第106回(R2) 保健師国家試験 解説【午後16~20】

 

16 陽性反応的中度が上昇する理由で適切なのはどれか。

1.疾患の治療法が進歩した。
2.疾患の有病率が上昇した。
3.検査を受けた人数が増加した。
4.検査の感度は変わらず特異度が低下した。

解答

解説

陽性反応的中度とは、「検査陽性者のうち、実際に疾病を有する者の割合」を指す。

1.× 疾患の治療法が進歩は、疾病を有した後のことであるため、陽性反応的中度は変わらない。
2.〇 正しい。疾患の有病率が上昇すれば、陽性反応的中度が上昇する。なぜなら、陽性反応的中度を計算するときの分母は検査陽性者であり、分子は検査陽性者のなかで「実際に疾病を有する者」であるため。そのため、当該疾病の有病率が高いほど疾病を有する者が多くなり、陽性反応的中度は高くなる。
3.× 検査を受けた人数が増加しただけでは、陽性反応的中度には影響しない。
4.× 検査の感度は変わらず、特異度が低下した場合、検査陽性者のうち「実に疾病を有する者(分子の人数)」は変わらないが、「検査で陽性となったが疾病がなかった者(分母に含まれる人数)」が増えることになる。そのため、陽性反応的中度は低下する

 

 

 

 

 

17 平成28年(2016年)の国民健康・栄養調査の糖尿病に関する統計で正しいのはどれか。

1.糖尿病が強く疑われる者は約1,000 万人である。
2.40歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は、男性よりも女性が高い。
3.糖尿病が強く疑われる者のうち、糖尿病治療を受けている者の割合は40 %以下である。
4.30歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は、女性では年齢に関係なく一定である。

解答

解説

1.〇 正しい。糖尿病が強く疑われる者は約1,000 万人である。
2.× 逆である。40歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は、女性よりも男性が高い。
3.× 糖尿病が強く疑われる者のうち、糖尿病治療を受けている者の割合は、40%以下ではなく、69.6%である。
4.× 30歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は、女性では年齢が高くなるにつれて増加している。30~39歳:0.6%、40~49歳:3.1%、50~59歳:5.1%、60~69歳で10.8%、70歳以上で19.8%となっている。

(※データ引用:平成28(2016)年の国民健康・栄養調査

 

 

 

 

 

18 結核の有病者数の年次推移を表す図表で適切なのはどれか。

1.散布図
2.円グラフ
3.帯グラフ
4.折れ線グラフ

解答

解説
1.× 散布図は、2つの変数間の関連をみるために各変数を縦軸と横軸にとり図示したもので、2変数の関連の方向性や強さなどを把握するのには有効である。
2.× 円グラフは、円の全体を100%として、カテゴリーごとに円を分割する形で示したものであり、全体のなかの構成比を示す際に用いる。
3.× 帯グラフは、四角形(帯)の全体を100%とし、各カテゴリーの占める構成を示す主に複数の帯グラフを用いて、帯グラフ内の各カテゴリーの構成割合を比較する際に用いられる。
4.〇 正しい。折れ線グラフは、結核の有病者数の年次推移を表す図表で適切である。折れ線グラフは、縦軸に数値の量、横軸に時間などの変数をとり、時間的経過などによる量の変化の様子を表すものである。

 

 

 

 

 

19 学校保健行政に関する内容と法律の組合せで正しいのはどれか。

1.学校医の配置:労働安全衛生法
2.特別支援教育:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
3.教職員の健康診断:学校保健安全法
4.不登校児童生徒の支援:教育基本法

解答

解説
1.× 学校医の配置は、労働安全衛生法ではなく、『学校保健安全法』に規定されている。そのほか、学校保健安全法には、学校歯科医、学校薬剤師の配置が規定されている。ちなみに、労働安全衛生法は、労働者の安全と衛生についての基準を定めた日本の法律である。
2.× 特別支援教育は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)ではなく、『学校教育法』に規定されているちなみに、『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)』は、障害者に対するサービス・給付を定めるものである。
3.〇 正しい。教職員の健康診断は、学校保健安全法で適切である。学校教職員の健康診断は、『学校保健安全法』において学校の設置者は、学校教職員の健康診断を行わなければならないと定められている。
4.× 不登校児童生徒の支援は、教育基本法ではなく、『義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)』である。ちなみに、教育基本法は、教育についての原則を定めた日本の法律である。

 

 

 

 

 

20 平成24年(2012年)に制定された子ども・子育て支援新制度に含まれるのはどれか。

1.子どもの事故予防強化
2.認定こども園制度の改善
3.マタニティマークの配布
4.妊娠期からの児童虐待防止
5.医療的ケアを必要とする子どもへの支援の向上

解答

解説
1.× 子どもの事故予防強化は、平成13~26(2001~2014)年の健やか親子21に含まれる。ちなみに、平成27(2015)年4月から始まった健やか親子21(第2次)では、不慮の事故による死亡率、事故防止対策を実施している市町村の割合が参考指標とされている。
2.〇 正しい。認定こども園制度の改善は、平成24年(2012年)に制定された子ども・子育て支援新制度に含まれる。平成27(2015)年に施行された子ども・子育て支援新制度は、消費税の引き上げによる財源をもとに、幼児教育、保育、地域の子ども・子育て支援の質・量の拡充を目指したものである。そのなかで、①認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(施設型給付)・小規模保育などへの給付(地域型保育給付)の創設、②認定こども園制度の改善、③地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実などが図られている。
3.× マタニティマークの配布は、健やか親子21の取り組みのひとつである。妊産に関する安全性と快適さの確保を目的として配布されている。
4.× 妊娠期からの児童虐待防止は、健やか親子21(第2次)の重点課題②である。
5.× 医療的ケアを必要とする子どもへの支援の向上は、平成28(2016)年改正により『児童福祉法』に地方自治体の努力義務として規定された。

健やか親子21(第2の課題)

基盤課題A:切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策。
基盤課題B:学童期・思春期から成人期に向けた保健対策。
基盤課題C:子供の健やかな成長を見守り育む地域づくり。
重点課題①:育てにくさを感じる親に寄り添う支援。
重点課題②:妊産期からの児童虐待防止対策。

 

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