第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午前56~60】

 

56 加齢による咀嚼・嚥下障害の特徴で正しいのはどれか。

1.咳嗽反射が低下する。
2.口腔内の残渣物が減る。
3.唾液の粘稠度が低下する。
4.食道入口部の開大が円滑になる。

解答1

解説

1.〇 正しい。咳嗽反射が低下する。そのため、誤嚥しやすくなる。
2.× 口腔内の残渣物が、減るのではなく増加する。なぜなら、高齢者は、口腔内乾燥や歯の欠損・義歯の不適合などのため。
3.× 唾液の粘稠度が、低下ではなく増加する。なぜなら、口腔粘膜下の水分が低下するため。
4.× 食道入口部の開大が、円滑ではなく不良になる。なぜなら、高齢者の食道入口部は、開大不全となり、誤嚥しやすくなる。

 

 

 

 

 

57 Aさん(85歳、女性)は、両側の感音難聴で「音は聞こえるけれど、話の内容が聞き取れないので困っています」と話した。
 Aさんに対する看護師の対応で適切なのはどれか。

1.大きな声で話す。
2.話の内容をより詳しく説明する。
3.Aさんが文字盤を使えるようにする。
4.看護師の口の動きが見えるように話す。

解答4

解説

 本症例は「話の内容が聞き取れない」とのことから、感音難聴に特徴的な音のゆがみによる日常会話の聞き取りにくさ(語音弁別能の低下)がみられる。

 

1.× 大きな声で話す必要はない。なぜなら、現在のAさんの聴力はある程度保たれているため。大きな声で話すと感音難聴に伴う聴覚過敏症の症状によって、より大きく強く不快に響く補充現象が生じる場合がある。
2.× 話の内容をより詳しく説明する必要はない。なぜなら、話の内容をより詳しく説明しても、聞こえてくる話し声(音声)のゆがみは改善しないため。また、Aさんは認知機能には問題はない。
3.× Aさんが文字盤を使えるようにする必要はない。なぜなら、文字盤は、運動障害性構音障害(言葉の理解・内容には問題ないが発声発語に障害がある)の人が自分の意思表示に使うものであるため。文字盤は、シートに五十音が示されているものである。Aさんは、発声発語に問題はない。
4.〇 正しい。看護師の口の動きが見えるように話す。感音難聴による語音弁別能の低下では、文章の聞き間違いが生じているため、話し手の口の動きを視覚情報として利用できるようにすると了解度が上がる。

 

 

 

 

 

58 Lewy<レビー>小体型認知症の初期にみられる症状はどれか。

1.幻視
2.失語
3.脱抑制
4.人格変化

解答1

解説

1.〇 正しい。幻視は、Lewy<レビー>小体型認知症の初期にみられる症状である。「子どもが遊んでいる」、「ネコがいる」など、臨場感のある具体的な幻視が繰り返しみられる。
2.× 失語は、前頭側頭型認知症である。
3.× 脱抑制は、前頭側頭型認知症である。脱抑制とは、万引き・暴言など本来やってはいけないことを突発的に行動してしまう症状のことである。
4.× 人格変化は、前頭側頭型認知症である。人格変化には、無気力・易怒性・道徳感の低下などがある。

 

 

 

 

 

59 介護保険法で「入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設」と規定されているのはどれか。

1.介護老人保健施設
2.介護老人福祉施設
3.介護療養型医療施設
4.介護療養型老人保健施設

解答2

解説

1.× 介護老人保健施設とは、「要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護・医学的管理のもとにおける介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う」ことを目的とし、都道府県知事の許可を受けた施設である。介護老人福祉施設は、食事や排泄の介助といった介護サービスは提供されるものの、主に自宅などに戻るためのリハビリが中心である。
2.〇 正しい。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム:特養)とは、「入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設」である。つまり、介護を受けながら長く生活をする(終身利用できる介護施設)施設である。
3.× 介護療養型医療施設とは、病院・診療所の療養病床であって、介護保険が適用になるものである。医療保険適用の療養病床に一本化するため、平成23年の改正で条文からは削除された。経過措置により平成30年3月末までは存続できる。
4.× 介護療養型老人保健施設は、削減される医療保険適用の療養病床と全廃される介護保険適用の療養病床の受け皿として、平成20年に新設されたものである。介護老人保健施設と医療療養病床との中間の性質を持つ。医療や看護に重点を置いたサービスが行われる。

 

 

 

 

 

60 出産や育児に関する社会資源と法律の組合せで正しいのはどれか。

1.入院助産:児童福祉法
2.出産扶助:母体保護法
3.出産手当金:母子保健法
4.養育医療:児童手当法

解答1

解説

1.〇 正しい。児童福祉法は、入院助産(助産の実施)に規定されている。保健上、必要があるにもかかわらず経済的理由により入院助産を受けることができない場合に行われる。
2.× 出産扶助は、母体保護法ではなく生活保護法である。困窮のため最低限の生活を維持することができない者に対して分娩の介助、分娩前および分娩後の処置などを行う。
3.× 出産手当金は、母子保健法ではなく健康保険法などである。出産手当金は、出産の日以前42日から、出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間につき、1日の賃金の約3分の2相当額が支給される。
4.× 養育医療は、児童手当法ではなく母子保健法である。養育のために入院を必要とする未熟児に対し、必要な医療の給付を行うものである。

 

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