第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午前36~40】

 

36 高齢者が趣味の絵画を地区の展覧会に発表したいという欲求はどれか。

1.自尊の欲求
2.所属の欲求
3.安全の欲求
4.生理的欲求

解答1

解説

 

1.〇 正しい。自尊の欲求とは、自分が他者から価値のある存在である・尊敬されたいという欲求である。趣味の発表といった欲求はこれにあたるといえる。第4段階である。
2.× 所属の欲求とは、他人と関わりたい、他人と同じようにしたいという欲求や、家族・会社・国家などに帰属したいという欲求をいう。第3段階である。
3.× 安全の欲求とは、衣類・住居などや、危険の回避など安定・安全な状態を得ようとする欲求をいう。第2段階である。
4.× 生理的欲求とは、食欲・性欲・睡眠欲などの欲求で、生命維持に影響を及ぼしかねない根源的な欲求をいう。第1段階である。

 

 

 

 

 

37 根拠に基づいた看護(EBN)で最も適切なのはどれか。

1.患者の好みは参考にしない。
2.先輩看護師の行動を模倣する。
3.研究論文の有用性を検討する。
4.既存の看護業務基準を遵守する。

解答3

解説

1.× 患者の好みは参考する。根拠に基づいた看護(EBN)とは直接関係はないが、患者の好みを参考にすることは、患者の個別性に合わせたケアを提供することにつながる。
2.× 先輩看護師の行動を模倣する必要はない。なぜなら、科学的根拠(エビデンス)に基づき看護を実施する目的は,看護師の個人的な経験や慣習などに依存したものではないため。
3.〇 正しい。研究論文の有用性を検討する。科学的根拠(エビデンス)に基づき看護を実施する目的は、科学的に検証された最新の研究成果に基づいて看護を実践することである。その結果、看護ケアの質が保証される。
4.× 既存の看護業務基準を遵守する行為そのものは誤りとはいえないが、根拠に基づいた看護(EBN)で正しいとはいえない。なぜなら、この看護業務基準が、科学的に検証された最新の研究成果に基づいて作成されたものか定かではなく、最新の研究結果で変わる可能性があるため。

 

 

 

 

 

38 患者の状態と看護師のコミュニケーションの方法との組合せで正しいのはどれか。

1.構音障害:発音を促す
2.聴力障害:後方から声をかける
3.認知症:患者のペースに合わせて話す
4.失語:言葉の誤りを繰り返し訂正する

解答3

解説

1.× 構音障害は、発音を促すのではなく文字ボードなど代替できる用具などを使用することが多い。なぜなら、構音障害とは、発語・発声に関与する神経・筋系の障害であり、言語の理解は正常であるが正しく発語できない状態であるため。リハビリテーションの一環として発音を促すことはあるが、コミユニケーションの方法としては負担がかかるため不適切である。
2.× 聴力障害は、後方から声をかけるのではなく本人と向かい合い、注意を向けてもらってから、相手の表情を見つつ大きすぎない声で、ゆっくりはっきりと話すと良い。なぜなら、聴力障害がある患者には、後方から声をかけても聞こえないことが多いため。
3.〇 正しい。認知症は、患者のペースに合わせて話すとよい。そうすることで、自身の思いを語ってもらえやすくなるため。また、基本的に否定用語は用いず、共感・受容的な態度で話すことが重要である。
4.× 失語は、言葉の誤りを繰り返し訂正する必要はない。なぜなら、言葉の誤りを繰り返し訂正することは自尊心を傷つけることになるため。失語には、ブローカ失語(運動性失語)とウェルニッケ失語(感覚性失語)があるが、いずれの場合も適切ではない。

 

 

 

 

 

39 フィジカルアセスメントにおいて触診で判断するのはどれか。

1.腱反射の有無
2.瞬目反射の有無
3.腸蠕動運動の有無
4.リンパ節の腫脹の有無

解答4

解説

1.× 腱反射の有無は、打腱器を用いる。打腱器を用いて腱を直接叩いて確認する。
2.× 瞬目反射の有無は、こよりなど柔らかい物で角膜を刺激する。
3.× 腸蠕動運動の有無は、腹部に聴診器を当て腸嬬動音を聴取して確認する。
4.〇 正しい。リンパ節の腫脹の有無は、リンパ節に直接触れて確認するため、触診である。

 

 

 

 

 

40 針刺し事故対策で最も適切なのはどれか。

1.針刺し部位を消毒液に浸す。
2.注射針のリキャップを習慣化する。
3.事故の当事者を対象にした研修を行う。
4.使用済みの針は専用容器に廃棄することを徹底する。

解答4

解説

1.× 針刺し部位を消毒液に浸す必要はない。なぜなら、患者に感染症がある場合には、血液曝露による感染の危険性があり、患者の血液はすでに体内に循環し、皮膚を消毒しても無効であるため。この場合は、すぐに血液を十分に絞り出し、流水で洗った後に、所属部署の管理者などに速やかに報告する必要がある。
2.× 注射針のリキャップは禁止すべきである。なぜなら、使用後の注射針は、針刺し事故を防ぐため。そのため、リキャップせずにその場で専用の廃棄容器に捨てる。
3.× 事故の当事者ではなく、病院全体を対象にした研修を行う。なぜなら、当事者以外にも起こる可能性のある事故であるため。注射針を扱うすべての者に向けて研修や注意喚起を行っていく必要がある。
4.〇 正しい。使用済みの針は、専用容器に廃棄することを徹底する。針刺し事故を予防するうえで、有効な対策である。

 

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