第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午前61~65】

 

61 精神保健法から精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律への改正で行われたのはどれか。

1.私宅監置の廃止
2.任意入院の新設
3.通院医療公費負担制度の導入
4.精神障害者保健福祉手帳制度の創設

解答4

解説

『精神保健法』から『精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律(精神保健福祉法)』へ題名改正・内容改正になったのは、平成7(1995)年である。

 

1.× 私宅監置の廃止は、昭和25(1950)年の『精神衛生法』で制定された。
2.× 任意入院の新設は、昭和62(1987)年の『精神保健法』で制定された。
3.× 通院医療公費負担制度の導入は、昭和40(1965)年の『精神衛生法』の改正においてである。
4.〇 正しい。精神障害者保健福祉手帳制度の創設は、『精神保健法』から『精神保健福祉法』への改正(平成7年)においてである。この制度は、精神障害者の社会復帰の促進と自立と社会参加の促進を図ることを目的としている。

 

 

 

 

 

62 介護保険被保険者で介護保険による訪問看護が提供されるのはどれか。

1.脳血管疾患
2.末期の結腸癌
3.脊髄小脳変性症
4.進行性筋ジストロフィー

解答1

解説

訪問介護の保険体制

訪問看護には、①医療保険によるものと②介護保険によるものがある。
①介護保険被保険者は、原則として介護保険から訪問看護を受ける。
①「厚生労働大臣が定める疾病等」のときは、医療保険となる。

1.〇 正しい。脳血管疾患は、「厚生労働大臣が定める疾病等」ではないため、原則どおり介護保険による訪問看護となる。
2~4.× 末期の結腸癌/脊髄小脳変性症/進行性筋ジストロフィーは、「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当するため、医療保険が優先される。

厚生労働大臣が定める疾病等
  1. 末期の悪性腫瘍
  2. 多発性硬化症
  3. 重症筋無力症
  4. スモン
  5. 筋萎縮性側索硬化症
  6. 脊髄小脳変性症
  7. ハンチントン病
  8. 進行性筋ジストロフィー症
  9. パーキンソン病関連疾患・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。)
  10. 多系統萎縮症・線条体黒質変性症・オリーブ橋小脳萎縮症・シャイ・ドレーガー症候群
  11. プリオン病
  12. 亜急性硬化性全脳炎
  13. ライソゾーム病
  14. 副腎白質ジストロフィー
  15. 脊髄性筋萎縮症
  16. 球脊髄性筋萎縮症
  17. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  18. 後天性免疫不全症候群
  19. 頸髄損傷
  20. 人工呼吸器を使用している状態

 

 

 

 

 

63 訪問看護ステーションの管理・運営について正しいのはどれか。

1.事務所を設置する必要はない。
2.訪問看護の利用回数の調整は市町村が行う。
3.利用者が希望すれば訪問看護の記録を開示する。
4.利用者とのサービス契約後に重要事項を説明する。

解答3

解説

1.× 事務所を設置しなければならない。「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」にて、訪問看護ステーションの事務室の設置が規定されている。
2.× 訪問看護の利用回数の調整は、市町村ではなく①介護保険の場合、利用回数は限度額の範囲で介護支援専門員(ケアマネジャー)または療養者本人が利用者と相談して決め、②医療保険の場合は主治医の判断で決め、自費の場合は利用者との相談で決める。
3.〇 正しい。利用者が希望すれば訪問看護の記録を開示する。個人情報保護法や医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインに基づき、利用者の申請があれば訪問看護記録を開示しなければならない。
4.× 利用者とのサービス契約後ではなく契約前に、重要事項を説明する。利用者との契約にあたっては、重要事項説明書・利用契約書・緊急時訪問看護加算などについて同意書を用いて説明を十分に行い、利用者の理解と納得のうえに契約を行う。

 

 

 

 

 

64 医療安全と関連する方法の組合せで誤っているのはどれか。

1.院内感染対策:プライマリナーシング
2.事故防止対策:インシデントレポート
3.医療の質の保証:クリニカルパス
4.手術時の安全対策:タイムアウト

解答1

解説

1.× 誤っている。院内感染対策は、スタンダードプリコーションである。プライマリーナーシングとは、1人の患者の入院から退院までを、特定の看護師が継続して受け持つ看護方式である。患者との関係が深まりやすく、個別性に応じたケアができるメリットはある。
2.〇 正しい。事故防止対策に、インシデントレポートを用いる。インシデントレポートは、医療事故の原因分析および再発防止のための資料として用いられている。
3.〇 正しい。医療の質の保証に、クリニカルパスを用いる。クリニカルパス(標準治療計画)とは、標準的で質の高い医療を効率的に患者に提供するために、入院から退院に至るまでの治療・ケア項目などを表にまとめたものである。在院日数の短縮化や効率的な治療・看護の提供は、医療の質の向上につながる。
4.〇 正しい。手術時の安全対策に、タイムアウトを用いる。タイムアウトとは、手術にかかわる医師や看護師などのメンバー全員が、いっせいに手を止めて患者および手術部位を確認しあうことである。手術患者や手術部位の誤認防止を目的としており、手術時の安全対策のひとつである。

 

 

 

 

 

65 診療情報を第三者に開示する際、個人情報の保護として正しいのはどれか。

1.死亡した患者の情報は対象にならない。
2.個人情報の利用目的を特定する必要はない。
3.特定機能病院では本人の同意なく開示できる。
4.法令に基づく保健所への届出に関して本人の同意は不要である。

解答4

解説

1.× 死亡した患者の情報も対象となる
2.× 個人情報の利用目的を予め具体的に特定する必要がある
3.× 特定機能病院では、本人の同意なく開示することはできない。診療情報の第三者への開示は、原則として本人の同意が必要である。特定機能病院が適用除外になることを定める条文はない。
4.〇 正しい。法令に基づく保健所への届出に関して本人の同意は不要である。特定の感染症の患者を診断した場合など、法令に基づき保健所への届出義務があるものについては、本人の同意は必要ない。

 

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