11 不随意筋はどれか。
1.心筋
2.僧帽筋
3.大殿筋
4.ヒラメ筋
解答1
解説
不随意筋とは、主に自律神経の支配を受けていて自分の意志では動かすことができない筋肉のことである。ー方、随意筋とは、運動神経の支配を受けており、自分の意志で動かせる筋肉のことである。
1.〇 正しい。心筋は、不随意筋である。ちなみに、内臓や血管壁の筋肉など不随意筋の多くは平滑筋であるが、心筋は横紋筋である。
2.× 僧帽筋は、随意筋である。
3.× 大殿筋は、随意筋である。
4.× ヒラメ筋は、随意筋である。
12 特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックはどれか。
1.心原性ショック
2.出血性ショック
3.神経原性ショック
4.アナフィラキシーショック
解答4
解説
1.× 心原性ショックは、心機能不全により心拍出量が減少し、末梢循環不全をきたすことで起こるショックである。
2.× 出血性ショックは、血液の喪失により循環血液量が減少し、末梢循環不全をきたすことで起こるショックである。
3.× 神経原性ショックは、脊髄の損傷などにより交感神経系が抑制・遮断され、血管への神経支配が失われ末梢血管が弛緩し、血圧が低下するために起こるショックである。
4.〇 正しい。アナフィラキシーショックは、特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックである。アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応で起こるショックのことである。アナフィラキシーショックは、主にⅠ型アレルギー反応の結果、血管拡張や血管透過性の亢進による血漿漏出が生じ、循環血液量の減少をきたすことで起こる。
13 咳嗽が起こりやすいのはどれか。
1.右心不全
2.左心不全
3.心筋梗塞
4.肺梗塞
解答2
解説
咳噺は、気道に侵入してくる異物から、肺・気管・気管支を守るために行われる防御反応である。しかし、肺循環のうっ血(肺うっ血)によっても生じる。左心不全では、左心室からの心拍出量低下とともに、肺から心臓に血液が戻りにくくなって、肺のうっ血を個起こす。
1.× 右心不全では、全身の静脈系のうっ血をきたす。そのため、四肢末梢の浮腫・頚静脈怒張・肝腫大(肝うっ血)・腹水などが生じる。両心不全を合併しない限り肺うっ血は生じないため、咳嗽が起こりやすいとはいえない。
2.〇 正しい。左心不全は、咳嗽が起こりやすい。左心不全では、左室の拍出量が減少し、肺循環のうっ血(肺うっ血)が生じる。これによって、咳嗽、起坐呼吸、夜間呼吸困難、喘鳴、ピンク色の泡沫状喀痰などがみられる。
3.× 心筋梗塞では、強い胸痛、顔面蒼白、冷汗などの症状がみられる。
4.× 肺梗塞の典型的な症状は、呼吸困難と胸痛である。このほか、血痰、喀血、チアノーゼなども生じる可能性はあるが、咳嗽は起こりやすいとはいえない。
14 浮腫が生じやすいのはどれか。
1.甲状腺機能亢進症
2.過剰な運動
3.低栄養
4.熱中症
解答3
解説
浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起きることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。
1.× 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、前脛骨水腫という浮腫が生じることがあるが、選択肢の中にこれより浮腫が生じやすいものがある。ちなみに、甲状腺機能低下症であれば、症状として一般的に粘液水腫がみられる。これらの水腫は指で押しても痕が残らない非圧痕性浮腫である。
2.× 過剰な運動は、脱水・筋肉ポンプ作用などの要因により、浮腫は改善しやすく起こりにくい。
3.〇 正しい。低栄養は、浮腫が生じやすい。なぜなら、低栄養状態では、血中アルブミン濃度の低下(低アルブミン血症)が生じ、血漿膠質浸透圧が低下し、これにより血管内へ水分を引き留めておけなくなるため。
4.× 熱中症では、脱水状態となるため浮腫は起こしにくい。
①栄養摂取の不足(低栄養状態)。
②肝臓における蛋白質合成能の低下。
③腎臓から尿への蛋白質の大量喪失(ネフローゼ症候群)など。
15 貧血の診断に用いられるのはどれか。
1.血糖値
2.尿酸値
3.C反応性蛋白値
4.ヘモグロビン濃度
解答4
解説
1.× 血糖値は、糖尿病の診断に用いられる。
2.× 尿酸値は、高尿酸血症(痛風)の診断に用いられる。
3.× C反応性蛋白値(CRP)は、炎症反応の指標として用いられる。
4.〇 正しい。ヘモグロビン濃度は、貧血の診断に用いられる。なぜなら、ヘモグロビン濃度は、赤血球中の色素でありその濃度は赤血球量を反映するため。
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