第105回(H31) 保健師国家試験 解説【午後26~30】

 

26 要保護児童対策地域協議会の機能で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.被虐待児の里親委託の決定
2.養育支援訪問事業の対象者の選定
3.子育て世代包括支援センターの運営
4.虐待通告を受けた児の支援内容の検討
5.居住実態を把握できない児の情報共有

解答4・5

解説

要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)の機能

要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)は、虐待予防対策のなかで、重要な役割を担う。要保護児童等のへの適切な支援を図ることを目的に地方公共団体が設置・運営する組織である。

1.× 被虐待児の里親委託の決定は、児童相談所が行う。
2.× 養育支援訪問事業の対象者の選定は、市町村が実施主体である。
3.× 子育て世代包括支援センターの運営は、市町村が実施主体である。
4.〇 正しい。虐待通告を受けた児の支援内容の検討は、要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)が行う。個別ケース検討会議を開催し、支援の内容に関する協議を行う。
5.〇 正しい。居住実態を把握できない児の情報共有は、要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)が行う。

要保護児童対策地域協議会の業務内容

①代表者会議:年1~2回程度の開催で、各関係機関の責任者(管理職)レべルで連携を深め、実務者会議の円滑な運営の環境整備を行う。
②実務者会議:3か月に1回程度の開催で、実務者により、すべてのケースの定期的な状況確認、主担当機関の確認、支援方針の見直し等を行う。
③個別ケース検討会議:適時開催され、個別のケースについて、直接かかわっている担当者や今後かかわる可能性のある関係機関の担当者が、危険度や緊急度の判断、具体的な支援の内容を検討する。

 

 

 

 

 

27 レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)によって集計できる情報はどれか。2つ選べ。

1.がん検診受診率
2.主要死因別死亡数
3.入院外来別医療費
4.年齢階級別出生率
5.都道府県別BMI分布

解答3・5

解説

レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)とは?

レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)とは、①医療機関を受診した際に医療機関から保険者に対して発行される診療報酬明細書(レセプト)と、②40歳以上を対象に行われている特定健康診査・保健指導の結果からなるデータベースである。

1~2.4.× がん検診受診率/主要死因別死亡数/年齢階級別出生率は、含まれていない
3.〇 正しい。入院外来別医療費は、含まれている。なぜなら、NDBに含まれる診療報酬明細書の情報より、医療費が計算できるため。
5.〇 正しい。都道府県別BMI分布は、含まれている。なぜなら、NDBに含まれる特定健康診査の身長・体重の情報から、都道府県別BMI分布を算出することは可能であるため。

 

 

 

 

 

28 難病対策で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.医療費助成の患者負担割合は1割である。
2.都道府県は療養生活環境整備事業を実施できる。
3.居住地の都道府県内の医療機関は全て医療費助成の対象である。
4.軽症者でも高額な医療を継続する者は医療費助成の対象となる。
5.都道府県は難病相談支援センターの設置が義務付けられている。

解答2・4

解説

難病対策は、『難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)』、難病法に基づく厚生労働省令、難病対策事業に関する実施要綱に規定されている。

1.× 医療費助成の患者負担割合は、1割ではなく2割である。
2.〇 正しい。都道府県は、療養生活環境整備事業を実施できる。なぜなら、『難病法28条』に規定されているため。ちなみに、事業の具体的な内容は、療養生活環境整備事業実施要綱に規定されている。
3.× 居住地の都道府県内の医療機関は、全て医療費助成の対象とはならない。医療費助成の対象となる指定特定医療は、支給認定を受けた指定難病の患者に対し、都道府県が指定する医療機関が行う医療である。
4.〇 正しい。軽症者でも高額な医療を継続する者は、医療費助成の対象となる。医療費助成制度としてある。症状の程度が疾病ごとの重症度分類に該当しない軽症者であっても、高額な医療を継続する必要がある場合は、医療費助成の対象となる。
5.× 都道府県は、難病相談支援センターの設置の義務はない。『難病法』において、都道府県は難病相談支援センターを設置することができると規定されているのみである。

 

 

 

 

 

29 保健所管内の特別養護老人ホームの職員を対象に、結核に関する説明を行うことになった。
 説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.「高齢の結核患者は定型的な呼吸器症状がでます」
2.「患者が発生した際は施設長が保健所に発生届を提出します」
3.「新登録結核患者のうち70歳以上が占める割合は50 %未満です」
4.「排菌していない入所者は特別養護老人ホームへの入所を継続できます」
5.「65歳以上の入所者に対しては、定期健康診断を実施する義務があります」

解答4・5

解説

1.× 「高齢の結核患者は定型的な呼吸器症状がでます」とは言いにくい。なぜなら、若者・高齢者問わず、肺結核の場合、初期に特徴的な症状はなく、咳・痰・発熱(微熱)といった風邪と同じ症状が現れますのみであるため。高齢の結核は、定型的な呼吸器症状が出にくい。
2.× 患者が発生した際は、施設長ではなく、医師が保健所に発生届を提出する。結核の発生届は、結核を診断した医師が直ちに最寄りの保健所を経由して、都道府県知事に出さなければならない。
3.× 「新登録結核患者のうち70歳以上が占める割合は50 %未満です」とは言えない。なぜなら、日本の結核は高齢者に多く、平成28年における新規登録結核患者のうち、70歳以上が全体に占める割合は59.0%であるため。「データ引用:厚生労働省HP~平成29年 結核登録者情報調査年報集計結果について~
4.〇 正しい。「排菌していない入所者は、特別養護老人ホームへの入所を継続できます」という説明で正しい。なぜなら、排菌していなければ、原則として勧告入院の対象とはならないため。したがって、特別養護老人ホームなどの施設入所は継続できる。排菌とは、A結核を発病している人が、体の外に菌を出すことをいう。
5.〇 正しい。「65歳以上の入所者に対しては、定期健康診断を実施する義務があります」という説明で正しい。なぜなら、特別養護老人ホームの施設長は、65歳以上の入所者に対して年1回の結核の定期健康診断を行わなければならないと規定されているため。

 

 

 

 

 

30 災害対策基本法に示されている住民の責務はどれか。2つ選べ。

1.過去の災害から得られた教訓の伝承
2.避難行動要支援者名簿の作成
3.生活必需物資の備蓄
4.防災組織の充実
5.防災活動の促進

解答1・3

解説

『災害対策基本法』では、①住民の責務として生活必需物資の備蓄、②自発的な防災活動への参加、③過去の災害から得られた伝承などの努力義務が定められている。したがって、選択肢1.3.過去の災害から得られた教訓の伝承/生活必需物資の備蓄が正しい。

2.× 避難行動要支援者名簿の作成は、住民の責務ではない。『災害対策基本法』において、市町村長は避難行動要支援者名簿を作成する義務がある。「氏名・生年月日・性別・住所または居所,電話番号などの連絡先・避難支援を必要とする理由」などを記載する。
4.× 防災組織の充実は、住民の責務ではない市町村長は、自主的な防災組織の充実、住民の自発的な防災活動計画の促進を図り、市町村の有するすべての機能を十分に発揮するよう努力義務が定められている。
5.× 防災活動の促進は、住民の責務ではない。『災害対策基本法』の基本理念として、国・地方自治体が防災活動を促進することと定められている。

 

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