第106回(R2) 保健師国家試験 解説【午前31~35】

 

31 平成25年(2013年)に改正された「地域における保健師の保健活動に関する指針」に示された都道府県保健所等に所属する保健師の活動はどれか。2つ選べ。

1.広域的・専門的な保健サービスの提供
2.住民の主体的な健康づくり支援
3.ボランティア組織の育成支援
4.市町村保健師の業務の補助
5.健康危機への体制づくり

解答1・5

解説

「地域における保健師の保健活動に関する指針」には、保健所や市町村の保健師に求められる保健活動が示されている。

1.〇 正しい。広域的・専門的な保健サービスの提供は、都道府県保健所等に所属する保健師の活動として示されている。
2.× 住民の主体的な健康づくり支援は、市町村に所属する保健師の活動として示されている。
3.× ボランティア組織の育成支援は、市町村に所属する保健師の活動として示されている。
4.× 市町村保健師の業務の補助についての規定はない
5.〇 正しい。健康危機への体制づくりは、都道府県保健所等に所属する保健師の活動として示されている。

地域における保健師の保健活動に関する指針

①地域診断に基づくPDCAサイクルの実施。
②個別課題から地域課題への視点及び活動の展開。
③予防的介入の重視。
④地区活動に立脚した活動の強化。
⑤地区担当制の推進。
⑥ 地区特性に応じた健康なまちづくりの推進。
⑦部署横断的な保健活動の連携及び協働。
⑧地域のケアシステムの構築。
⑨各種保健医療福祉計画の策定及び実施。
⑩人材育成。

 

 

 

 

 

32 小児を対象にした麻しんと風しんの定期予防接種に関する説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.1期と2期がある。
2.生ワクチンである。
3.1期には3回接種する。
4.1歳未満が対象である。
5.抗体価が低い場合に接種する。

解答1・2

解説
1.〇 正しい。1期2期がある。『予防接種法』による小児を対象とした麻疹・風疹の定期予防接種は、1期と2期の2回接種で、1期は生後1~2歳までに1回、2期は5~7歳未満で小学校就学前の1年間に1回の接種を行う。
2.〇 正しい。生ワクチンである。麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)は生ワクチンである。
3.× 1期は、3回ではなく、1回接種する。『予防接種法』による小児を対象とした麻疹・風疹の定期予防接種は、1期と2期の2回接種で、1期は生後1~2歳までに1回、2期は5~7歳未満で小学校就学前の1年間に1回の接種を行う。
4.× 対象は、1歳未満ではなく、1期は生後1~2歳までに1回、2期は5~7歳未満で小学校就学前の1年間に1回の接種を行う。
5.すべてが抗体価が低い場合に接種するわけではない。小児を対象にした定期予防接種では接種前の抗体検査は必須ではない。成人の風疹の定期予防接種については、昭和37(1962)年4月2日~昭和54(1979)年4月1日生まれの男性を対象として、抗体検査の結果、抗体価が低い者に接種を行う措置がとられている、なお、これは令和4(2022)年3月までの時限措置である。

 

 

 

 

 

33 児は、在胎31週1,700gで出生。NICU入室後、6週で退院した。1歳6か月児健康診査後に医療機関で軽度脳性麻痺と診断され、下肢の補装具を作成した。
 出生以降に児が利用できる助成・制度を規定するのはどれか。2つ選べ。(※不適切問題:解3つ)

1.児童福祉法
2.母子保健法
3.身体障害者福祉法
4.発達障害者支援法
5.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)

解答1・2・5(3通りの解答が正解として採点された)
理由:3つの選択肢が正解であるため

解説
1.〇 正しい。児の成長に伴い、児童福祉法に基づく、障害児通所支援(放課後等児童デイサービス)などを利用できる。
2.〇 正しい。母子保健法に基づく、未熟児養育医療は、出生時体重が2.000g以下、生活力が特に薄弱であるなどで入院が必要な乳児を対象に、入院医療費の一部を助成する制度である。本児は1.700gで出生しており、『母子保健法に基づく未熟児養育医療』を利用できる。
3.× 身体障害者福祉法は該当しない。身体障害者福祉法は、身体障害者の福祉の増進を図る為の日本の法律である。
4.× 発達障害者支援法は該当しない。『発達障害者支援法』は、自閉症、アスペルガー症候群などの発達障害者に対する支援を規定したものである。
5.〇 正しい。障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づく、自立支援給付において補装具の購入などに要する費用を支給する制度がある。本児は下肢の補装具を作成しており、『障害者総合支援法』に基づく自立支援給付を利用できる

 

 

 

 

 

34 学校保健活動で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.保健教育は学習指導要領を踏まえて行う。
2.定期の学校環境衛生検査は学校医が従事する。
3.就学時の健康診断は学校の設置者が実施する。
4.学校における救急処置は応急的なものである。
5.学校安全計画は学校保健計画に含めて策定する。

解答1・4

解説
1.〇 正しい。保健教育は学習指導要領を踏まえて行う。学校指導要領において、保健教育は児童生徒が発達段階に応じて、自主的に健康で安全な生活を実践できる能力と態度を育成することが示されている。
2.× 定期の学校環境衛生検査(臨時も)は、学校医ではなく学校薬剤師が従事する。
3.× 就学時の健康診断は、学校の設置者ではなく、市町村の教育委員会が実施する。
4.〇 正しい。学校における救急処置は、応急的なものである。なぜなら、学校で行う救急処置は、医療機関などへ引き継ぐまでの処置であるため。
5.× 学校安全計画は、学校保健計画に含めない。なぜなら、それらは目的が異なるため。学校安全計画は、児童生徒等の安全の確保を図るための計画である。学校保健計画は、児童生徒等および職員の心身の健康の保持増進を図るための計画である。したがって、学校安全計画と学校保健計画は別に策定する必要がある。

 

 

 

 

 

35 労働安全衛生マネジメントシステムで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.産業医が安全衛生計画を策定する。
2.定期的なシステム監査を実施する。
3.総括安全衛生管理者が事業場の安全衛生方針を表明する。
4.従業員数50人以上の事業場での実施が義務付けられている。
5.事業場における安全衛生水準の向上を図ることを目的とする。

解答2・5

解説

労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)とは?

事業場における安全衛生水準の向上を目的に、事業者が労働者の協力のもと、以下の①~④の事項を一連の過程(PDCA サイクル)により実施する自主的な安全衛生活動
の仕組みである。

①安全衛生方針の表明。
②危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置(リスクアセスメント)。
③安全衛生目標の設定。
④安全衛生計画の作成・実施・評価・改善。

1.× 安全衛生計画を策定するのは、産業医ではなく、事業者である。
2.〇 正しい。定期的なシステム監査を実施する。事業者は、定期的なシステム監査の計画を作成し、システム監査を適切に実施する。システム監査とは、労働安全衛生マネジメントシステムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて、安全衛生計画の期間を考慮して事業者が行う調査および評価をいう。
3.× 事業場の安全衛生方針を表明するのは、総括安全衛生管理者ではなく、事業者である。
4.× 従業員数50人以上の事業場での実施が義務付けられているのは、労働安全衛生マネジメントシステムではなく、衛生管理者産業医である。労働安全衛生マネジメントシステムは従業員数によって定められているわけではない。
5.〇 正しい。事業場における安全衛生水準の向上を図ることを目的とする。労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針の目的である。

 

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