第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午前36~40】

 

36高齢者における肺炎の三次予防はどれか。

1.口腔内の衛生管理
2.肺炎球菌ワクチンの接種
3.呼吸リハビリテーション
4.健康診断での胸部エックス線撮影

解答3

解説

予防の概念

一次予防:健康な人を対象に発病そのものを防ぐこと。
二次予防:健康診断などによる疾病の早期発見と早期介入(治療)である。
三次予防:退院支援や再発防止などによるリハビリテーションである。

1.× 口腔内の衛生管理(肺炎予防の健康管理)は、一次予防である。
2.× 肺炎球菌ワクチンの接種(疾病予防)は、一次予防である。
3.〇 正しい。呼吸リハビリテーション(機能回復を目指したリハビリテーション)は、三次予防である。
4.× 健康診断での胸部エックス線撮影(早期発見のため)は、二次予防である。

 

 

 

 

 

37患者と看護師の関係において、ラポールを意味するのはどれか。

1.侵されたくない個人の空間
2.人間対人間の関係の確立
3.意図的な身体への接触
4.自己開示

解答2

解説

ラポールとは?

ラポールとは、疎通性のよい対人関係を指し、医療スタッフと患者・家族などとの間に高い信頼関係があることをいう。

1.× 侵されたくない個人の空間は、パーソナルスペースという。患者とのかかわりにおいては、不快感を与えない距離をとることが重要である。
2.〇 正しい。人間対人間の関係の確立は、ラポールを意味する。ラポールとは、疎通性のよい対人関係を指し、医療スタッフと患者・家族などとの間に高い信頼関係があることをいう。
3.× 意図的な身体への接触をタッチングという。触れるタイミングや場所を意識し意図的に行うもので、看護師と患者の相互作用で成り立つ。
4.× 自己開示とは、周りの人たちが知らない自分について、周りの人たちに伝えることである。よりよい人間関係を築く際の要素として、互いの自己開示が必要である。

 

 

 

 

 

38 看護における情報について正しいのはどれか。

1.尺度で測定された患者の心理状態は主観的情報である。
2.入院費用に関する患者の不安は客観的情報である。
3.観察した食事摂取量は客観的情報である。
4.既往歴は主観的情報である。

解答3

解説

1.× 尺度で測定された患者の心理状態は、主観的情報ではなく客観的情報である。なぜなら、尺度で測定されたものであるため。
2.× 入院費用に関する患者の不安は、客観的情報ではなく主観的情報である。なぜなら、不安は、患者の訴えによって表出され知り得るものであるため。
3.〇 正しい。観察した食事摂取量は、客観的情報である。なぜなら、看護師の観察によって得られた客観的データであるため。
4.× 既往歴は、主観的情報ではなく、客観的情報である。なぜなら、既往歴は、患者の訴えや考えとは関係ないため。

 

 

 

 

 

39 Barrè<バレー>徴候の査定の開始時と判定時の写真を下に示す。
 左上肢のBarrè<バレー>徴候陽性を示すのはどれか。


1.①
2.②
3.③
4.④

解答4

解説

バレー徴候とは?

バレー徴候とは、脳血管障害などによって起こる。上位運動ニューロン障害による片側性の軽い運動麻痺を評価するための方法である。上肢の筋力が低下する(麻痺がある)と、両腕を水平に維持することが困難となるため、麻痺側がゆっくりと回内しながら下降してくる。

1.× ①は、左上肢は保持できており、右上肢が挙上しているため不適切である。
2.× ②は、左上肢が回内していないため不適切である。
3.× ③じゃ、両上肢とも下降しているため不適切である。
4.〇 正しい。④は、左上肢が回内しながら、ゆっくりと下降しているため適切である。ちなみに、肘関節屈曲も見られることがある。

 

 

 

 

 

40 入院中の妻を亡くした直後の夫へのグリーフケアで最も適切なのはどれか。

1.妻の話を夫とすることは避ける。
2.夫の悲嘆が軽減してからケアを開始する。
3.夫が希望する場合は死後の処置を一緒に行う。
4.妻を亡くした夫のためのサポートグループへの参加を促す。

解答3

解説

グリーフケアとは?

グリーフケアとは、身近な人との死別を経験し、悲嘆にくれる人をそばで支援することで悲しみから立ち直れるよう支援することである。

1.× 妻の話を夫とすることは避ける必要はない。なぜなら、妻との思い出を語ることや泣くことは、むしろ悲嘆からの回復に大切であるため。
2.× 夫の悲嘆が軽減してからケアを開始する必要はない。なぜなら、悲嘆はすぐに軽減するものではなく、死を受容するまでには数年もしくは一生かかるともいわれているため。
3.〇 正しい。夫が希望する場合は、死後の処置を一緒に行う。死後の処置は、グリーフケアのひとつとされている。なぜなら、夫が希望するならば、死後の処置をともに行うことで、夫が妻に対して尊厳を守り、十分にケアをし、支えることができたと思えるように支援していくことが大切であるため。
4.× 妻を亡くした夫のためのサポートグループへの参加を促す必要はない。サポートグループに参加することは良いグリーフケアとなるが、促すのではなく参加したいと本人が思えるよう情報提供をすべきである。

 

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