第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午後51~55】

 

51 外性器異常が疑われた新生児の親への対応として適切なのはどれか。

1.出生直後に性別を伝える。
2.内性器には異常がないことを伝える。
3.出生直後に母児の早期接触を行わない。
4.出生届は性別保留で提出できることを説明する。

解答4

解説

1.× 出生直後に性別を伝える必要はない。なぜなら、出生直後の性別判断は困難なことがあり、無理に即断すべきではないため。特に早産児では、外性器の発達が未熟である。
2.× 内性器には異常がないことを伝える必要はない。なぜなら、外性器の外観だけで必ずしも内性器に異常がないことを判断できないため。
3.× 外性器の異常の有無に関わらず、出生直後に母児の早期接触を行うことができる。なぜなら、出生後なるべく早期から母児の接触を行うことが、愛着形成を進める第一歩として重要であるため。
4.〇 正しい。出生届は性別保留で提出できることを説明する。なぜなら、出生届は14日以内に提出することになっているが、性別や名前は提出後に追記ができるため。性別の正しい判断のためには、各種検査の結果が必要で、2週間以上を要することもある。

 

 

 

 

 

52 受胎のメカニズムで正しいのはどれか。

1.排卵は黄体形成ホルモン<LH>の分泌が減少して起こる。
2.卵子の受精能力は排卵後72時間持続する。
3.受精は卵管膨大部で起こることが多い。
4.受精後2日で受精卵は着床を完了する。

解答3

解説

1.× 排卵は黄体形成ホルモン<LH>の分泌が、減少してではなく増加して起こる。①血中のエストロゲン濃度が上昇→②ポジティブフィードバックが働く→③下垂体前葉から黄体形成ホルモンの急激な放出が起こる→④排卵する。
2.× 卵子の受精能力は、排卵後72時間ではなく排卵後約24時間持続する。精子は射精後72時間ほど持続する。
3.〇 正しい。受精は、卵管膨大部で起こることが多い。それから卵割と細胞分裂を続けて胞胚となり、着床する。
4.× 受精卵は着床を完了するのは、受精後2日ではなく約6~7日かかる。

 

 

 

 

 

53 成熟期女性の受胎調節について適切なのはどれか。

1.経口避妊薬は女性が主導で使用できる。
2.コンドーム法の避妊効果は99%以上である。
3.基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。
4.子宮内避妊器具<IUD>は経産婦より未産婦に挿入しやすい。

解答1

解説

1.〇 正しい。経口避妊薬は、女性が主導で使用できる。経口避妊薬は、内服することで排卵を抑制する。正確に服用できれば避妊効果は確実であるが、短所として、悪心や少量の不正性器出血を起こすことがある。
2.× コンドーム法の避妊効果は、99%以上ではなく、98%程度であるといわれている。コンドーム法は、性感染症の予防ができ、日本で最も普及している避妊法である。
3.× 基礎体温法は、月経が不順ではなく規則正しく発来する女性に有用である。基礎体温法は、薬剤を使わず行えるが、排卵日を正確に予測することは不可能なので、避妊効果は劣る。
4.× 逆である。子宮内避妊器具<IUD>は、未産婦より経産婦に挿入しやすい。子宮内避妊器具は、一度挿入すれば長期間有効であり、除去すれば再び妊孕性(にんようせい:妊娠するために必要な能力)を回復することができるが、不正性器出血、疼痛を起こすことがある。経産婦より未産婦のほうが、疼痛が大きく挿入しづらい。

 

 

 

 

 

54 災害後の成人にみられる防衛機制はどれか。(※解答なし)

1.不安で眠れなくなる。
2.激しい怒りを表現する。
3.言動が子どものように幼くなる。
4.自分だけが無事で申し訳ないと思う。

解答(※解答なし)
理由:設問が不適切で正解が得られないため。

解説

防衛機制とは、ストレスにさらされた際、自我が無意識のうちに自己防衛する働きを指す。災害後に、自己防衛としてどのような反応が起こるかは個人差が大きいため、正解を絞ることはできない

 

1.× 不安で眠れなくなることは、災害後に多い症状だが、防衛機制とはいえない
2.× 激しい怒りを表現するもある。
3.△ 言動が子どものように幼くなるのは、防衛機制の一つである退行だが、これは赤ちゃん返りとして小児にみられることが多い。災害後のすべての成人にみられる防衛機制ではない。
4.× 自分だけが無事で申し訳ないと思うのは、災害後に多い心理状況で、防衛機制とはいえない。。

 

 

 

 

 

55 Aさん(65歳、男性)は、胃癌を疑われ検査入院した。入院時、認知機能に問題はなかった。不眠を訴え、入院翌日からベンゾジアゼピン系の睡眠薬の内服が開始された。その日の夜、Aさんは突然ナースステーションに来て、意味不明な内容を叫んでいた。翌朝、Aさんは穏やかに話し意思疎通も取れたが「昨夜のことは覚えていない」と言う。
 Aさんの昨夜の行動のアセスメントで最も適切なのはどれか。

1.観念奔逸
2.感情失禁
3.妄想気分
4.夜間せん妄

解答4

解説

Aさんの異常行動は、「認知機能の低下を認めない人が」「入院初期に」「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を服用して」生じたという点、そして症状は一時的で翌朝には自然と改善していたという点がポイントとなる。

 

1.× 観念奔逸(次々と頭に考えが浮かぶためまとまりのない会話)は、双極性障害の躁状態で出現する症状である。本症例は、躁状態という記載もなく、翌朝には改善していることからも考えにくい。
2.× 感情失禁(小さな出来事でもひどく怒ったり泣いたりと感情が顕著なこと)は、主に認知症で出現する症状である。本症例は、認知機能の低下がないことが確認されていることからも考えにくい。
3.× 妄想気分(本来であればあるはずのないことをあると思い込むこと)は、統合失調症で出現する症状である。本症例は、統合失調症の既往の記載もなく、翌朝には改善していることからも考えにくい。
4.〇 正しい。夜間せん妄である。夜間せん妄は、主に高齢者に出現する。一過性の脳の混乱であり、意識障害に分類される。認知症で出現しやすいが、健常人に発症することもある。脳が混乱しやすい状況(入院で急に環境が変わるなど)や、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の投与でも生じやすくなる。

 

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