第105回(H31) 保健師国家試験 解説【午前26~30】

 

26 健康日本21(第二次)の目標で正しいのはどれか。

1.喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及
2.週労働時間60時間以上の雇用者の割合の減少
3.メタボリックシンドロームの認知度の向上
4.アルコール依存症の患者数の減少
5.糖尿病治療者数の減少

解答

解説

健康日本21(第二次)とは?

 日本における健康対策の現状や第三次国民健康づくり対策(健康日本21)の最終評価で提起された課題などを踏まえ、第四次国民健康づくり対策として、21世紀における第二次国民健康づくり運動「健康日本21(第二次)」が平成24年6月に策定された。

 健康日本21(第二次)の期間は、平成25年度から平成34年度までであり、①健康寿命の延伸と②健康格差の縮小などが盛り込まれた。健康日本21(第二次)では、生活習慣病の予防やこころの健康など5つの分野にわたり、53項目の数値目標を設定している。

1.× 喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及は、健康日本21(第一次)の目標である。ちなみに、健康日本21(第二次)では、受動喫煙の機会を有する者の割合の減少などが目標として掲げられている。
2.〇 正しい。週労働時間60時間以上の雇用者の割合の減少は、健康日本21(第二次)の目標である。健康日本21(第二次)の「休養」の目標としている。
3.× メタボリックシンドロームの認知度の向上は、健康日本21(第一次)の中間評価で追加された目標である。ちなみに、健康日本21(第二次)では、メタボリックシンドロームの該当者および予備軍の減少が目標として掲げられている。
4.× アルコール依存症の患者数の減少の記載はない。ちなみに、健康日本21(第二次)では、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少などが目標として掲げられている。
5.× 糖尿病治療者数の減少の記載はない。ちなみに、健康日本21(第二次)では、糖尿病に関して「合併症の減少、治療継続者の割合の増加、血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少、糖尿病有病者の増加の抑制」などが目標として掲げられている。

 

 

 

 

 

27 危険因子に曝露した群の罹患リスクの、曝露していない群の罹患リスクに対する比はどれか。

1.罹患率
2.有病率
3.致命率
4.寄与危険
5.相対危険

解答

解説
1.× 罹患率とは、一定の観察期間において、観察集団のなかで新たに疾病を有した人の率である。
2.× 有病率とは、ある一時点において、観察集団のなかで疾病を有している人の割合である。
3.× 致命率とは、一定の観察期間において、ある疾病に罹患した者のなかで、その疾病が原因で死亡した者の割合である。
4.× 寄与危険とは、曝露群と非曝露群の疾病発症リスクの差のことである。「曝露因子があるとどれだけ危険度が増すか」を示す。
5.〇 正しい。相対危険は、危険因子に曝露した群の罹患リスクの、曝露していない群の罹患リスクに対する比である。「曝露因子があると何倍危険か」を示す。

 

 

 

 

 

28 コホート研究と比較した症例対照研究の特徴で正しいのはどれか。

1.研究期間が長い。
2.相対危険が直接計算できる。
3.まれな疾病の研究に適している。
4.事象の発生順序が明らかである。
5.情報の偏り(バイアス)が少ない。

解答

解説

コホート研究と症例対照研究の比較

コホート研究とは、時間軸:前向き研究で、観察期間は長期間行う。信頼性は高いが費用・労力が大きい。

症例対照研究とは、時間軸:後ろ向き研究で、観察期間はない。信頼性は低いが費用・労力が小さい。

1.× 研究期間が長いのは、コホート研究である。なぜなら、コホート研究は、長期的な観察で疾病発生の動向をみるため。罹患などの結果が得られるまで時間を要し、研究期間が長くなる特徴を持つ。一方で、症例対照研究は、すでに対象者の擢患の結果は明らかであるため、前向きコホート研究に比べると調査期間は短くなる。
2.× 相対危険が直接計算できるのは、コホート研究である。なぜなら、症例対照研究は、相対危険の近似値であるオッズ比を算出するため。
3.〇 正しい。まれな疾病の研究に適しているのは、症例対照研究である。なぜなら、症例対照研究は、すでに発症した症例を集めることができるため。一方、コホート研究でまれな疾病の研究に十分な発症数を得るためには、膨大な規模の観察集団を設定することになる。
4.× 事象の発生順序が明らかであるのは、コホート研究である。なぜなら、コホート研究は追跡調査を行っているため。
5.× 情報の偏り(バイアス)が少ないのは、コホート研究である。なぜなら、コホート研究は経過を観察しているため。一方で、症例対照研究は、過去の出来事を調べるため、思い出しバイアスなどが生じる可能性がある。ちなみに、情報の偏り(バイアス)とは、情報収集時に情報が正しく把握されないために生じる誤差を指す。

 

 

 

 

 

29 症例対照研究における交絡因子の制御方法はどれか。

1.無作為化
2.マッチング
3.単変量解析
4.ブラインド法
5.対象者数の増加

解答

解説
1.× 無作為化とは、研究参加者をランダムに介入群と非介入群(対照群)に振り分けるものである。研究計画段階で行うものである。対象者の選定と割付を行う際の交絡因子の制御として用いられる。
2.〇 正しい。マッチングは、症例対照研究における交絡因子の制御方法である。マッチングとは、曝露群(介入群または症例群)と非曝露群(対照群)における性別や年齢などの交絡因子の分布が同じになるよう研究参加者を選ぶものである。
3.× 単変量解析とは、ひとつの対象にデータが1つしかないデータを扱う解析手法のひとつである。交絡因子の制御方法として利用できるものは、複数の変数を利用する多変量解析である。なぜなら、交絡因子となりうる変数を調整することができるため。
4.× ブラインド法(盲検法)は、バイアスを取り除くものである。ブラインド法(盲検法)とは、参加者の誰が曝露群(介入群)で、誰が非曝露群(対照群)かを参加者にはわからないように割り付ける方法である。
5.× 対象者数の増加するだけでは、症例対象研究の交絡因子の制御にはつながらない。なぜなら、交絡因子とは、曝露因子と疾病の双方に関係があるために、両者に見かけ上の因果関係をもたらす要因のことであるため。

 

 

 

 

 

30 散布度に含まれるのはどれか。

1.中央値
2.最頻値
3.相関係数
4.標準偏差
5.平均(算術平均)

解答

解説
1.× 中央値は、代表値のひとつであり、ある一組の測定値を大きさの順に並べたときに、ちょうど真ん中になる値を指す。
2.× 最頻値は、代表値のひとつであり、ある一組の測定値のなかで現れる最も頻度の高い値のことを指す。
3.× 相関係数は、2つの変数の相関の度合いを数値化して、2つの変数の関連性(線形関係の程度)を示す尺度である。
4.〇 正しい。標準偏差は、散布度に含まれる。標準偏差は、平均値を中心に周囲に測定値がどの程度ばらついているかを示す。
5.× 平均(算術平均)は、代表値のひとつであり、ある集団の個々の測定値をすべて加えた測定値の合計を、その集団の数で割ることによって求められる。

 

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