第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午後106~110】

 

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、女性、会社員)は、結婚後1年で夫と2人で暮らしている。仕事上の役割も増えている。次回月経予定日を2週過ぎても月経がみられないため、勤務先近くの産婦人科クリニックを受診した。月経周期は28日型で、最終月経は3月2日から4日間であった。診察の結果、妊娠と診断された。

106 3月と4月のカレンダーを示す。

本日、4月14日のAさんの妊娠週数および日数を最終月経から求めよ。
解説:妊娠①週②日
①:0~9
②:0~9

解答①6、②1

解説

妊娠の成立の定義として、最終月経の初日3月2日(月)を妊娠0週0日目とするため、7日間が経ち毎週月曜日になると、週数が1週、2週といったように増える。

つまり、3月9日(月)が1週0日目、3月16日(月)が2週0日目となる。

本日は4月14日(火)であり、3月2日(月)から数えると6週と1日経過している。

そのため、本日受診日は、妊娠6週と1日目となる。

 

 

 

 

 

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、女性、会社員)は、結婚後1年で夫と2人で暮らしている。仕事上の役割も増えている。次回月経予定日を2週過ぎても月経がみられないため、勤務先近くの産婦人科クリニックを受診した。月経周期は28日型で、最終月経は3月2日から4日間であった。診察の結果、妊娠と診断された。

107 Aさんは医師から妊娠していると説明を受けた。Aさんは看護師に「初めての妊娠でうれしい。でも、任されている大きなプロジェクトが続けられなくなるため悲しくて、妊娠しなければよかったと思います」と話す。
 この時期のAさんの心理状態で最も適切なのはどれか。

1.錯乱状態である。
2.他罰的な感情がある。
3.マタニティブルーズである。
4.アンビバレント<両価的>な感情がある。

解答4

解説

1.× 錯乱状態とは考えにくい。錯乱状態は、意識混濁、精神運動興奮、幻覚、その他に伴う複雑な意識障害の総称で、せん妄状態やもうろう状態も含む。 急性一過性精神病、急性器質性精神症候群、てんかん、ヒステリー、躁病などにみられる。
2.× 他罰的な感情とは考えにくい。他罰的(外罰的)とは、失敗や不幸などを自分ではなく、他人やまわりの環境などのせいにすること。
3.× マタニティブルーズとは考えにくい。マタニティブルーズは、出産直後から10日頃までの一時的な気分の抑うつ症状で、約25~30%の人が経験する。イライラする、ちょっとしたことで涙が出る、気分の変調を来たしやすいなどである。
4.〇 正しい。アンビバレント<両価的>な感情がある。妊娠を知った妊婦は、喜びを感じると同時に、親になることに対する戸惑いや、仕事を続けられるかといった不安感が高まり、2つの相反するアンビバレント(両価的)な感情が出現する。Aさんの発言はこれと合致する。

 

 

 

 

 

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、女性、会社員)は、結婚後1年で夫と2人で暮らしている。仕事上の役割も増えている。次回月経予定日を2週過ぎても月経がみられないため、勤務先近くの産婦人科クリニックを受診した。月経周期は28日型で、最終月経は3月2日から4日間であった。診察の結果、妊娠と診断された。

108 Aさんの次回の受診は4週後になった。Aさんは「数日前から朝起きたときやおなかがすいたときに吐き気がします。次の受診までに私の体にどのような変化が起こるのでしょうか」と話した。
 看護師のAさんに対する説明で最も適切なのはどれか。

1.「体がかゆくなります」
2.「おりものが多くなります」
3.「仰向けで寝ていると気分が悪くなります」
4.「下肢にけいれんが起こりやすくなります」

解答2

解説

1.× 体がかゆくなる(妊娠性掻痒)は、妊娠初期よりも中期に認める。妊娠中はホルモンの影響で、皮膚が乾燥し、皮膚の破綻を来たすことがある。乾燥が進むと、かゆみも強く感じる。妊娠中のエストロゲン増加に伴い、肝機能を抑制し胆汁酸が肝内や皮膚で増加することで、妊娠性皮膚掻痒症という全身に強い掻痒感が出現することもある。
2.〇 正しい。おりもの増加(妊娠性帯下)は、妊娠10週頃に認められ、粘稠度の多い、白色帯下が多くなる。また、エストロゲンの作用により膣分泌物が増加し、それによる不快感も増加する。妊娠中は胎児を細菌から守るため膣内の酸性度が高まっており、一般的に細菌繁殖はしにくい。
3.× 仰向けでの気分不快(仰臥位低血圧症候群)は、妊娠後期に起こる。増大した子宮が下大静脈を圧迫することで静脈還流量が減少し、心拍出量低下、低血圧が生じ、悪心、顔面蒼白、呼吸困難などが生じる。左側臥位をとることで圧迫が解消され、症状が改善する。
4.× 下肢にけいれんが起こりやすくなるのは、妊娠末期の症状である。筋肉疲労や下肢の冷えなどによる血液循環の悪化や、カルシウム不足によって起こる。運動、ストレッチやマッサージ、カルシウム摂取などにより予防する。

 

 

 

 

 

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
 Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。

109 Aさんは、診察室では多弁であった。また、ささいなことで怒り出し、自分は病気ではないと治療を受けることを拒否した。意識は清明で見当識障害はみられなかった。Aさんは双極性障害と診断され医療保護入院をすることになった。
 入院時のAさんのアセスメントで正しいのはどれか。

1.躁状態
2.緘黙状態
3.錯乱状態
4.せん妄状態

解答1

解説

1.〇 正しい。躁状態は、多弁・易怒性・不眠・浪費がみられる。Aさんの症状と一致する。
2.× 緘黙状態とは、言語能カや発声器官に問題はないが、心理的要因によって話すことができなくなる状態をいう。場面緘黙や選択性緘黙、全緘黙などがある。
3.× 錯乱状態とは、意識障害に精神運動興奮や幻覚・不安などを伴う状態である。もうろう状態・せん妄・アメンチアなどが該当する。ちなみに、アメンチアとは、軽い意識混濁とともに思考が混乱し、錯乱した状態のことである。
4.× せん妄状態とは、意識障害に精神運動興奮や幻覚・不安などを伴う状態であるが、急激に発症し日内変動が激しい。一過性で可逆的なものである。中毒、感染症、脳外傷、脳血管障害、老年痴呆などの身体疾患、器質性脳疾患にみられ心因性精神障害の際にもみられる。

 

 

 

 

 

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
 Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。

110 入院後2週が経過した。Aさんの携帯電話は母親が持ち帰っているため、Aさんは職場のことが気になると言って、毎日、病棟内の公衆電話から頻繁に会社の上司に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。
 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1.休養の必要性をAさんと再確認する。
2.仕事のことは考えないように伝える。
3.Aさんの上司にAさんの病状と行動との関連を説明する。
4.Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。

解答1

解説

1.〇 正しい。休養の必要性をAさんと再確認する。Aさんは易刺激的であり焦燥感も強いため、受容的かつ心身の安静が保たれるような介入が必要である。
2.× 仕事のことは考えないように伝える優先度は低い。なぜなら、仕事のことが気になるのはAさんにとって当たり前のことであるため。かえって、当たり前のことを制限するような対応は、患者を怒らせてしまう可能性が高い。
3.× Aさんの上司にAさんの病状と行動との関連を説明する優先度は低い。なぜなら、Aさんの上司に説明するのは守秘義務に反するため。会社から説明を求められたとしても、Aさん自身やAさんの家族に相談し、同意を得る必要がある。
4.× Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する優先度は低い。なぜなら、認知面など問題のないAさんのテレホンカードをナースステーションで管理しても何の問題解決にもならないため。また、繰状態の患者に対して安易に制限をすると、患者を刺激して怒らせてしまう。患者も納得できる手順を踏むのが望ましい。

 

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