第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午前61~65】

 

61 Aさん(16歳、女子)。身長160cm、体重40kg。1年で体重が12kg減少した。Aさんは6か月前から月経がみられないため婦人科クリニックを受診し、体重減少性無月経と診断された。
 今後、Aさんの無月経が長期間続いた場合、増加することが予想されるのはどれか。

1.血糖値
2.骨吸収
3.体脂肪率
4.エストロゲン

解答2

解説

1.× 血糖値は、低血糖となる。なぜなら、摂食障害や体重減少に伴い、低栄養となるため。
2.〇 正しい。骨吸収は増加する。なぜなら、無月経になるとエストロゲンにより抑制されていた骨吸収が増加し、骨粗鬆症も起こりやすくなるため。
3.× 体脂肪率は減少する。なぜなら、体重減少するため。
4.× エストロゲンの分泌不全が起こる。下垂体の黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)の低下を引き起こすため。

 

 

 

 

 

62 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律<DV防止法>で正しいのはどれか。

1.婚姻の届出をしていない場合は保護の対象とはならない。
2.暴力を受けている者を発見した者は保健所へ通報する。
3.暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が含まれる。
4.母子健康センターは被害者の保護をする。

解答3

解説

1.× 婚姻の届出をしていない場合でも、保護の対象となる。なぜなら、平成25年の改正で、婚姻関係になくても生活の本拠を共にする交際相手からの暴力の被害者も対象となったため。
2.× 暴力を受けている者を発見した者は、保健所ではなく、配偶者暴力相談支援センターまたは警察官へ通報するよう努めなければならない。
3.〇 正しい。暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が含まれる。暴力には、身体的な暴力だけでなく、心身に有害な影響を及ぼす言動まで含まれている。
4.× 被害者の保護をするのは、母子健康センターではなく、配偶者暴力相談支援センター(子育て世代包括支援センター)である。母性並びに乳児・幼児の健康の保持及び増進に関する包括的な支援を行う施設である。

 

 

 

 

 

63 妊婦の感染症と児への影響の組合せで正しいのはどれか。

1.風疹:白内障
2.性器ヘルペス:聴力障害
3.トキソプラズマ症:先天性心疾患
4.性器クラミジア感染症:小頭症

解答1

解説

1.〇 正しい。風疹の免疫のない妊婦が罹患すると胎児に風疹ウイルスが感染し、白内障や心疾患、難聴などの先天性風疹症候群を起こすことがある。
2.× 性器ヘルペスを起こす単純ヘルペスウイルスに感染すると胎児にも感染し、新生児ヘルペスを起こすことがあり、皮疹や発熱、肝腫大や呼吸障害などの症状がある。聴力障害はきたさない。
3.× トキソプラズマ症は、経胎盤感染で、児に水頭症や脳内石灰化、知的能力障害などを起こすことがある。先天性心疾患はきたさない。
4.× 性器クラミジア感染症は産道感染で、新生児結膜炎や肺炎を起こすことがある。小頭症はきたさない。

 

 

 

 

 

64 Aさん(68歳、女性)は、胃癌のため入院した。入院初日に「夫も癌になって、亡くなる前に痛みで苦しんでいました。私も痛みが怖いんです」と言った。看護師は、Aさんが夫のように苦しむことへの恐怖や不安があることが分かり、Aさんとともに対処法について考えた。
 この時点での患者-看護師関係の段階はどれか。

1.方向付け
2.同一化
3.開拓利用
4.問題解決

解答1

解説

1.〇 正しい。方向付けは、ペプロウの患者・看護師関係の理論の第1段階である。方向づけとは、患者は自身の問題を把握し、看護師は問題解決の方向に患者を導いていく段階である。本症例は、自身の不安を表出し、看護師は問題解決に向けて患者とともに考えているため、方向づけの段階といえる。
2.× 同一化は、ペプロウの患者・看護師関係の理論の第2段階である。同一化とは、患者が看護師とのかかわりにより信頼をおくようになる段階である。
3.× 開拓利用は、ペプロウの患者・看護師関係の理論の第3段階である。開拓利用とは、患者が看護師とのかかわりにより自己の問題に気づいて対処方法を理解する段階である。
4.× 問題解決は、ペプロウの患者・看護師関係の理論の第4段階である。問題解決とは、患者が独立していく段階である。看護師は達成感が持てるようにかかわり、患者の自我形成を促していく。

 

 

 

 

 

65 訪問看護の利用者に関する訪問看護と病院の外来看護の連携で適切なのはどれか。

1.訪問看護報告書は外来看護師に提出する。
2.利用者の個人情報の相互共有に利用者の承諾書は不要である。
3.利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。
4.訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する。

解答3

解説

1.× 訪問看護報告書は、外来看護師ではなく主治医に提出する。
2.× 利用者の個人情報の相互共有に利用者の承諾書は、必要である。『個人情報保護法』や「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」に基づき、慎重に扱う必要がある。
3.〇 正しい。利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。利用者が使用する医療材料は、診療を担う医療機関が提供するため、その医療機関の外来看護師と共有することができる。
4.× 訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する必要はない。なぜなら、外来診察の予約は、本人・家族が行うのが適切であるため。

 

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