第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午後56~60】

 

56 2人以上の精神保健指定医による診察結果の一致が要件となる入院形態はどれか。

1.応急入院
2.措置入院
3.医療保護入院
4.緊急措置入院

解答2

解説

1.× 応急入院は、患者に自傷他害の恐れはないが、医療的に入院加療が必要であり、かつ家族等の同意が得られないとき(連絡がつかないときなど)に、1人の精神保健指定医の診察によって強制的に入院させる入院形態である。ただし、その効力は72時間である。
2.〇 正しい。措置入院は、自傷他害のおそれがある精神障害患者に対して、精神保健指定医2人の診察結果をもとに強制的に入院させる入院形態である。
3.× 医療保護入院は、患者に自傷他害のおそれはないが医療的に入院加療が必要であるときに、精神保健指定医1人の診察結果と家族等(配偶者・親権者・後見人など)の同意をもとに、強制的に入院させる入院形態である。患者に身寄りがない場合は、患者の居住地の市町村長が同意の判断を行う。
4.× 緊急措置入院は、自傷他害のおそれがある精神障害患者に対して、医療的に入院加療が必要であるが措置入院の手続きがとれないとき(指定医2人が確保できないなど)、精神保健指定医1人の診察結果と知事の決定によって強制的に入院させる入院形態である。ただし、その効力は72時間である。

 

 

 

 

 

57 Aさん(65歳、男性)は、肺気腫で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザにかかりました。今朝から夫も体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。
 訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

1.喀痰の性状
2.胸痛の有無
3.関節痛の有無
4.経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>

解答4

解説

肺気腫とは?

肺気腫とは、終末細気管支より末梢の気腔が、肺胞壁の破壊を伴いながら異常に拡大し、明らかな線維化は認められない病変を指す。在宅酸素療法の適応は、高度慢性呼吸不全(動脈血酸素分圧が60Torr以下の者で、睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症を生ずる場合である。

1.× 喀痰の性状より優先される選択肢が他にある。生命維持に重要なものから調べる。
2.× 胸痛の有無より優先される選択肢が他にある。なぜなら、肺気腫では胸痛は一般的にみられないため。また、インフルエンザの際に生じる胸痛も起こりにくく、多くの場合、腰痛や関節痛、筋肉痛などが起こる。
3.× 関節痛の有無より優先される選択肢が他にある。インフルエンザ罹患による関節痛がみられるが、生命維持に重要なものから調べる。
4.〇 正しい。経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は、訪問看護師が確認する項目で優先度が高い。なぜなら、生命予後にかかわり、きわめて重要であるため。もともと在宅酸素療法を受けるほどの肺気腫があり、インフルエンザ罹患が加わり呼吸困難が増悪するリスクがある。

 

 

 

 

 

58 地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。

1.都道府県を単位として構築することが想定されている。
2.75歳以上の人口が急増する地域に重点が置かれている。
3.本人・家族の在宅生活の選択と心構えが前提条件とされている。
4.地域特性にかかわらず同じサービスが受けられることを目指している。

解答3

解説

地域包括ケアシステムとは?

地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう「住まい・医療・介護・予防・生活支援」が一体的に提供されるシステムである。

1.× 都道府県ではなく、市町村を単位として構築することが想定されている。したがって、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を単位として想定されている。
2.× 75歳以上の人口が急増する地域ではなく、全国的に重点が置かれている。保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてシステムをつくり上げていくことが必要とされている。
3.〇 正しい。本人・家族の在宅生活の選択と心構えが前提条件とされている。なぜなら、単身・高齢者のみ世帯が主流になるなかで、在宅生活を選択することの意味を本人や家族が理解する必要があるため。
4.× 地域特性にかかわらずではななく地域特性に応じて、同じサービスではなく医療や介護・保健などのサービスが包括的に提供されるものである。つまり、画一的なサービスは目指していない。地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げる必要がある。

 

 

 

 

 

59 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律<障害者総合支援法>に基づいて、障害者が利用できるサービスはどれか。

1.育成医療
2.居宅療養管理指導
3.共同生活援助<グループホーム>
4.介護予防通所リハビリテーション

解答3

解説

『障害者総合支援法』での障害者は、身体・知的・精神(発達障害を含む)の三障害者で18歳以上の者と、政令で定める難病で一定の程度にある者で18歳以上の者である。

 

1.× 育成医療は、『障害者総合支援法』の自立支援医療の一種であるが、対象は障害者は利用できず、18歳未満の身体障害児である。
2.× 居宅療養管理指導は、『介護保険法』により要介護・要支援者に対して行われる医師等による療養上の管理・指導である。
3.〇 正しい。共同生活援助<グループホーム>は、障害者総合支援法に基づいて障害者が利用できるサービスである。主として夜間において、共同生活の住居で相談・入浴・排泄または食事の介護などの日常生活上の援助を行うものである。
4.× 介護予防通所リハビリテーションは、『介護保険法』によるサービスである。要支援者に対して介護老人保健施設・病院等への通所で行われる理学療法、作業療法などのリハビリテーションを行うものである。

 

 

 

 

 

60 Aさん(55歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。進行性の多発性硬化症で在宅療養をしている。脊髄系の症状が主で、両下肢の麻痺、膀胱直腸障害および尿閉がある。最近は座位の保持が難しく、疲れやすくなってきている。排尿はセルフカテーテルを使用してAさんが自己導尿を行い、排便は訪問看護師が浣腸を行っている。夫は仕事のため日中は不在である。
 Aさんの身体状態に合わせた療養生活で適切なのはどれか。

1.入浴はシャワー浴とする。
2.介助型の車椅子を利用する。
3.ベッドの高さは最低の位置で固定する。
4.セルフカテーテルはトイレに保管する。

解答1

解説

1.〇 正しい。入浴はシャワー浴とする。なぜなら、座位の保持が困難で疲れやすくなってきているAさんの状態を考えると、入浴よりも体力消耗の少ないシャワー浴が適切であるため。
2.× 介助型の車椅子ではなく、自走式の車椅子を利用する。なぜなら、Aさんは自己導尿を行っていることから、上肢は動かせる状態であると考えられ、移乗を介助してもらえば自走型車椅子の使用も可能であると考えられるため。ちなみに、車椅子は、①自力で操作する自走型車椅子、②介助者が押す介助型車椅子、③電動式車椅子の3つに大きく分けられる。
3.× ベッドの高さは、最低の位置で固定する必要はない。ベッドの高さを固定する必要はなく、Aさんの夫が介護するときは介護しやすい高さにするなど、臨機応変に変更することが望ましい。
4.× セルフカテーテルは、トイレに保管する必要はない。なぜなら、Aさんの状況から自己導尿はベッド上で行っていると思われるため。Aさんが自己導尿しやすいようにベッド周囲の環境を整え、物品を配置していく必要がある。

 

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