第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午後31~35】

 

31 感染性因子とその構成成分の組合せで正しいのはどれか。

1.細菌:核膜
2.真菌:細胞壁
3.プリオン:核酸
4.ウイルス:細胞膜

解答2

解説

1.× 細菌は、DNAをもっているが、核構造はなく核膜は存在しない(原核生物)。体内への定着には線毛や鞭毛、あるいは細胞表面の外膜タンパク質などが重要である。
2.〇 正しい。真菌は細胞壁をもつ。この細胞壁は免疫系食細胞の貧食や殺菌に抵抗性を示し、体内への定着に重要である。
3.× プリオンは、タンパク質であり、核酸や核膜、細胞膜といった構造は一切含まれていない
4.× ウイルスは、内部の核酸(DNAあるいはRNA)がカプシドやエンベロープに包まれているが、それらを細胞膜とは呼ばない。ウイルスの核酸だけを細胞内に入れてもウイルスの増殖が起こる場合もあり、核酸が重要である。ちなみに、ウイルスは、生きた細胞を利用して自己を複製させることのできる微生物である。構成要素は、タンパク質の殻とその内部にある核酸からなる。エンベロープという膜で包まれたウイルスもあるが、細胞膜はもたないのが特徴である。

感染性因子(病原体)と構成要素

感染性因子核酸(DNAやRNA)細胞膜細胞壁
真菌(真核生物)
細菌(原核生物)×
ウイルス×××
プリオン××××

 

 

 

 

 

32 日本の世帯構造の平成元年(1989年)から25年間の変化で正しいのはどれか。

1.単独世帯数は増加している。
2.平均世帯人数は増加している。
3.ひとり親と未婚の子のみの世帯数は2倍になっている。
4.65歳以上の者のいる夫婦のみの世帯数は2倍になっている。

解答1

解説

1.〇 正しい。単独世帯数は、増加している。平成元年の単独世帯数は786万6千世帯(20.0%)であったが、平成26年は1,366万2千世帯(27.1%)で増加している。
2.× 平均世帯人数は、増加ではなく減少している。平成元年の平均世帯人数は3.10人であったが、平成26年は2.49人で減少している。
3.× ひとり親と未婚の子のみの世帯数は、2倍には達していない。平成元年のひとり親と未婚の子のみの世帯数は198万5千世帯であったが、平成26年は357万6千世帯で、1.8倍となっている。
4.× 65歳以上の者のいる夫婦のみの世帯数は、2倍ではなく3倍以上となっている。平成元年の65歳以上の者のいる夫婦のみの世帯数は225万7千世帯であったが、平成26年は724万2千世帯で、3.2倍となっている。

国民生活基礎調査(厚生労働省)からデータ引用。

 

 

 

 

 

33 食品衛生法に定められていないのはどれか。

1.残留農薬の規制
2.食品添加物の規制
3.食品安全委員会の設置
4.ポジティブリスト制度の導入

解答3

解説

1.× 残留農薬の規制は、食品衛生法に定められている。残留農薬については、基準を定め、これを超えている食品は、販売のための製造・輸入・加工・使用・調理・保存・又は販売することができない。
2.× 食品添加物の規制は、食品衛生法に定められている。食品添加物として使用してよいものを指定添加物という。この基準に合わない添加物は、製造・加工・使用等ができない。
3.〇 正しい。食品安全委員会の設置は、食品衛生法に定められていない。食品安全委員会はとは、『食品安全基本法』により内閣府に設置されている食品のリスク評価を行う機関である。食品添加物や農薬などが人の健康に与える影響についてリスク評価を行う。
4.× ポジティブリスト制度の導入は、食品衛生法に定められている。ポジティブリスト制度とは、残留農薬等に関する新しい制度では、一定の量を超えて農薬等が残留する食品の販売等を原則禁止したうえで、例外的に使用・残留を認めるものをリストとして示すのことをいう。禁止するものだけをリスト化するネガティブリスト方式では、基準が設定されていないものを規制できないことから、『食品衛生法』ではポジティブリスト方式を採用している。

 

 

 

 

 

34 がん対策基本法で定められているのはどれか。

1.受動喫煙のない職場を実現する。
2.がんによる死亡者の減少を目標とする。
3.都道府県がん対策推進計画を策定する。
4.がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。

解答3

解説

1.× 受動喫煙のない職場を実現する(職場での受動喫煙の防止を定める)のは、『労働安全衛生法』である。
2.× がんによる死亡者の減少を目標とするのは、がん対策基本法に基づいて策定された『がん対策推進基本計画』の目標である。
3.〇 正しい。都道府県がん対策推進計画を策定するのは、『がん対策基本法』で定められている。これは、がんの予防及び早期発見の推進・がん医療の均てん化の促進等・研究の推進等を目標とする。ちなみに、都道府県がん対策推進計画は、がん対策推進基本計画とともに、がん対策基本法に定められている。
4.× がんと診断されたときからの緩和ケアを推進するのは、がん対策基本法に基づいて策定された『がん対策推進基本計画』の重点的に取り組む課題の一つである。また、がん患者の療養生活の質の維持向上は定められているが、緩和ケアの推進は定められていない。

 

 

 

 

 

35 患者と看護師との協働について適切なのはどれか。

1.患者が目標達成できるよう支援する。
2.治療に関する情報は看護師が占有する。
3.看護計画は看護師の視点を中心に立案する。
4.ケアは看護師の業務予定に基づき実施する。

解答1

解説

1.〇 正しい。患者が目標達成できるよう支援する。看護師には、患者個人にとって何が最もよいことかを患者の立場から考え、患者の自己決定を支え、ときにはそれを代弁するなど、患者の権利擁護者[アドボケイト・アドボケーター]としての役割も求められている。
2.× 治療に関する情報は、看護師が占有することはしない。治療に関する情報は、患者や家族と共有する。
3.× 看護計画は、看護師の視点を中心に立案することはしない。看護計画は、患者本人の意思や自己決定を尊重して立案する。
4.× ケアは、看護師の業務予定に基づき実施することはしない。ケアは看護師の業務予定に合わせて実施するのではなく、ケアの優先順位や患者の状態にあわせて実施する。

 

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