第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午前76~80】

 

76 人獣共通感染症で蚊が媒介するのはどれか。

1.Q熱
2.黄熱
3.狂犬病
4.オウム病
5.重症熱性血小板減少症候群<SFTS>

解答2

解説

1.× Q熱は、コクシエラ菌による感染症である。感染動物の尿、糞、乳汁などに排菌され、この菌に汚染された空気中の粉塵などを吸うことで感染する。
2.〇 正しい。黄熱は、黄熱ウイルスをが媒介する感染症である。
3.× 狂犬病は、狂犬病ウイルスによる感染症である。イヌ、ネコおよびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりして感染する。
4.× オウム病は、オウム病クラミジアによる感染症である。主に鳥類の排泄物を吸入することで感染する。
5.× 重症熱性血小板減少症候群<SFTS>は、SFTSウイルスをマダニが媒介する感染症である。

 

 

 

 

 

77 医療職や介護職の業務で法律に規定されているのはどれか。

1.介護福祉士は訪問看護ができる。
2.薬剤師は薬を処方することができる。
3.臨床検査技師は肘静脈から採血ができる。
4.看護師は病院の管理者となることができる。
5.診療放射線技師はエックス線写真に基づく診断ができる。

解答3

解説

1.× 介護福祉士は、訪問看護ができない。介護福祉士は、介護並びに介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者である。訪問看護は、看護師の他に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などで行える。
2.× 薬剤師は、薬を処方することができない。薬剤師は、医師・歯科医師・獣医師の発行した処方せんにより調剤する者である。したがって、薬を処方できるのは医師、歯科医師、獣医師である。
3.〇 正しい。臨床検査技師は、肘静脈から採血ができる。臨床検査技師は、診療の補助として採血及び検体採取(医師又は歯科医師の具体的な指示を受けて行うものに限る)並びに厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とすることができる。
4.× 看護師は、病院の管理者となることができない。病院の管理者は、臨床研修等修了医師(歯科の場合は臨床研修等修了歯科医)でなければならない。
5.× 診療放射線技師は、エックス線写真に基づく診断はできない。診療放射線技師は、医師・歯科医師の指示のもとに、放射線を人体に対して照射することを業とする者をいう。診断は医師が行う。

 

 

 

 

 

78 思春期に、親や家族との関係が依存的な関係から対等な関係に変化し、精神的に自立することを示すのはどれか。

1.自我同一性の獲得
2.心理的離乳
3.愛着形成
4.探索行動
5.母子分離

解答2

解説

1.× 自我同一性の獲得は、青年期における発達課題である。自分はどういう人間なのかといった自己像を確立することをいう。
2.〇 正しい。心理的離乳は、親から心理的自立をする思春期から青年期における発達課題である。親や家族に対しての依存的な関係から対等な関係に変化していくことである。
3.× 愛着形成は、幼児期前期にみられる。ボウルビィにより提唱された愛着形成とは、主に親子間の愛情の絆を形成することをいう。
4.× 探索行動は、乳幼児期にみられる。探索行動とは、新しい興味深いものに対し近づき触れて知ろうとする行動である。
5.× 母子分離は、主に幼児期にみられる。子どもとその依存対象である母親が物理的に離れている状態のことをいう。

 

 

 

 

 

79 排泄が自立していない男児の一般尿を採尿バッグを用いて採取する方法で正しいのはどれか。

1.採尿バッグに空気が入らないようにする。
2.採尿口の下縁を陰茎の根元の位置に貼付する。
3.採尿バッグを貼付している間は座位とする。
4.採取できるまで1時間ごとに貼り替える。
5.採取後は貼付部位をアルコール綿で清拭する。

解答2

解説

 採尿検査は、尿路感染症など診断のためだけでなく、乳幼児期の健診でも行うことが多い。排泄が自立していない年齢の子どもの尿を採取する場合に採尿バッグを貼付する方法が一般的である。

 

1.× 採尿バッグに空気が、入らないようではなく入れて使用する。なぜなら、採尿バッグを貼付するときにバッグ内に空気を入れると、バッグ内に尿をためやすい。
2.〇 正しい。採尿口の下縁を陰茎の根元の位置に貼付する。男児では採尿口の下縁を陰茎の根元の位置に貼付する。女児では会陰部に採尿口の下縁を合わせて貼付する。
3.× 採尿バッグを貼付している間は、座位ではなく寝ているとき(就寝時)とする。なぜなら、採尿バッグ貼付中は坐位や歩行などの動きでバッグが剥がれやすく、尿の採取が困難となるため。
4.× 採取できるまで1時間ごとに貼り替える必要はない。なぜなら、排尿が自立していないとはいえ、1時間ごとの貼り替えは採尿バッグの粘着剤による皮膚トラブルを招きやすく、子どもにとっても苦痛が大きいため。
5.× 採取後は、貼付部位をアルコール綿ではなく、おしり拭きなどアルコールが含まれていないもので清拭する。なぜなら、陰部などの粘膜部分をアルコールで消毒することは刺激が強く皮膚トラブルを招くため。これにより、尿道口付近の雑菌の混入を最小限にすることができる。

 

 

 

 

 

80 Aちゃん(6歳、女児)は、左上腕骨顆上骨折と診断され、牽引治療のために入院した。医師からAちゃんと家族に対し、牽引と安静臥床の必要性を説明した後、弾性包帯を用いて左上肢の介達牽引を開始した。
 Aちゃんに対する看護で適切なのはどれか。

1.食事を全介助する。
2.左手指の熱感を観察する。
3.抑制ジャケットを装着する。
4.1日1回は弾性包帯を巻き直す。
5.痛みに応じて牽引の重錘の重さを変更する。

解答4

解説

1.× 食事を全介助する必要はない。なぜなら、右手は使える状態であるため。食器が滑らないように工夫したり、スプーンやフォークを用意したりするなどの配慮を行う必要はある。
2.× 左手指の熱感を観察する必要はない。なぜなら、熱感は骨折部で生じるため。介達牽引には、合併症のひとつであるコンパートメント症候群の有無をチェックする。したがって、手指の感覚や血流障害がないかをこまめに評価する必要がある。
3.× 抑制ジャケットを装着する必要はない。なぜなら、牽引と安静臥床の説明を6歳は理解できると考えられるため。抑制ジャケットとは、安静を保てないような患者に対して、最終手段として使用する場合がある。
4.〇 正しい。1日1回は、弾性包帯を巻き直す。なぜなら、牽引により弾性包帯がずれやすくなっているため。巻き替えの際には、患部や皮膚の状態を確認する必要がある。
5.× 痛みに応じて牽引の重錘の重さを変更する必要はない。牽引の重錘の重さは、痛みではなく対象者骨折部位・牽引方法などによって決まる。

介達牽引と直達牽引の合併症
  • 介達牽引:コンパートメント症候群のほか、褥瘡ゃ皮膚損傷など皮膚科分野の合併症。
  • 直達牽引:皮膚トラブルは少ないが、鋼線の刺入部周囲の皮下や骨髄内の感染を合併することがあるため、患部の熱感の確認を行う。

 

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