が医療機関を受診した時の自己負担額は無料である。
4.後期高齢者による保険料は全体の約2割を占めている。

解答

解説
1.× 後期高齢者支援金は、45歳以上75歳未満の者ではなく、75歳未満の者の医療保険料から拠出される。ちなみに、後期高齢者支援金は、後期高齢者医療制度の財源全体の約4割を占める。
2.〇 正しい。国、都道府県および市町村による公費が全体の約5割を占めている。ちなみに、その内訳は、国:都道府県:市町村 = 4:1:1である。
3.× 高齢者が医療機関を受診した時の自己負担額は、無料であるはなく、1割である。ただし、一定以上所得者(現役並み所得者)は3割である。ちなみに、無料となるのは生活保護受給者である。
4.× 後期高齢者による保険料は、全体の約2割ではなく、約1割を占めている。

 

 

 

 

 

19 公衆衛生行政の制度・対策と法律の組合せで正しいのはどれか。

1.大気汚染の監視:大気汚染防止法
2.労働者の健康診断:労働基準法
3.食品等の収去検査:食品安全基本法
4.小学校における保健学習:学校保健安全法

解答

解説
1.〇 正しい。大気汚染防止法に、都道府県知事は大気の汚染の状況を常時監視しなければならないと定められている。
2.× 労働者の健康診断は、労働基準法ではなく、『労働安全衛生法』に事業者の義務として定められている。ちなみに、『労働基準法』には、労働者の賃金・労働時間・休日・年次有給休暇などの労働条件が定められている。
3.× 食品等の収去検査は、食品安全基本法ではなく、『食品衛生法』および『食品表示法』に規定されている。食品等の収去検査は、保健所の食品衛生監視員が、必要に応じて食品製造施設や販売施設から食品などを無償で収去し、食中毒の発生防止や不良食品の排除のために行う検査である。ちなみに、『食品安全基本法』は、食品の安全性を確保するためのものである。食品安全委員会の設置などが定められている。
4.× 小学校における保健学習は、学校保健安全法ではなく、『学校教育法』に基づいた教育活動である。保健教育は、①保健学習と②保健指導に大別され、小学校の保健学習は学習指導要領に基づき、体育科の保健領域として指導される。

 

 

 

 

 

20 医療安全対策で正しいのはどれか。

1.産科医療補償制度は医療法に基づき実施されている。
2.医療事故調査は病院の管理者に義務付けられている。
3.都道府県に医療安全支援センターの設置が義務付けられている。
4.都道府県知事は医療事故調査・支援センターを指定することができる。

解答

解説
1.× 産科医療補償制度とは、分娩に関連して発症した脳性麻痺の子と家族の経済的負担を速やかに補償し、原因分析を行い、再発防止のための情報提供などを行う制度である。病院、診療所や助産所といった分娩を取り扱う機関が加入する制度である。一方、医療法は、病院・診療所・助産所の開設・管理・整備の方法などを定める日本の法律である。国民は、良質かつ適切な医療の効率的な提供に資するよう、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携の重要性についての理解を深め、医療提供施設の機能に応じ、医療に関する選択を適切に行い、医療を適切に受けるよう努めなければならない。
2.〇 正しい。医療事故調査は、病院の管理者に義務付けられている。『医療法』に基づき、病院などの管理者は、医療事故が発生した場合には必要な調査(医療事故調査)を行わなければならないと規定されている。
3.× 都道府県に医療安全支援センターの設置は、義務付けられているのではなく、努力義務(努めなければならない)である。『医療法』に基づき、都道府県・保健所を設置する市および特別区は、医療安全支援センターを設けるよう努めなければならないと規定されている。
4.× 医療事故調査・支援センターを指定することができるのは、都道府県知事ではなく、厚生労働大臣である。『医療法』に規定されている。

 

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