第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午後36~40】

 

36 Aさん(56歳、男性)は、脳梗塞の後遺症のためにリハビリテーションをしている。食事中に箸がうまく使えずイライラしている。
 この状況で看護師が最も連携すべき専門職はどれか。

1.精神保健福祉士
2.社会福祉士
3.理学療法士
4.作業療法士

解答4

解説

1.× 精神保健福祉士との優先度は低い。なぜなら、精神保健福祉士とは、『精神保健福祉士法』に基づき、精神障害者に対する相談援助などの社会福祉業務に携わる専門職であるため。つまり、精神的な障害のある人に対して、日常生活がスムーズに営めるように支援したり、社会参加に向けた支援活動をする。
2.× 社会福祉士との優先度は低い。なぜなら、社会福祉士とは、『社会福祉士及び介護福祉士法』に基づき、身体上・精神上の障害があり日常生活を営むのに支障がある人の福祉に関する相談に対して助言や指導・援助を行う専門職であるため。つまり、病気や障害によって、日常の生活が困難になった人の相談を受け、サポートする役割がある。
3.× 理学療法士との優先度は低い。なぜなら、理学療法士とは、医師の指示のもとに治療体操や運動・マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて、運動機能の回復を目的とした治療法・物理療法(理学療法)を行う専門職であるため。つまり、関節可動域や筋力の向上などが役割である。
4.〇 正しい。作業療法士との優先度は高い。なぜなら、作業療法士とは,医師の指示のもとに手工芸・芸術・遊びやスポーツ・日常動作などを行うことにより、障害者の身体運動機能や精神心理機能の改善を目指す治療(作業療法)を行う専門職であるため。つまり、食事動作等、日常生活動作の回復が役割である。

 

 

 

 

 

37 Aさん(80歳、女性)は、肺炎で入院して持続点滴中である。消灯時、訪室すると「体がだるくて眠れない」と訴えている。
 Aさんへの入眠に向けた援助で最も適切なのはどれか。

1.テレビをつける。
2.足浴を実施する。
3.そのまま様子をみる。
4.睡眠薬を処方してもらう。

解答2

解説

1.× テレビをつける必要はない。なぜなら、テレビの強い光は交感神経を刺激して覚醒を促すことになり、睡眠への導入とは逆の効果を生む可能性が高いため。
2.〇 正しい。足浴を実施する。なぜなら、足浴の温熱効果で足が温まると副交感神経が優位になり、緊張がとけてリラックスできるため。したがって、自然な入眠を促すことにつながると考えられる。
3.× そのまま様子をみるのは効果的ではない。なぜなら、Aさんはだるさと不眠を訴えており、何かしらの介入が必要であると考えらえれるため。何もしてもらえないと孤独を感じ、かえって症状が増強し眠れなくなるおそれが高い。
4.× 睡眠薬を処方してもらう必要はない。なぜなら、入眠できないと訴える患者に対しての第一選択としては安易な考えとなるため。睡眠薬は、副作用から転倒などの危険があるため、安易に使用せず、よく検討する必要がある。医師と相談のうえ、必要時には睡眠薬の使用を検討する。

 

 

 

 

 

38 ベッド上での排便の介助時に使用した手袋を手から取り外すタイミングで適切なのはどれか。

1.肛門周囲の便を拭き取った後
2.排便後の患者の寝衣を整えた後
3.ベッド周囲のカーテンを開けた後
4.使用した物品を汚物処理室で片づけた後

解答1

解説

1.〇 正しい。肛門周囲の便を拭き取った後が適切である。なぜなら、スタンダード・プリコーション(標準予防策)は、汗を除くすべての湿性生体物質を感染源とみなす考え方であり、便は感染源であるため。したがって、便により手袋は汚染されていると考え、ほかの物に触れる前に取り外すのが適切である。
2~4.× 排便後の患者の寝衣を整えた後/ベッド周囲のカーテンを開けた後/使用した物品を汚物処理室で片づけた後は、不適切である。なぜなら、介助時に付着した便(感染源)が周囲に付着する可能性があるため。

 

 

 

 

 

39 臥床患者の安楽な体位への援助として適切なのはどれか。

1.同一体位を5時間程度保持する。
2.仰臥位では膝の下に枕を入れる。
3.側臥位では両腕を胸の前で組む。
4.腹臥位では下腿を挙上する。

解答2

解説

体位変換の目的
  1. 苦痛の緩和
  2. 褥瘡の予防
  3. 局所血流の改善
  4. 気道分泌物の喀痰促進
  5. 関節拘縮・変形の予防など。

1.× 同一体位を5時間程度の保持ではなく、2時間以上保持しないことが望ましい,なぜなら、褥瘡予防の観点から。
2.〇 正しい。仰臥位では膝の下に枕を入れる。なぜなら、仰臥位の場合、ベッドと身体のすきまを埋めることで、体圧が分散され、褥瘡予防にもつながるため。また、下肢を伸展した状態が続くと腰痛を起こしやすいため。膝下に枕を入れて膝を軽く曲げる状態を作ると腰への負担が軽減し、腰痛になりにくくなる。
3.× 側臥位では両腕を胸の前で組む必要はない。体幹の下敷きにならないように注意を払いながら、下になった側の肘と肩への負担を軽減させるために、下になった上肢は肘を曲げて、手を顔の前に持ってくるようなポジショニングとする。ちなみに、仰臥位から側臥位に体位を変換する際には、両腕を胸の前で組み身体が回転しやすいようにする。しかし、側臥位になってからも組み続ける必要はない。
4.× 腹臥位では下腿を挙上する必要はない。なぜなら、腹臥位の時に下腿を拳上させると腰部への負担が大きくかかるため。ちなみに、下垂足(尖足)予防のために下腿の下に枕などを入れて調整することもあるが、必ずしも拳上するわけではない。

 

 

 

 

 

40 嚥下障害のある患者の食事の開始に適しているのはどれか。

1.白湯
2.味噌汁
3.ゼリー
4.煮魚

解答3

解説

1.× 白湯は、嚥下障害のある患者の食事の開始には不適切である。なぜなら、白湯などの水分は、凝集性がなく、むせやすく誤嚥しやすいため。
2.× 味噌汁は、嚥下障害のある患者の食事の開始には不適切である。なぜなら、味噌汁などの汁物(白湯と同様)は、凝集性がなく、誤嚥しやすいため。また、具も固形物であるため、飲み込みにくく、嚥下障害のある患者の食事には適さない。このように水分が多い汁物は、とろみ調整食品(増粘剤)を使用し調整することが多い。
3.〇 正しい。ゼリーは、嚥下障害のある患者の食事の開始には適切である。なぜなら、ゼリー(ゼラチンで固めた食品)は、軟らかく均質で凝集性のあるため。代表的な嚥下食である。
4.× 煮魚は、嚥下障害のある患者の食事の開始には不適切である。なぜなら、煮魚は固形食であり、また均質性(きんしつせい:材料の性質が位置によらず一定のものをいう)が保ちにくいため嚥下障害のある患者の最初の食事には適さない。

 

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