第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午後81~85】

 

81 腹圧性尿失禁のケアとして適切なのはどれか。2つ選べ。

1.下腹部を保温する。
2.骨盤底筋群訓練を促す。
3.定期的な水分摂取を促す。
4.恥骨上部の圧迫を指導する。
5.尿意を感じたら早めにトイレへ行くことを促す。

解答2/5

解説

腹圧性尿失禁とは?

腹圧性尿失禁とは、尿道括約筋の軽度不全により、腹圧上昇時(咳嗽・くしゃみ・跳躍など)に尿が漏れてしまう状態である。

1.× 下腹部を保温しても改善しない。過活動膀胱のような切迫性尿失禁の場合は保温は効果的である。
2.〇 正しい。骨盤底筋群訓練を促す。腹圧性尿失禁の原因は、膀胱や子宮などを支えている骨盤底筋の低下がある。妊娠・出産・肥満・加齢などの影響で緩むと、尿道が十分に締まらなくなる。
3.× 定期的な水分摂取は、尿路感染症の予防に有効である。
4.× 恥骨上部の圧迫は、溢流性尿失禁や、導尿などで尿を出し切るために行う。
5.〇 正しい。尿意を感じたら早めにトイレへ行くことを促す。なぜなら、膀胱に尿が充満した状態での咳や運動は、膀胱内圧が尿道内圧を上回り、尿失禁につながるため。

 

 

 

 

 

82 手段的日常生活動作<IADL>はどれか。2つ選べ。

1.食事
2.洗濯
3.入浴
4.更衣
5.買い物

解答2/5

解説

手段的日常生活動作(IADL)とは?

手段的日常生活動作(IADL)とは、日常生活上の、より高度で複雑な動作のこと(買い物、洗濯、掃除、金銭管理、服薬管理など)である。

  • ADLは、①BADL(基本的日常生活動作)と、②IADL(手段的日常生活動作)に大別される。
  • BADL:食事、排泄、入浴、整容など基本的な欲求を満たす身の回りの動作。
  • IADL:買い物、洗濯、電話、服薬管理などの道具を用いる複雑な動作。

1.× 食事は、BADL(基本的日常生活動作)である。
2.〇 正しい。洗濯は、IADL(手段的日常生活動作)である。
3.× 入浴は、BADL(基本的日常生活動作)である。
4.× 更衣は、BADL(基本的日常生活動作)である。
5.〇 正しい。買い物は、IADL(手段的日常生活動作)である。

 

 

 

 

 

83 開放性損傷はどれか。2つ選べ。

1.切創
2.打撲傷
3.擦過創
4.皮下出血
5.内臓損傷

解答1/3

解説

創傷

1.〇 正しい。切創とは、機械的外力などにより生体組織が損傷を受けた状態である。創は、皮膚・粘膜の連続性が断たれた損傷(開放性損傷)を、傷は皮膚・粘膜の連続性が保たれた損傷(閉鎖性損傷)を意味する。切創は、鋭利な刃物などの鋭器により直線状に損傷された開放性損傷である。
2.× 打撲傷は、体表に創がない閉鎖性損傷である。なぜなら、打撃などの外力により内部の軟部組織が損傷したもので、挫傷と同義語であるため。
3.〇 正しい。擦過創は、擦り傷のうち皮膚を超えて皮下組織にまで損傷が及ぶ開放性損傷である。皮膚を超えず、表皮、真皮までの擦り傷による損傷は擦過傷という。
4.× 皮下出血は、非開放性損傷である。なぜなら、打撲などの外傷により皮下にある血管が切れて出血することで、血液は体外に出ないのでため。
5.× 内臓損傷は、腹腔内臓器損傷のことであり、受傷原因(鈍的外傷または鋭的外傷)や受傷状況により、開放性損傷または閉鎖性損傷となる。つまり、内臓損傷自体だけでは開放性損傷に分類されない

 

 

 

 

 

84 児童憲章について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.児童がよい環境の中で育てられることを定めている。
2.児童の権利に関する条約を受けて制定された。
3.児童が人として尊ばれることを定めている。
4.保護者の責務を定めている。
5.違反すると罰則規定がある。

解答1/3

解説

1.〇 正しい。児童がよい環境の中で育てられることを定めている。児童憲章は、昭和26(1951)年に制定された。日本で最初の児童の権利を守るための憲章である。児童憲章の前文には、「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境の中で育てられる。」とある。
2.× 児童憲章は、「児童の権利に関する条約」より先に制定された。児童の権利に関する条約は、1989年(平成元年)に国連総会で採択された。児童憲章は、1951年(昭和26年)に制定された。
3.〇 正しい。児童が人として尊ばれることを定めている。児童憲章は、昭和26(1951)年に制定された。日本で最初の児童の権利を守るための憲章である。児童憲章の前文には、「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境の中で育てられる。」とある。
4.× 保護者の責務ではなく、社会の責務や子どもの権利について定めている。
5.× 法律ではないため、罰則規定はない。児童に対する正しい観念の確立と児童の幸福を目指す憲章である。

 

 

 

 

 

85 急性中耳炎で内服薬による治療を受けた5歳の男児および保護者に対して、治癒後に行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.片側ずつ鼻をかむ。
2.耳垢は毎日除去する。
3.入浴時は耳栓を使用する。
4.大声を出させないようにする。
5.発熱時は耳漏の有無を確認する。

解答1/5

解説

急性中耳炎は乳幼児期に多く、上気道感染に引き続き経耳管感染で起こる疾患である。

 

1.〇 正しい。片側ずつ鼻をかむ。中耳炎は、鼻ススリなどで起こりやすい。予防のために片方ずつ静かに鼻をかむ習慣をつける必要がある。
2.× 耳垢は、毎日除去する必要はない。なぜなら、耳掃除は中耳炎の予防にはならないため。月に1~2回行えば十分である。むしろ、毎日行うことの方が、外耳道炎を起こす危険性がある。
3.× 入浴時は、耳栓を使用する必要はない。なぜなら、鼓膜に穿孔がない限り、耳に水が入ったからといって、中耳炎にはならないため。
4.× 大声を出させないようにする必要はない。なぜなら、耳痛や発熱が無ければ大声を出すことは問題なく、安静にしなくてもよいため。
5.〇 正しい。発熱時は耳漏の有無を確認する。耳漏(みみだれ)は、鼓膜が穿孔して分泌液が流れ出ている状態である。急性中耳炎の耳症状として、耳痛や難聴、耳漏などがあり、全身症状として、発熱や倦怠感などがあるため、これらの症状に注意する。

 

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