71 ビタミンの欠乏とその病態との組合せで正しいのはどれか。
1.ビタミンA:壊血病
2.ビタミンB1:代謝性アシドーシス
3.ビタミンC:脚気
4.ビタミンD:悪性貧血
5.ビタミンE:出血傾向
解答2
解説
1.× ビタミンA欠乏は、夜盲症の原因となる。ちなみに、壊血病はビタミンC欠乏が原因で起こる。
2.〇 正しい。ビタミンB1は、代謝性アシドーシスが起こる。ビタミンB1を併用せずに高カロリー輸液を行うと、ピルビン酸が代謝できなくなり、重篤な代謝性アシドーシスを引き起こすことがある。そのため、高カロリー輸液を行う際は、必ずビタミンB1を併用する。また、このほかビタミンB1欠乏の代表的な症状として、脚気、ウェルニッケ脳症がある。
3.× ビタミンCは、欠乏すると壊血病を引き起こす。壊血病は毛細血管が脆弱になり、全身の皮下や歯肉、関節内に出血が起こりやすくなる疾患である。ちなみに、脚気はビタミンB1欠乏が原因で起こる。
4.× ビタミンDは、欠乏するとくる病(乳幼児や小児)、骨軟化症(骨軟化症)の原因となる。ちなみに、悪性貧血はビタミンB12の欠乏で起こる。
5.× ビタミンEは、欠乏すると溶血性貧血などが起こる。ちなみに、出血傾向は、ビタミンK欠乏が原因で起こる.。
72 日本人の食事摂取基準(2015年版)で、身体活動レベルⅠ、70歳以上の男性の1日の推定エネルギー必要量はどれか。
1.1,450kcal
2.1,850kcal
3.2,000kcal
4.2,200kcal
5.2,500kcal
解答2
解説
1.× 1,450kcalは、身体活動Ⅱの6~7歳の女性の推定エネルギー必要量である。
2.〇 正しい。1,850kcalは、身体活動レベルⅠの70歳以上の男性の推定エネルギー必要量である。
3.× 2,000kcalは、身体活動Ⅱの30~49歳の女性の推定エネルギー必要量である。また、身体活動Ⅲの70歳以上の女性の推定エネルギー必要量でもある。
4.× 2,200kcalは、身体活動Ⅱの70歳以上の男性の推定エネルギー必要量である。
5.× 2,500kcalは、身体活動Ⅲの70歳以上の男性の推定エネルギー必要量である。
推定エネルギー必要量(kcal/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||||
身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
1~2(歳) | ー | 950 | ー | ー | 900 | ー |
3~5(歳) | ー | 1300 | ー | ー | 1250 | ー |
6~7(歳) | 1350 | 1550 | 1750 | 1250 | 1450 | 1650 |
8~9(歳) | 1600 | 1850 | 2100 | 1500 | 1700 | 1900 |
10~11(歳) | 1950 | 2250 | 2500 | 1850 | 2100 | 2350 |
12~14(歳) | 2300 | 2600 | 2900 | 2150 | 2400 | 2700 |
15~17(歳) | 2500 | 2850 | 3150 | 2050 | 2300 | 2550 |
18~29(歳) | 2300 | 2650 | 3050 | 1650 | 1950 | 2200 |
30~49(歳) | 2300 | 2650 | 3050 | 1750 | 2000 | 2300 |
50~69(歳) | 2100 | 2450 | 2800 | 1650 | 1900 | 2200 |
70歳以上 | 1850 | 2200 | 2500 | 1500 | 1750 | 2000 |
73 触診法による血圧測定で適切なのはどれか。
1.血圧計は患者の心臓の高さに置く。
2.マンシェットの幅は上腕全体を覆うサイズを選ぶ。
3.150mmHgまで加圧して減圧を開始する。
4.加圧後に1拍動当たり2〜4mmHgずつ減圧する。
5.減圧開始後に初めて脈が触知されたときの値を拡張期血圧とする。
解答4
解説
血圧とは、心臓のポンプ作用により血液が全身に送り出されるときに生じる動脈壁に加わる圧力である。
1.× 患者の心臓の高さに置くのは、血圧計ではなく、マンシェットの位置である。血圧計を置く位置で、血圧値に影響しないが、血圧計は看護師の目線と水平になるようにすることが大切である。ちなみに、マンシェットの位置が心臓よりも低いと、血圧値が本来の値よりも高くなる。
2.× マンシェットの幅は、上腕全体を覆うサイズを選ぶのではなく、成人では14cmが目安である。これは、上腕周囲の約40%の長さに相当する。つまり、上腕全体を覆う必要はない。マンシェットは、上腕動脈の上にゴム嚢の中心の位置がくるように巻く。ちなみに、マンシェットの幅が広すぎると血圧値は本来の値よりも低く、狭いと高くなる傾向がある。
3.× 減圧を開始するのは、150mmHgまで加圧してからと決まっているわけではない。橈骨動脈が触知されなくなってから、さらに20~30mmHg程度、加圧してから減圧を開始する。
4.〇 正しい。加圧後に1拍動当たり2〜4mmHgずつ減圧する。なぜなら、減圧速度が速すぎると血圧は低く測定されるため。
5.× 減圧開始後に初めて脈が触知されたときの値は、拡張期血圧ではなく、収縮期血圧である。ちなみに、拡張期血圧は、脈が触知している状態から触知できなくなった値である。
74 待機的に行う食道静脈瘤硬化療法について正しいのはどれか。
1.全身麻酔下で行う。
2.前日に下剤を内服する。
3.治療後48時間の安静が必要である。
4.治療翌日の朝から常食を開始する。
5.治療後に胸部痛が出現する可能性がある。
解答5
解説
食道静脈癌硬化療法は、出血予防を目的に内視鏡下で静脈癌内に薬剤を注入する術式である。
1.× 全身麻酔下ではなく、局所麻酔で行う。一般的に食道静脈癌硬化療法は内視鏡室で行い、麻酔は使うとしても鎮静薬の静脈投与(局所麻酔)である。
2.× 前日に下剤を内服する必要はない。なぜなら、下部消化管とは無関係であるため。当日朝からの絶食で十分である。
3.× 治療後48時間の安静は必要ない。なぜなら、麻酔から回復すれば術後は歩行も可能であるため。
4.× 治療翌日の朝からは、常食ではなく流動食から開始する。なぜなら、翌日は出血のリスクがまだ高い時期であるため。飲水から開始し、徐々に食上げを行っていく必要がある。
5.〇 正しい。治療後に胸部痛が出現する可能性がある。食道静脈瘤硬化療法後の合併症として、胸痛・発熱・食道潰瘍・食道狭窄などがある。
75 老人性白内障の症状で正しいのはどれか。
1.涙が流れ出る状態が続く。
2.小さい虫が飛んでいるように見える。
3.明るい場所ではまぶしくてよく見えない。
4.遠見視力は良好であるが近見視力は低下する。
5.暗い部屋に入ると目が慣れるのに時間がかかる。
解答3
解説
1.× 涙が流れ出る状態が続くのは、流涙症(鼻涙管狭窄症)の症状である。原因として、涙道狭窄または閉塞、結膜炎、角膜炎などがある。
2.× 小さい虫が飛んでいるように見えるのは、飛蚊症の症状である。ほとんどは加齢による生理的なものであるが、網膜剥離や眼底出血などによる場合もある。
3.〇 正しい。明るい場所ではまぶしくてよく見えないのは、老人性白内障の症状である。白内障では水晶体に混濁があるため、夜間は見えていても、日差しの強い場合などに水晶体内の光の乱反射により差明が起こる場合がある。
4.× 遠見視力は良好であるが近見視力は低下するのは、老視(老眼)の症状である。ちなみに、老人性白内障では、遠見視力・近見視カともに低下する。
5.× 暗い部屋に入ると目が慣れるのに時間がかかるのは、加齢による暗順応低下の症状である。壮年期以降には明暗に対する順応性が低下するが、白内障の症状ではない。