第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午前41~45】

 

41 片麻痺のある患者の歩行介助で正しいのはどれか。

1.患者の患側に立つ。
2.靴底は摩擦が少ないものを準備する。
3.杖を使用する場合は杖を持つ側で介助する。
4.階段を昇る場合は患側下肢から昇るように指導する。

解答1

解説

1.〇 正しい。患者の患側に立つ。なぜなら、片麻痺のある患者は患側に倒れやすいため。
2.× 靴底は、摩擦が少ない(滑りやすい)ものではなく、大きい(滑りにくい)ものを準備する。なぜなら、片麻痺のある患者はバランスを崩しやすいため。
3.× 杖を使用する場合は、杖を持つ側(非麻痺側)ではなく杖を持たない側(麻痺側)で介助する。
4.× 階段を昇る場合は、患側下肢(麻痺側)からではなく健側下肢(非麻痺側)から昇るように指導する。なぜなら、階段を昇る場合、先に踏み出す側の下肢に関節の可動性や筋力が必要となるため。

 

 

 

 

 

42 冷罨法の目的はどれか。

1.腸蠕動の促進
2.筋緊張の除去
3.機能訓練の前処置
4.局所の炎症の抑制

解答4

解説

1~3.× 腸蠕動の促進/筋緊張の除去/機能訓練の前処置は、温罨法の目的である。
4.〇 正しい。局所の炎症の抑制は、冷罨法の目的であり、炎症を抑える作用がある。

 

 

 

 

 

43 胃洗浄を行うときの体位で最も適切なのはどれか。

1.仰臥位
2.腹臥位
3.左側臥位
4.右側臥位

解答3

解説

左側臥位で、頭側を15度程度まで低くした体位(もしくは足側を15度程度挙上した位置)が好ましい。なぜなら、胃の幽門側を高くすることで、胃内容物の流出を防いで洗浄の効率が上がるため。さらに、この体位は嘔吐した場合の誤嚥も防ぎやすい。また、両下肢は屈曲位にすることにより腹壁の緊張が低い状態に保たれる。したがって、選択肢3.左側臥位が正しい。

 

 

 

 

 

44 Aさん(59歳、男性)は、糖尿病で内服治療中、血糖コントロールの悪化を契機に膵癌と診断され手術予定である。HbA1c7.0%のため、手術の7日前に入院し、食事療法、内服薬およびインスリンの皮下注射で血糖をコントロールしている。Aさんは、空腹感とインスリンを使うことの不安とで、怒りやすくなっている。
 Aさんに対する説明で適切なのはどれか。

1.「手術によって糖尿病は軽快します」
2.「術後はインスリンを使用しません」
3.「少量であれば間食をしても大丈夫です」
4.「血糖のコントロールは術後の合併症を予防するために必要です」

解答4

解説

1~2.× 手術によって糖尿病は軽快するものではない。むしろ、膵臓を切除するとインスリン分泌能が低下するため、糖尿病は増悪する可能性がある。したがって、術後もインスリンが必要となる可能性が高い(選択肢2)。
3.× 少量であっても間食をするべきではない。なぜなら、Aさんは手術のために入院して食事療法を受け、血糖をコントロールしているため。
4.〇 正しい。血糖のコントロールは、術後の合併症を予防するために必要である。なぜなら、血糖のコントロールができていないと術後の創の治りが悪くなったり、感染症にかかりやすくなったりするため。また、インスリンを使うことへの不安を感じているため、術後の合併症の予防のために血糖コントロールが必要であることを説明することは適切である。

 

 

 

 

 

45 冠動脈バイパス術<CABG>後5時間が経過したとき、心囊ドレーンからの排液が減少し、血圧低下と脈圧の狭小化とがあり、「息苦しい」と患者が訴えた。
 最も考えられるのはどれか。

1.肺梗塞
2.不整脈
3.心筋虚血
4.心タンポナーデ

解答4

解説

1.× 肺梗塞は考えにくい。なぜなら、突発的な呼吸困難と胸痛、心嚢ドレーンからの排液の減少との関係性が低いため。肺梗塞は、長期臥床などによって生じた下肢深部静脈血栓が遊離し、肺動脈を閉塞することにより生じる。
2.× 不整脈は考えにくい。なぜなら、心嚢ドレーンからの排液の減少との関係性が低いため。冠動脈バイパス術<CABG>後にみられる不整脈として、心房細動(AF)や心室頻拍(VT)などがある。主な症状は、動悸の自覚・血圧低下などである。
3.× 心筋虚血は考えにくい。なぜなら、心嚢ドレーンからの排液の減少との関係性が低いため。心筋虚血は、バイパス血管の閉塞により生じる。
4.〇 正しい。心タンポナーデは最も考えられる。術直後におけるドレーンからの排液の減少は、ドレーンの閉塞を意味する。これにより増加した心膜液(心嚢液)が心臓を圧迫し、血圧低下と脈圧の狭小化(心タンポナーデ)を生じさせたと考えられる。

 

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