第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午前26~30】

 

26 筋収縮で正しいのはどれか。

1.筋収縮はミオシンの短縮である。
2.アクチンにATP分解酵素が存在する。
3.α運動ニューロンは筋紡錘を興奮させる。
4.筋小胞体からカルシウムイオンが放出される。

解答4

解説

筋収縮の仕組み

①神経筋接合部に刺激が伝わり、運動神経終末からアセチルコリンが放出される。
②筋細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇して、アクチンとミオシンの滑り込みが起こる。
③筋肉が収縮する。

1.× 筋収縮は、ミオシンの短縮ではなく、アクチンがミオシンの間に滑り込むことである。アクチンもミオシンもそれ自体が短縮することはない。
2.× ATP分解酵素が存在するのは、アクチンではなくミオシン頭部である。これによりATPが分解され、筋収縮に必要なエネルギーが生み出される。
3.× 筋紡錘を興奮させるのは、α運動ニューロンではなくγ(ガンマ)運動ニューロンである。α運動ニューロンは、筋線維(錘外筋線維:筋肉の張力を感知する感覚装置)を支配し、実際の筋収縮に関与する。
4.〇 正しい。筋小胞体からカルシウムイオンが放出される。カルシウムイオンは筋小胞体中に貯蔵されており、筋収縮時に細胞質内へ放出される。これによるカルシウムイオンの濃度上昇が筋収縮の引き金となっている。その後、速やかに筋小胞体に取り込まれ、次の収縮に備えて貯蔵される。

 

 

 

 

 

27 血管に吻合がないのはどれか。

1.皮静脈
2.冠動脈
3.膝窩動脈
4.腸絨毛の毛細血管

解答2

解説

吻合(ふんごう)とは?

吻合とは、枝である血管同士の結合部分のことである。動脈同士の吻合がある場合は、一部の動脈枝の血流が滞っても、吻合する別の動脈枝から血液供給を受けられるため、血流が保たれる。一方、吻合がない動脈の血流が滞ると、そこから先の組織が壊死する。

1.× 皮静脈は、血管に吻合がある。動脈に伴行する深静脈に対して、皮下を走る静脈を皮静脈という。これにより、毛細血管を流れる血液量を調節している。
2.△ ほとんどの冠動脈は血管に吻合をもたないが、一部存在する機能的終動脈であり、血流が滞るとその先の組織は壊死する。本問は、吻合のない血管が問われているが、「吻合がない=吻合として機能していない」と解釈すれば、冠動脈が正答である。
3.× 膝窩動脈は、血管に吻合がある。これにより、関節の位置によらず末梢組織への血流が保たれる。
4.× 腸絨毛の毛細血管は、血管に吻合がある。これにより、栄養を効率よく吸収できる。

終動脈と機能的終動脈
  • 終動脈:吻合がない動脈のことで、脳・肺・網膜・脾臓・腎臓などでみられる。終動脈では、血流が滞ると血液が供給できなくなるため、そこから先の組織が壊死する。
  • 機能的終動脈:吻合があるものの、吻合による血液供給が不十分な動脈のこと。終動脈と同じく、血流が滞ると血液が供給できなくなる。

 

 

 

 

 

28 一次脱水でみられるのはどれか。

1.尿量の減少
2.血漿浸透圧の低下
3.バソプレシンの分泌の抑制
4.血漿ナトリウムイオン濃度の低下

解答1

解説

脱水とは、生体において体液量が減少した状態をいう。水やナトリウムの喪失が原因で起こる。この際、ナトリウムの喪失を伴わず水欠乏を起こす病態を高張性脱水(水欠乏性脱水)や一次脱水という。

 

1.〇 正しい。尿量の減少は、一次脱水でみられる。一次脱水は水が欠乏した高張性脱水で、血漿浸透圧が上昇するために抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌が亢進し、尿量は減少する。
2.× 血漿浸透圧の低下ではなく亢進する。なぜなら、血漿中の水が減少するため。
3.× バソプレシン(抗利尿ホルモン)の分泌の抑制ではなく亢進する。水欠乏に伴う血漿浸透圧の上昇と体液量の減少が受容体を介して、中枢性に感知され、下垂体後葉からバソプレシンの分泌が促進される。バソプレシンは、腎臓に作用し水の再吸収を促進して働く。
4.× 血漿ナトリウムイオン濃度の低下ではなく上昇する。なぜなら、血漿中の水が減少するため。

 

 

 

 

 

29 膵臓から分泌されるのはどれか。

1.ガストリン
2.カルシトニン
3.アルドステロン
4.ソマトスタチン

解答4

解説

1.× ガストリンは、から分泌されるホルモンである。胃酸分泌を促進する。
2.× カルシトニンは、甲状腺から分泌されるホルモンである。血液中のカルシウム濃度上昇によって分泌が促進され、カルシウム濃度を低下させる働きをする。
3.× アルドステロンは、副腎皮質から分泌されるホルモン(鉱質コルチコイド)である。腎臓の尿細管に作用してナトリウムの再吸収を促進する。
4.〇 正しい。ソマトスタチンは、①脳の視床下部、②膵臓のランゲルハンス島δ細胞(デルタ細胞)、③消化管の内分泌細胞(δ細胞)などから分泌されるホルモンである。インスリンやグルカゴンの分泌を抑制する作用を持つ。

 

 

 

 

 

30 男性生殖器について正しいのはどれか。

1.精巣は腹腔内にある。
2.精囊は精子を貯留する。
3.前立腺は直腸の前面に位置する。
4.右精巣静脈は腎静脈に流入する。

解答3

解説

1.× 精巣は、腹腔内ではなく陰嚢内にある。ただ、精巣は胎生期には腹腔内にある。出生時には陰嚢内に下降する。
2.× 精囊は、精子の貯留ではなく、精液のおおよそ70%を占める精嚢液を産生分泌する。ちなみに、精子を貯留しているのは精巣上体である。
3.〇 正しい。前立腺は直腸の前面に位置する。前立腺は、膀胱の足側にあり尿道を取り囲むように存在している。そのため、直腸指診で腹側で触知できる。
4.× 右精巣静脈は、腎静脈ではなくに下大静脈に直接流入する。ちなみに、左精巣静脈は左腎静脈に流入する。なぜなら、下大静脈と腹部大動脈の位置関係から、腎静脈の長さは、右側は非常に短く左側は長くなっているため。

 

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