第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午前86~90】

 

86 麻疹に関して正しいのはどれか。2つ選べ。

1.合併症として脳炎がある。
2.感染力は発疹期が最も強い。
3.効果的な抗ウイルス薬がある。
4.2回のワクチン定期接種が行われている。
5.エンテロウイルスの感染によって発症する。

解答1/4

解説

1.〇 正しい。合併症として脳炎がある。麻疹では脳炎や肺炎(代表的)、中耳炎、クループ症候群、心筋炎などの様々な合併症があり、特に脳炎と肺炎は死亡例が多い。
2.× 感染力は、発疹期ではなくカタル期(発疹が出現する前)が最も強い。麻疹は、①カタル期→②発疹期→③回復期に分かれる。カタル期であるカタル症状、つまり眼脂、鼻汁、咳嗽などの症状を通じてウイルスを周囲に拡散することとなる。
3.× 効果的な抗ウイルス薬は、現在存在しない。よって、ワクチンを含めた予防が最も重要になる。また対症療法しかない。
4.〇 正しい。2回(1歳時と小学校就学前)のワクチン定期接種が行われている。
5.× エンテロウイルスの感染によって発症するのは、ポリオや手足口病、ヘルパンギーナである。麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされる。

 

 

 

 

 

87 Aさん(30歳、女性)。月経周期は28日型で規則的である。5日間月経があり、現在、月経終了後14日が経過した。
 この時期のAさんの状態で推定されるのはどれか。2つ選べ。

1.排卵後である。
2.乳房緊満感がある。
3.子宮内膜は増殖期である。
4.基礎体温は低温相である。
5.子宮頸管の粘液量が増加する。

解答1/2

解説

 月経が5日間あり、終了後14日目ということは、月経19日目となる。つまり、プロゲステロン(黄体ホルモン)優位の黄体期であることがわかる。

 

1.〇 正しい。排卵後である。排卵は、およそ28日周期の14日目前後に生じる。
2.〇 正しい。乳房緊満感がある。なぜなら、排卵後はプロゲステロンが多く分泌されるため。黄体期は乳房のはりがあり、月経とともに消失する。
3.× 子宮内膜は、増殖期ではなく分泌器にある。
4.× 基礎体温は、低温相ではなく高温相にある。
5.× 子宮頸管の粘液量が、増加ではなく低下する。

 

 

 

 

 

88 入院集団精神療法において、看護師が担うリーダーの役割で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.患者間の発言量を均等にする。
2.沈黙も意味があると受け止める。
3.メンバーの座る位置を固定する。
4.患者の非言語的サインに注目する。
5.話題が変わった場合はすぐに戻す。

解答2/4

解説

集団精神療法とは?

集団精神療法とは、同じ時間・場所・目的で集まった治療者と患者の集団が交流することで生じる互いに影響しあう力(グループダイナミクスまたは集団力動)を用いて治療的変化をもたらすことを目的としたものである。主に、言語を使って進めるが、問題を解決することが目的ではなく、グループメンバーの心の動きに注目して行われる。

1.× 患者間の発言量を均等にする必要はない。なぜなら、集団のなかでの発言が負担になる人もいるため。適宜発言を促すことも必要だが、黙っていることを保障することも大切である。一方で、発話量が多い人には多い人なりの心の動きがある。ありのままを見守る姿勢が大切である。
2.〇 正しい。沈黙も意味があると受け止める。なぜなら、沈黙していること自体が差恥心や攻撃心・脅威・軽蔑といったさまざまな意味をもつ場合があるため。
3.× メンバーの座る位置を固定する必要はない。なぜなら、座る場所にもメンバーの力動が関与しているため。
4.〇 正しい。患者の非言語的サインに注目する。非言語的サインとは、患者の表情やしぐさなどを指す。
5.× 話題が変わった場合でも、すぐに戻す必要はない。なぜなら、話題が変わるときにもまた、グループダイナミクスが関係しているため。問題を解決することが目的ではないので、話題もある程度メンバーの意志に任せることが必要である。

 

 

 

 

 

89 精神保健医療福祉に関する法律について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.自殺対策基本法に基づき自殺総合対策大綱が策定されている。
2.障害者基本法の対象は身体障害と精神障害の2障害と規定されている。
3.発達障害者支援法における発達障害の定義には統合失調症が含まれる。
4.精神通院医療の公費負担は精神保健福祉法による自立支援医療で規定されている。
5.犯罪被害者等基本法は犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目標としている。

解答1/5

解説

1.〇 正しい。自殺対策基本法に基づき自殺総合対策大綱が策定されている。政府は、政府が推進すべき自殺対策の指針として、基本的かつ総合的な自殺対策の大綱を定めなければならないとされており、これが「自殺総合対策大綱」である。
2.× 障害者基本法の対象は、身体障害と精神障害の2障害ではなく、「身体障害・知的障害・発達障害を含んだ精神障害」と規定されている。障害及び社会的障壁により、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものである。
3.× 発達障害者支援法における発達障害の定義には、統合失調症が含まれない。『発達障害者支援法』における発達障害とは、自閉症・アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって一定のものをいう。
4.× 精神通院医療の公費負担は、精神保健福祉法ではなく障害者総合支援法による自立支援医療で規定されている。
5.〇 正しい。犯罪被害者等基本法は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目標としている。犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的としている。

 

 

 

 

 

90 災害拠点病院について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.広域災害医療に対応する。
2.災害発生時に指定される。
3.医療救護班の派遣機能を持つ。
4.免震構造であることが指定要件である。
5.救急救命士の配置が義務付けられている。

解答1/3

解説

1.〇 正しい。広域災害医療に対応する。24時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者などの受け入れおよび搬出を行うことが可能な体制を有することが求められる。
2.× 災害発生時ではなく、平常時から指定されている。発災前を準備期として、計画・訓練・備蓄などを実施しておく必要がある。災害発生時に災害拠点病院を指定したのでは、災害に適切かつ迅速に対応することができない。
3.〇 正しい。医療救護班の派遣機能を持つ。災害派遣医療チーム(DMAT)を保有し、その派遣体制を有することが求められる。
4.× 免震構造ではなく、耐震構造あることが指定要件である。免震構造であることが望ましいが、現時点では指定要件になっていない。
5.× 救急救命士の配置は、義務付けられていない

 

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