第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午後26~30】

 

26 耳の感覚器と刺激との組合せで正しいのはどれか。

1.蝸牛管:頭部の回転
2.球形囊:頭部の傾き
3.半規管:鼓膜の振動
4.卵形囊:骨の振動

解答2

解説

1.× 蝸牛管は、頭部の回転ではなく、内耳にある聴覚を司る感覚器官である。鼓膜の振動は耳小骨に伝わり、卵円窓(前庭窓)から内耳の鍋牛管に伝わる。
2.〇 正しい。球形囊は、垂直方向の頭部の傾きを感知する器官である。球形嚢は、耳石器の一つで、内壁には平衡覚を受ける平衡斑がある。
3.× 半規管は、鼓膜の振動ではなく、平衡感覚、特に頭部の回転加速度を受容する。半規管は前半規管・後半規管・外側半規管の3つあり、あわせて三半規管という。半規管は内耳の前庭につながっている器官である。
4.× 卵形囊は、骨の振動ではなく、水平方向の頭部の傾きを感知する器官である。卵形囊は耳石器の一つで、内壁には平衡覚を受ける平衡斑がある。

 

 

 

 

 

27 血液型で正しいのはどれか。

1.日本人の15%はRh(-)である。
2.A型のヒトの血漿には抗B抗体がある。
3.B型のヒトの赤血球膜表面にはA抗原がある。
4.Coombs<クームス>試験でABO式の血液型の判定を行う。

解答2

解説

1.× 日本人ではなく、白人の15%はRh(-)である。ちなみに、日本人ではRh(-)は0.5%である。
2.〇 正しい。A型のヒトの血漿には抗B抗体がある。A型のヒトの赤血球膜にはA抗原、血漿には抗B抗体がある。また、A型のヒトの血漿には抗B抗体があるが、これは生後3~6ヵ月から産生され始める。一方、B型のヒトの血漿には抗A抗体が、O型のヒトの血漿には両方の抗体がある。AB型のヒトの血漿にはこれらの抗体がない。
3.× B型のヒトの赤血球膜表面には、A抗原ではなくB抗原がある。血漿には抗A抗体がある。ちなみに、A型のヒトの赤血球膜表面にはA抗原が、AB型のヒトの赤血球膜表面にはA抗原とB抗原がある。O型のヒトの赤血球はこれらの抗原をもたない。
4.× Coombs<クームス>試験では、抗免疫グロブリン抗体を用いて赤血球の細胞膜に免疫グロブリンが結合しているかを調べる。つまり、自己免疫性溶血性貧血の検査である。ちなみに、ABO式の血液型の判定は、オモテ試験ウラ試験を行う。

 

 

 

 

 

28 胃酸の分泌を抑制するのはどれか。

1.アセチルコリン
2.ガストリン
3.セクレチン
4.ヒスタミン

解答3

解説

1.× アセチルコリンは、胃酸の分泌を促進する。アセチルコリンは副交感神経から分泌され、胃壁細胞のムスカリン受容体に結合して胃酸を分泌させる。
2.× ガストリンは、胃酸の分泌を促進する。ガストリンは、胃幽門前庭部・十二指腸球部のG細胞から分泌され、胃壁細胞のガストリン受容体に結合して胃酸を分泌させる。
3.〇 正しい。セクレチンは、胃酸の分泌を抑制する。セクレチンは、十二指腸や空腸のS細胞から分泌され、胃酸分泌抑制・ガストリン分泌抑制作用がある。また、重炭酸イオンが多い膵液の分泌を促進する。
4.× ヒスタミンは、胃酸の分泌を促進する。ヒスタミンは、ECL細胞や肥満細胞から分泌され、胃壁細胞のヒスタミン受容体に結合して胃酸を分泌させる。

 

 

 

 

 

29 腎臓について正しいのはどれか。

1.腹腔内にある。
2.左右の腎臓は同じ高さにある。
3.腎静脈は下大静脈に合流する。
4.腎動脈は腹腔動脈から分かれる。

解答3

解説

1.× 腹腔内にない。腎臓は、壁側腹膜の後ろにある後腹膜臓器(腹膜後器官)である。ちなみに、腎臓の他に尿管・膀胱などの尿路はすべて後腹膜腔にある。そのため手術で腎臓を摘除する際には、側腹部斜切開で、腸管をまったく観察することなく摘除することも可能である。
2.× 左右の腎臓は、同じ高さではない。右側の腎臓は、一般的に左側よりもやや低い位置にある。なぜなら、右側の腎臓の頭側に肝臓があるため。
3.〇 正しい。腎静脈(左右ともに)は下大静脈に合流する。ちなみに、解剖学的位置関係から、右腎静脈は短く、左腎静脈は長くなる。通常1本であるが2~3本の腎静脈を認めることもある。
4.× 腎動脈は、腹腔動脈ではなく、腹部大動脈(左右ともに)から分かれる。通常左右1本ずつであるが、2~3本の腎動脈を認めることもある。

 

 

 

 

 

30 アポトーシスで正しいのはどれか。

1.群発的に発現する。
2.壊死のことである。
3.炎症反応が関与する。
4.プログラムされた細胞死である。

解答4

解説

細胞死とは?
  • 外部からの高度な傷害により細胞が破壊されて自己融解する病的・受動的な死(ネクローシス
  • 発生段階などで生理的に生じる自発的な死がある(アポトーシス)。

アポトーシス、アポプトーシス (apoptosis) とは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死のこと。

1.× 群発的に発現するのは、ネクローシスである。ネクローシス(壊死)では物理的・化学的な傷害により多数の細胞が一度に死滅する。一方、アポトーシスはプログラムされた細胞死ともいわれ、多細胞生物において管理・調節された細胞死であるので、群発的に発現するものではない。
2.× 壊死のことであるのは、ネクローシスである。壊死はネクローシスといい、細胞外から受ける障害によって起こる受動的な細胞死である。
3.× 炎症反応が関与するのは、ネクローシスである。壊死では細胞内容物が漏れ出すため炎症反応がみられるが、アポトーシスでは細胞内容物が漏れ出すことはないので炎症は起こらない。
4.〇 正しい。プログラムされた細胞死は、アポトーシスである。細胞の自発的な死のメカニズムが発動して死に至るため、プログラム細胞死と呼ばれることもある。

 

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